学校トラブルのストレスで1日中首を振る深刻なチックに

特別支援学級のクラスが大荒れした年がありました。この時もストレスからチックが出ました。このトラブルは長期間に渡ったため、スバルのチックはおさまることなくどんどん悪化していきました。それまでのチックは1時間に数回首を振るくらいのペースでしたが、この時のチックは1日中首を振って過ごし1時間に数回首を振らない時間があるというくらい深刻なチックでした。

私1人の力ではチックの原因を解消してあげることもできず、藁にもすがる思いで病院へ行く事にしました。
深刻化するチック。藁にもすがる思いで病院へ電話したのに受診は……半年後!?
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しかし小児神経科や児童精神科はすぐに受診できませんでした。そこでスクールカウンセラーの存在を思い出し相談することにしました。スバルは自分の抱えるトラブルを他人に話したがりませんが「こちらの先生は専門家だから何でも話して大丈夫」と説明すると安心して話しはじめました。

スバルはインプットした知識を話す時は流暢ですが、自分の気持ちを話す時は幼い話し方になります。この時も主語もなく、時系列もめちゃくちゃでいつもに増して拙い話し方で、これまでのことを話していました。

内容は家でも話してくれていたものでしたが、ハアハアと息を切らしながら、時には立ち上がり椅子の周りを歩きながら話すこともありました。このように気持ちをさらけ出すような話し方をするスバルは初めて見ました。でも、帰る時にはスッキリした顔をしていました。

その後も度々スクールカウンセラーの先生とも話をするようにしました。私と一緒に話しに行く事もあったし、スバルが自分で予約して1人で話しに行く事もありました。それと同時にクラスでのトラブルへの対応がうまく回りだし、何ヶ月も続いたチックもゆっくりおさまっていきました。

ちなみに病院の予約の日、チックはほとんどおさまっていたものの別の困りごとがあったのでそちらをメインに相談しました。

ストレスからリラックスへ。最近のチック

スバルは車が大好きで家で頻繁に車がバックする時の音を真似して遊んでいます。各社、年代別に「ピーピーピー」「ポンポンポン」「ティントンティントン」「ファンフォンファンフォン」……。時にはクイズ形式で出題されることもあります。

空想に没頭している時の表情で「ティントン」だけ言うこともあります。なかなかすごい頻度で「ティントン」と言うので正直うるさいと感じるのですが、1人でご機嫌で遊んでいるので「まあいっか」と見守っていました。ある日、会話の最中「今日の給食は『ティントン』カレー」と言ったことで「ティントン」もチックであることが発覚しました。

最初は遊びだったことは確かなのですが、いつの間にかご機嫌な「ティントン」はチックになっていたのです。一体いつから……。

私の日々の観察と調査によるとおそらく「ティントン」は首振りとは違い深刻な原因と結びついておらず家の外では滅多に出ません。リラックスタイムに出ることが多いので日常の風景として受け入れています。
執筆/星あかり

(監修:藤井先生より)
発達障害のお子さんの中には、新しい環境の変化に慣れるのが苦手という特性があることがあります。その特性ゆえに、新年度や、運動会・お遊戯会などのイベントの際には、チックが出てくるという相談を受けることは珍しくありません。

チックには症状はさまざまで、始めはチックと気づかれないこともあります。また症状の程度に波があるため、生活に支障がない程度であればご自宅で様子を見られていることもあります。しかし、頻回だったり、声などの音が出てしまうチックの場合は、お子さん自身も、見守る周囲も自身にも支障が出てくることがあります。症状の程度が強い場合には、お薬を使うことで症状が軽減されることもあるので、主治医の先生に相談することをお勧めします。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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