無理のない、家族のペースを大切にするお正月
とにかくわが家の年末年始は「無理をしない」。あえて変わったことをしないようにしています。必要最低限の親類にしか会いませんし、初売りや福袋の列に並ぶこともしません。テレビも苦手なので年越し特番や正月番組を見ることもありませんし、近所のスーパーが開くまで買い物も行きません。一緒にゲームをしたり、こたつでゆっくりしたり、それぞれ好きなことをして時が過ぎるのを待ちます。子どもの頃、私が過ごしてきたお正月とはずいぶん違います。こうしたお正月を過ごすことに、全く抵抗がなかった訳ではありません。いわゆる昔ながらのお正月をきちんとしようとしていた時期もありました。
しかしこうした行事や騒々しさが子どもが苦手だと分かった途端、「正しい年末年始の過ごし方」のような大人のこだわりは捨て去るのが一番だと思いました。一年は日常の繰り返し、その日常が続いていくことこそが大事で、変わらぬ日常を積み上げていくことが、私たちにとっての新年の過ごし方なのです。
しかしこうした行事や騒々しさが子どもが苦手だと分かった途端、「正しい年末年始の過ごし方」のような大人のこだわりは捨て去るのが一番だと思いました。一年は日常の繰り返し、その日常が続いていくことこそが大事で、変わらぬ日常を積み上げていくことが、私たちにとっての新年の過ごし方なのです。
新しい一年のはじまりを、新しい気持ちで
とにかく一年を通して外出が苦手になってしまった子どもたちなのですが、年末年始の街全体が浮き足だった雰囲気が特に苦手です。年々、その傾向は強くなっていますが、私も慣れてきたもので、「年末に向けて子どもたちと食べるお菓子を買っておこうかな」「こたつでごろごろしやすいクッションを新調しようかな」などと状況を楽しむ余裕も出てきました。かつて年末年始は常に動き回っていましたが、今のようなスタイルは親の私にも合っていたようで、体と心を休める期間と思えるようになりました。
当然のことながら、伝統行事はとても重要です。たとえば学校行事に参加できない子どもたちのために、特別支援学級の先生が「どうしたら参加できるか」を一緒に考えてくださるように、おうちの行事もその子に合った形でもいいんじゃないのかなと思います。親戚の集まりに顔を出さないなど、うるさく言ってくる人はどこにでもいますが、子どもの心の健康を守るためです。「一年の計は元旦にあり」という言葉がありますが、「一年の支援も元旦にあり」と思いながら、なるべく刺激の少ない年末年始を今年も目指したいです。
執筆/花森はな
当然のことながら、伝統行事はとても重要です。たとえば学校行事に参加できない子どもたちのために、特別支援学級の先生が「どうしたら参加できるか」を一緒に考えてくださるように、おうちの行事もその子に合った形でもいいんじゃないのかなと思います。親戚の集まりに顔を出さないなど、うるさく言ってくる人はどこにでもいますが、子どもの心の健康を守るためです。「一年の計は元旦にあり」という言葉がありますが、「一年の支援も元旦にあり」と思いながら、なるべく刺激の少ない年末年始を今年も目指したいです。
執筆/花森はな
(監修:初川先生より)
花森家の年末年始の過ごし方のご紹介をありがとうございます。似たような特性をお持ちのお子さんのご家庭にはとても参考になる具体的なお話がいっぱいでしたね。目の前の子どもたちが心穏やかに過ごすことと、慣習・風習としての“年末年始”を過ごすこと。それらを天秤にかけ、子どもたちが心穏やかに過ごすことに主軸を置きつつ、ささやかな年末年始感(大掃除、こどもおせちの工夫など)を味わう。すてきな工夫のシェアでした。
年末年始の浮足立った感じについては、通常との変化として感じられる面もありますが(私も年末年始のテレビからニュース番組や天気予報が減るのがどうにも得意でなくて、早くいつも通りになれ~と思うこともあります)、そのほかにも、“年末年始は家族や親族で仲良く過ごすもの”といったように一般的には思われている面もあり、そのあたりで心がちくちくする方もいらっしゃるかなと思います。花森さんが本コラムで何度か書かれていたように、無理せず過ごす、そのポイントで改めて考えてみて、工夫できるところはしてみるということ。とても大事だなと感じます(無理してもいいことはないので)。皆さんにとって、良き年末年始だったと感じられる時間を過ごせるよう、願っています。
花森家の年末年始の過ごし方のご紹介をありがとうございます。似たような特性をお持ちのお子さんのご家庭にはとても参考になる具体的なお話がいっぱいでしたね。目の前の子どもたちが心穏やかに過ごすことと、慣習・風習としての“年末年始”を過ごすこと。それらを天秤にかけ、子どもたちが心穏やかに過ごすことに主軸を置きつつ、ささやかな年末年始感(大掃除、こどもおせちの工夫など)を味わう。すてきな工夫のシェアでした。
年末年始の浮足立った感じについては、通常との変化として感じられる面もありますが(私も年末年始のテレビからニュース番組や天気予報が減るのがどうにも得意でなくて、早くいつも通りになれ~と思うこともあります)、そのほかにも、“年末年始は家族や親族で仲良く過ごすもの”といったように一般的には思われている面もあり、そのあたりで心がちくちくする方もいらっしゃるかなと思います。花森さんが本コラムで何度か書かれていたように、無理せず過ごす、そのポイントで改めて考えてみて、工夫できるところはしてみるということ。とても大事だなと感じます(無理してもいいことはないので)。皆さんにとって、良き年末年始だったと感じられる時間を過ごせるよう、願っています。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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