【リアル体験談】中学受験で「学びの多様化学校(不登校特例校)」を選んだ不登校息子。メリットデメリットは?【読者92人が回答!中学進路アンケート結果も】
ライター:ユーザー体験談
ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、知的障害(知的発達症)など、発達に特性があるお子さんがいらっしゃるご家庭では小学校卒業後の進学先で悩まれている方も多くいらっしゃると思います。今回、発達ナビでは会員の皆さんに「進学先アンケート(中学校編)」を行いました。
このコラムでは、アンケート結果に加え、実際の体験談も詳しくご紹介。小学校時代不登校だったお子さんが選んだ進学先は「不登校特例校」。進学までの道のりをマンガ化してお届けします。
監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
進学先アンケート(中学校編)の結果は?発達ナビ利用者から寄せられたコメントも紹介!
30%が自閉症・情緒障害特別支援学級、29%が通常学級、15%が知的障害特別支援学級を選択
通常学級を選んだ/選ぶ予定…29%
通常学級+通級指導教室を選んだ/選ぶ予定…8%
知的障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…15%
自閉症・情緒障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定…30%
特別支援学校を選んだ/選ぶ予定…12%
発達ナビ利用者の皆さんへのアンケートの結果、中学校選びで最も多かったのは「自閉症・情緒障害特別支援学級を選んだ/選ぶ予定」の30%で、次いで「通常学級を選んだ/選ぶ予定」が29%、「知的障害特別支援学級」が15%と続きました。そして、「通常学級+通級指導教室」が8%、「特別支援学校」が12%となっています。将来を見据えて慎重に進学先を選んでいる様子が伺われます。
進学先アンケート(中学校編)みんなの意見は?
アンケートに寄せられたコメントはこちら。
【通常学級】高校進学を考えて通常学級を選択
高校進学を考えての選択です。高等支援への進学はないので。
進学先の中学校では、高校進学するなら、支援級でも全交流が必要とのことでした。通級も検討しましたが、通級を利用すると、その教科は評定が「1」しかつかないそうで、それなら自力のほうが良いかなと。薬調整でだいぶ落ち着いてきたので。本人もみんなと一緒を希望してるのが、1番です。
※地域によって評定の付け方は異なります
※高等支援:特別支援学校高等部もしくは高等特別支援学校を指していると思われます
※高等支援:特別支援学校高等部もしくは高等特別支援学校を指していると思われます
【自閉症・情緒障害特別支援学級】小学校は通常学級から特別支援学級へ転籍。中学進学は特別支援学級に
長男は3歳児健診より発達障害を疑われており、年少より支援センターに通い、小学校入学時にも学校側と保育園側と面談をし、双方の納得で通常級でスタートしました。
小2で発達の診断(ADHDとASD)を受けて、小3より支援級に在籍しましたが、
勉強はとにかくできる子であったため、授業中の放置が酷く、勉強をほとんど教えて貰えなかったり、通常級の担任と支援級の担任の交流も薄く、逆にクラスで浮いてしまい、酷い言われようをしました。
(中略)
そんな中、来年度中学のクラスは、情緒級を選びました。
それは、まずは学校へ2人で見学に行った際、先生からは生徒に対してのサポートが厚いことは説明して頂きました。それでも小3みたいになりたくなかったので、かかりつけ医にも相談(かかりつけ医はそういうクラス分けの委員会の委員でもある)したところ、情緒クラスが良いと思うと言って頂いたこと。その代わりにサポート体制についての話し合いを求める事を条件とするなど言って頂きました。
(略)
【特別支援学校】小学校は特別支援学校。中学校も引き続き特別支援学校に
長男は、1歳から3歳半ばまで保育園に通い、年少途中から引っ越しに伴い療育園に転園しました。
年長になってから単語が少しずつ出てきましたが、コミュニケーションをとるのが難しいのと、こだわりや癇癪のつよさがあることから、小学校の進路は支援学校に決めました。
(中略)
中学の進路は、このまま支援学校に進む予定です。本人のペースで、できることをゆっくり伸ばしていければよいと考えています。
次に、アンケートに寄せられた体験談の中から中学校への進学についてのエピソードについてご紹介します。
なのははさんの息子さんは現在14歳。11歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。小学2年生の秋頃から、不登校、登校渋りが始まったそうです。そんな息子さんが進学した中学は「不登校特例校」。進学までの道のり、オープンスクールへの参加、実際に進学してみて感じたメリットデメリットなども振り返ってくだきました。ぜひご覧ください。
なのははさんの息子さんは現在14歳。11歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。小学2年生の秋頃から、不登校、登校渋りが始まったそうです。そんな息子さんが進学した中学は「不登校特例校」。進学までの道のり、オープンスクールへの参加、実際に進学してみて感じたメリットデメリットなども振り返ってくだきました。ぜひご覧ください。
不登校の始まりと小学校での葛藤
現在14歳(中3)の息子がいます。11歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。
息子は小学2年生の秋頃から、不登校、登校渋りが始まりました。きっかけはなんだったかを考えるならば教室で吐いてしまったことですが、正確なところは分かりません。その前から、児童館を嫌がったり習い事を辞めたがるなど、兆候はあったと思います。2年生の3学期には完全に学校に通えず、私自身も「学校に行かせなければ」と焦りと不安が募る日々でした。
その後、3年生進級時のクラス替えをきっかけに再び登校するようになり、担任の先生にも恵まれ、私も毎日息子に付き添って学校に行きました。この頃、発達検査で発達の凹凸が判明し、5年生でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。
そして通級指導教室にも通い始め、4年生の間は毎日通学ができましたが、5年生のコロナ禍による休校明けには再び不登校になってしまいました。
この頃から、私たちは小学校卒業後の選択肢を探し始め、不登校特例校の存在を知りました。
※編集部注:現在不登校特例校は「学びの多様化学校」となっていますが、このコラムでは当時の名称をそのまま使用しています。
息子は小学2年生の秋頃から、不登校、登校渋りが始まりました。きっかけはなんだったかを考えるならば教室で吐いてしまったことですが、正確なところは分かりません。その前から、児童館を嫌がったり習い事を辞めたがるなど、兆候はあったと思います。2年生の3学期には完全に学校に通えず、私自身も「学校に行かせなければ」と焦りと不安が募る日々でした。
その後、3年生進級時のクラス替えをきっかけに再び登校するようになり、担任の先生にも恵まれ、私も毎日息子に付き添って学校に行きました。この頃、発達検査で発達の凹凸が判明し、5年生でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。
そして通級指導教室にも通い始め、4年生の間は毎日通学ができましたが、5年生のコロナ禍による休校明けには再び不登校になってしまいました。
この頃から、私たちは小学校卒業後の選択肢を探し始め、不登校特例校の存在を知りました。
※編集部注:現在不登校特例校は「学びの多様化学校」となっていますが、このコラムでは当時の名称をそのまま使用しています。
中学校への進学を考えるとまず学区内の中学校が浮かびましたが、そこには特別支援学級がありませんでした。そうなると、通常学級に在籍しつつフリースクールに通うか、学区外の中学校の特別支援学級を選ぶかになります。どちらにするべきなのか悩む中、私は不登校特例校の存在を知りました。
その不登校特例校は私立でした。学費の不安はありましたが、環境に魅力を感じました。また、登校以外にオンライン授業もあるという柔軟さも、息子に合っていると思いました。
息子にこういう学校があるんだけどと話すと「行けと言うなら行ってみるよ」と前向きではないものの反発することもありませんでした。そこで息子と不登校特例校のオープンスクールに参加することにしました。
その不登校特例校は私立でした。学費の不安はありましたが、環境に魅力を感じました。また、登校以外にオンライン授業もあるという柔軟さも、息子に合っていると思いました。
息子にこういう学校があるんだけどと話すと「行けと言うなら行ってみるよ」と前向きではないものの反発することもありませんでした。そこで息子と不登校特例校のオープンスクールに参加することにしました。
オープンスクールでは堅苦しさのない授業が印象的で、息子も体験授業や体育を楽しむことができました。先生やスタッフの柔らかな雰囲気に、私自身もここはいいかもしれないと感じることができました。
そして家族、先生方などと話し合いながら、6年生の3学期、息子自身がこの不登校特例校に行くと決め、進学をすることになりました。
テストではなくゲームや鬼ごっこ!不登校特例校のメリットデメリット
不登校特例校での生活は、息子にとって大きな転機となりました。一番のメリットは「毎日通わなくてもいい」という点で、親も子もプレッシャーが軽減されました。1クラスの人数が少ないため、大人数が苦手な息子にとって居心地の良い環境だったようです。
不登校特例校での授業はとても柔軟でした。例えば、長期休み明けにはテストではなく、ゲームや鬼ごっこなどを選べる活動が用意されていました。授業もSSTが取り入れられ、理解度に合わせたクラス分けもされていました。宿泊学習で遊園地に行ったこともあり、子どもたちの学校に対するイメージが良いものになったのではないかと思います。
不登校特例校での授業はとても柔軟でした。例えば、長期休み明けにはテストではなく、ゲームや鬼ごっこなどを選べる活動が用意されていました。授業もSSTが取り入れられ、理解度に合わせたクラス分けもされていました。宿泊学習で遊園地に行ったこともあり、子どもたちの学校に対するイメージが良いものになったのではないかと思います。