相談しながら、試しにルールをつくってみた

次女と相談して、「学校はいつ休んでもいいけど、宿題だけはやる」というルールを決めて、取り組んでみることにしました。

だるくて学校に行けなくても、宿題だけはやってみて、このくらいの負担なら大丈夫そう……というラインを探っていく感じです。

この頃、私が学校に休みの連絡を入れることを負担に感じていたように、次女も私に「休みたい」と言うことを負担に感じていました。
次女としては、だるくて無理だから休みたいと言っているのに、つい私が「体調悪いの?」「ほんとに無理そう?」「午前中だけ行ったら?」などいろいろ言ってしまっていたので……。

とにかく試行錯誤しながらベストを探る感じだったので、次女が「休む」と言う時は、私もいろいろしつこく聞いたり言ったりしないようにして休ませることにしました。
親子で話し合った「学校を休んでもいいルール」を試してみることに
親子で話し合った「学校を休んでもいいルール」を試してみることに
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ルールを決めて変わったこと

このルールを決めてから、まず、私自身の気持ちが軽くなりました。朝に「休む」と次女から言われても、「いろいろ試している時期だから……」とそれまでほどの負担を感じなくなりました。

次女のほうも、私の朝の対応が変わったことと、「宿題さえやれば、いつ休んでもいい」というルールで、それほど負担なく私に「休む」と言いやすくなったようです。そして、イヤイヤながらも宿題に自ら取り組むようになりました。

この、「気楽にいつ休んでも良い」というのが、次女の安心感につながった気がしています。
ルールづくりによって、母も娘も負担が軽くなったように感じられた
ルールづくりによって、母も娘も負担が軽くなったように感じられた
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今回はタイミングが良かった

結果、気楽に休みやすくなったからといって、次女のお休みが増えることはありませんでした。むしろ以前より、学校に行く様子が少しラクそうになった感じがありました。
以前より学校に行くのがラクになってきた様子の娘
以前より学校に行くのがラクになってきた様子の娘
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週1回程度休みつつ学校に行くのは夏休み前と変わりませんでしたが、休む時のルールを決めてからは、宿題については少しずつ自分で取り組めるようになっていきました。

以前、私の不安をぶつけて勝手に進めてしまった時と違って、この時は、夏休みの間にしっかり休めたことと、親子で話し合って良いタイミングで試行錯誤したことで、小さな一歩を踏み出すことができたのではないかと思っています。

執筆/まりまり
(監修:新美先生より)
場面緘黙のお子さんの、学校で疲れてしまうことに寄り添って対応されていることについて、詳しく聞かせていただきありがとうございます。お子さんの様子の変化をしっかり見極めて、ご本人と話し合って対応されている様子がとても丁寧で素晴らしいと思いました。

ご本人と話し合って、ルールを決めたのがよかったですね。基本的には学校に行こうと思っているけど、どうしても無理な日に「休みたい」と言っているのに、いろいろ気にかけるのが負担という気持ちを娘さんが言ってくれてよかったです。そして宿題だけはやることで、休んでも「やることをやっている」という気持ちになれるのもちょうどよいのかもしれません。

こういう、本人が大事にしたいポイントは、お子さんによってまた時期や環境によって変わってくるので、その都度気持ちを聞いたり、選択肢を出したりしながらちょうどよいルールを決めていくと、お互いに楽になっていいですね。また状況が変わってきたらルールも柔軟に変えていったらいいと思います。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030295
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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