逆さバイバイ、つま先歩き、光や洋服の感触が苦手…もしかして特性だった?5歳息子の乳幼児期

ライター:プクティ
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わが家の長男は4歳の時に軽度の知的障害(知的発達症)と診断されました。今回は長男の乳幼児期を振り返り、発達上の特性だったかもしれないと思う行動についてのお話です。

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監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。

健康で発達も早く、何も気になるところがなかった乳幼児期。でも今思い返してみると……

軽度の知的障害(知的発達症)の長男の乳幼児期。今思い返すと「あれってもしかして……」と気になる行動が
今思い返すと「あれってもしかして……」と気になる行動が
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わが家の長男は4歳の時に軽度の知的障害(知的発達症)と診断されました。4000g近くで大きく元気に産まれた長男は母子手帳に書いてある目安よりかなり早い時期に首が座ったり、生後5ヶ月でハイハイをしたりと成長が早いほうでした。目も合うしよく笑うし、成長面や健康面に関して気になることは特にありませんでした。
逆さバイバイやつま先歩きが多く見られました
逆さバイバイやつま先歩きが多く見られました
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ただ、今思い返してみると、「そういえば、こういった行動をしていたな……」ということがいくつかありました。
例えば、0歳後半になりバイバイを覚えると、その当時はあまり気にしていませんでしたが、逆さバイバイをよくしていました。また、1歳になり歩き始めると、つま先立ちで歩く様子が多く見られました。

「光」と「衣替え」が大敵! 成長と共に感覚の過敏さが見られるように

2歳頃は光が苦手で、朝はまぶしさに慣れるまで一時間ほど泣くことも
2歳頃は光が苦手で、朝はまぶしさに慣れるまで一時間ほど泣くことも
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2歳になった頃には、感覚の過敏さも見られるようになりました。当時、特に困っていたのは「光」でした。

朝起きた時にカーテンを開けたり、部屋の電気をつけたりするとまぶしがり、目が慣れるまで一時間近くかかることもありました。光に慣れるように、寝室のカーテンを遮光ではないカーテンにしたり、長男が起きる少し前からカーテンを開けておいたりといった対策もしていました。ほかにも、車に乗っている時に太陽光を顔に浴びると嫌がって泣いてしまうので、サングラスは必需品となりました。
ズボンの丈や素材へのこだわりも強くありました
ズボンの丈や素材へのこだわりも強くありました
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さらに、洋服へのこだわりも強く、衣替えがとにかく苦手で長袖から半袖に変えるのを非常に嫌がりました。ズボンに関しては頑なに半ズボンを履くことを嫌がったので、一年中長ズボンで過ごしていました。素材もやわらかいものしか着用できず、固めのズボンや襟のあるシャツ、シャカシャカした上着などは一切着てくれませんでした。首元についているタグが苦手だったので全部切り、靴下もなるべく縫い目がないものを選んでいました。

こだわりの強かった長男。5歳になった今は

もっと早く理解して対処できたらよかったのに……という後悔も
もっと早く理解して対処できたらよかったのに……という後悔も
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当時は、なんでこんなにわがままなの? と理解できず困ったり、叱ってしまうことも多々ありました。今思い返すとあれも神経発達症の特性だったのかも……と考えたり、もっと早く理解して対処できたら良かったのに……と後悔したりすることもあります。

5歳になった今では、当時に比べるとこだわりで癇癪を起こすことも減り、感覚過敏も軽減してきているので、引き続き長男に寄り添って生活しやすい環境へとサポートしていけたらと思っています。

執筆/プクティ
(監修:室伏先生より)
長男さんの乳幼児期のご様子について共有くださりありがとうございました。もっと早く理解して対処できたらよかったのに……とのお言葉ですが、「光がまぶしく感じる」、「長袖から半袖に変えるのが嫌、やわらかい素材の洋服しか着用できない、タグが苦手」などのお困りに対する、プクティさんのとても丁寧なサポート、素晴らしいと思いました! なぜ嫌がるのか、苦しんでいるのか、実体験として体感できないので、理解ができなかったり、もどかしく思ったりすることも少なくないと思います。プクティさん自身、おつらいこともたくさんおありだったと思いますが、長男さんはプクティさんの工夫に数多く助けられたのではないでしょうか。

感覚の受け取り方、感じ方は個人差が大きいのですが、これが日常生活に支障をきたすほど鋭敏な場合に、感覚過敏と表現します。多くの人は、無意識のうちに五感から得られる情報から必要な情報だけ取り入れて、不必要な情報はシャットアウトしていますが、この情報処理に偏りがあると、周囲からの情報や刺激を過剰に受け取ってしまうことになります。どの感覚に過敏さがあるかは、お子さんによって異なります。本人にとってはとても苦痛が大きいこともありますが、周りから理解されにくいこともしばしば。感覚過敏のあるお子さんへのサポートは、苦手な刺激を避ける・弱めること、ゆっくり慣れていけるように適切に対応することなどが基本的な方針となります。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

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