筋金入りの偏食に変化が!?発達障害の娘たちと挑戦!初心者でもできた家庭菜園・ポタジェづくり

ライター:にれ
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わが家の子どもたちは、程度の差はあれ偏食です。ふと思い立って『ポタジェ』方式の家庭菜園を始めてみたところ、食生活の改善以外にもいろいろな発見がありました。初心者でも始められた秘訣と、親子ですっかりハマってしまったポタジェの魅力をお伝えします。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

偏食改善に取り組んで数年……

ASD(自閉スペクトラム症)の診断済みで、療育手帳は中度判定の長女・まゆみ。1歳頃からバリバリの偏食児でしたが、長年のトライ&エラーの結果、少しずつ食べられるものの幅が広がってきました。味付け・食感・温度などにこだわりがあり、今も給食は残してしまうことがほとんどですが、それでも家庭の食事で「これで大丈夫」と思えるほど栄養が摂れるようになったのは目頭が熱くなる進歩です。

一方、次女・あずさは、「好き嫌いが多い」という程度の偏食。食べられるものも多いのであずさ単体で見るとあまり困らないのですが、食の好みが長女とは全く違うことには参ります。麺類を例に挙げると、まゆみが食べられるのはうどん、そば。あずさが食べてくれるのはそうめん、ラーメン。二人が共通して食べてくれるのはトマトソースのパスタくらいです。

毎日のごはん作りに苦慮し、「食べられる食材を……増やしたい……!!」と試行錯誤してきた中、やってみて良かったのが『ポタジェ』を庭につくったことでした。

めざせ、憧れのポタジェ

ポタジェとは、野菜・果樹・ハーブ・草花などを混植したフランス式菜園のこと。実用にも観賞にも役立つという特徴があります。そして、まずはこれをお伝えしておきたいのですが、私はサボテンを枯らしたことのある人間です。おまけに大雑把でうっかりした性格……どう考えても園芸には向いていません。しかし、それでもポタジェをつくりたいと思った理由はいくつかありました。
ポタジェをつくりたいと思った3つの理由
ポタジェをつくりたいと思った3つの理由
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全部が「~かも」という程度のフワッとした動機でしたが、ちょうどわが家にはそれを試せる4m四方のこぢんまりとした裏庭がありました。ずっと放置していたため雑草と虫のパラダイスになっていましたが、ポタジェづくりのために一家全員で草抜き開始。

途中から子どもたちは土遊びに変わっていましたが、とにかく同じ場所にいて楽しんでいてくれたらOK、まずは裏庭を楽しい場所だと思ってもらうことからです。

次に、畑づくりにはレンガで区画を分ける方式を採用しました。レンガなら、モルタルを使わなければ後からどうとでも変更できますし、子どもたちにも「こうじげんばごっこ」の感覚でお手伝いしてもらえます。

早速ホームセンターでレンガを買ってきて子どもたちに運んでもらうと、まゆみの勤勉さが光っていました。早々に独自路線へカーブを切るあずさを尻目に、まゆみは一人黙々とレンガを運び続け、キッチリと指示のとおりに並べていってくれます。「こんなに戦力になってくれるのか」と感動してしまいました。

冬の間、保育園から帰った後に畑づくりを少しずつ進め、春植えの時期になる頃にやっと念願の畑ゾーンができました。

初めての野菜づくり

まだ家庭菜園を始めてわずか1年半ではありますが、その間にいろいろな作物に挑戦しました。

レンガ積みと並行しながら初めて植えたラディッシュを皮切りに、春植え野菜はミニトマト、ピーマン、リーフレタス、スイカ、オクラ、サツマイモ、ニラ、イチゴ。秋植えには、サラダホウレンソウ、タマネギ、スナップエンドウ、スティックセニョール、ミニダイコン、ニンジン、コカブ、春菊、ネギ、そして二度目のラディッシュ。さらに今年の春は昨年のラインナップにミニカボチャを追加しました。

コンパニオンプランツや果樹、花、ハーブ、キノコを合わせるともっとたくさんで、初心者でも育てやすそうなものには果敢に挑戦しています。一部あずさのリクエストによる冒険枠もありますが、「これは難しいんだよなー、育つかなー」と言いながら成長を見守るのもまた楽しいもの。

特に、ミニトマト、ピーマン、ラディッシュ、スナップエンドウは種から育てたので子どもたちはいっそう愛着が湧いたようです。栽培ポットへ種を蒔き、毎日まだかまだかと見守る中でようやく芽が出た時は、まゆみもあずさも飛び上がって喜んでいました。

特にまゆみは、種を蒔いている時からずっと頭の上に「?」が浮かんでいたのが、小さな芽を見て何かがつながったようです。走って傘を持ってきたと思ったら、某国民的アニメの発芽シーンでのダンスを踊り始めました。面白いやらうれしいやらで涙の出る私を横に置き、本人はアニメのように爆発的に成長しないことにまた不思議そうな顔をしていました。
某国民的アニメの発芽シーンでのダンスを踊り始めたまゆみ。私は面白いやらうれしいやらで涙
某国民的アニメの発芽シーンでのダンスを踊り始めたまゆみ。私は面白いやらうれしいやらで涙
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こうして裏庭に出る毎日を過ごすうち、まゆみが長靴を見せて畑に行きたいアピールをするようになり、やがて滅多に喋ろうとしない口から「はたけ、いこー」というお誘いが聞けるようになりました。私も子どもたちもそれぞれに家庭菜園を楽しんでいますが、花を愛で、葉を撫でる様子からはまゆみの植物への愛情を感じます。たまに誤って苗を踏んでいることもありますが……。
次ページ「収穫!ポタジェの一年で子ども達にあった変化」

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