『ポタジェ』に見つけたインクルーシブ
前述のとおり、『ポタジェ』とは野菜・果樹・花・ハーブなどが混植された、いうなればごちゃ混ぜの庭のことです。
突拍子もない考えかもしれませんが、見た目も育ち方も違う植物が隣り合い、同じ場所で共存して、それぞれが花を咲かせたり、実をつけたり、葉を揺らしたりと「自分らしく」ありながらも、互いに調和を保ちながら育っていく様子には、「インクルーシブってこういうことかも」という思いが湧いてきます。
調和の取れたポタジェにするには配置が肝心で、無秩序で運営できるわけではありません。「相互に作用し合う調和のとれた庭をつくりたい」という目標が最初にあって、そのためには個々の植物の特性を最初に知り、自分の庭の事情に合いそうなものを選別し、空間においても時系列においても植物同士の相性を考える必要があります。具体的には、作物を育てていた土には後作に問題の出ない別の科の作物を植えたり、虫除けや受粉、生長に良い影響のあるコンパニオンプランツを混植したりといったことで、作物の数が増えるほど頭を絞る作業になります。
私はこうした考える作業は好きでも、継続力に問題のあるタイプ……。けれども、最初にそれぞれの特性に配慮して配置してあげれば、それなりに育ってくれるんだなぁ、というのがトライしてみての感想でした。私がやっていたのは、子ども任せの水やりと、たまの剪定に木酢液の散布、害虫や猫に忌避効果のあるハーブの葉をちぎって時折パッパッと撒くくらい……。白状すると、管理がまずくて枯らしてしまったものもあるのですが、そうした枯れた草木でさえ、ポタジェの隅の堆肥コーナーで分解され、次の年のための栄養となってくれる自然の循環にひたすら感動しています。
人は植物とは違いますが、少し似たところがあるような気がします。自分の体質、特性、得意不得意、心の動き方のクセなどを知り、相性の良い相手と一緒に過ごすことが生きやすさにつながるのかもしれません。
小さなポタジェの中、それぞれに個性の強い子どもたちと、これからも一緒に楽しみを見つけていきたいと思います。
突拍子もない考えかもしれませんが、見た目も育ち方も違う植物が隣り合い、同じ場所で共存して、それぞれが花を咲かせたり、実をつけたり、葉を揺らしたりと「自分らしく」ありながらも、互いに調和を保ちながら育っていく様子には、「インクルーシブってこういうことかも」という思いが湧いてきます。
調和の取れたポタジェにするには配置が肝心で、無秩序で運営できるわけではありません。「相互に作用し合う調和のとれた庭をつくりたい」という目標が最初にあって、そのためには個々の植物の特性を最初に知り、自分の庭の事情に合いそうなものを選別し、空間においても時系列においても植物同士の相性を考える必要があります。具体的には、作物を育てていた土には後作に問題の出ない別の科の作物を植えたり、虫除けや受粉、生長に良い影響のあるコンパニオンプランツを混植したりといったことで、作物の数が増えるほど頭を絞る作業になります。
私はこうした考える作業は好きでも、継続力に問題のあるタイプ……。けれども、最初にそれぞれの特性に配慮して配置してあげれば、それなりに育ってくれるんだなぁ、というのがトライしてみての感想でした。私がやっていたのは、子ども任せの水やりと、たまの剪定に木酢液の散布、害虫や猫に忌避効果のあるハーブの葉をちぎって時折パッパッと撒くくらい……。白状すると、管理がまずくて枯らしてしまったものもあるのですが、そうした枯れた草木でさえ、ポタジェの隅の堆肥コーナーで分解され、次の年のための栄養となってくれる自然の循環にひたすら感動しています。
人は植物とは違いますが、少し似たところがあるような気がします。自分の体質、特性、得意不得意、心の動き方のクセなどを知り、相性の良い相手と一緒に過ごすことが生きやすさにつながるのかもしれません。
小さなポタジェの中、それぞれに個性の強い子どもたちと、これからも一緒に楽しみを見つけていきたいと思います。
執筆/にれ
(監修:新美先生より)
ご家庭でのポタジェづくりと、それに伴うお子さんの変化、また「ポタジェ」自体についても詳しく教えてくださりありがとうございます。ポタジェのことは全然知らなかったのですが、ごちゃ混ぜ菜園からインクルーシブにつながる表現には、なるほどー!!!と膝を打ちました。とっても素敵ですね。
偏食の強いお子さんと、野菜栽培や釣りなどをいっしょにすることで、食材に興味を持ってもらうアプローチをすることがあります。偏食のなかには、見慣れない食材に不安を抱いて食べられないという場合もあるので、育っていく過程を目の当たりにすることで、食材に興味や愛着がわいて、「食べてみよう」と思うきっかけになることが期待できますね。大切なのは、それでも苦手なものは苦手ということがあることです。栽培を一緒にして楽しんだけれど、偏食はなくならないということもあるかもと思いつつ、1個でも食べられるものが増えたらラッキー♪食べられるものが増えなくても、栽培の過程自体を楽しめたらラッキー♪ぐらいのつもりでやってみるぐらいがいいかもしれません。
にれさんも、まさに「~かも」「~かも」の精神で始めてみたところ、作業自体も楽しめて、食べられる食材も増えて、憩いの場にもなってとってもよかったですね。お子さんへのメリットももちろんですが、にれさん自体の気分転換にもなっていそうです。家族みんなで楽しめる趣味が増えたみたいですね。
家庭菜園って、手間がかかりそうで忙しい子育ての中でなかなか手が出せないことではありますが、思い切ってやってみることで自然の育つエネルギーに触れ、大地の恵みを体に取り込むことを実感できて、とっても素敵ですね。
(監修:新美先生より)
ご家庭でのポタジェづくりと、それに伴うお子さんの変化、また「ポタジェ」自体についても詳しく教えてくださりありがとうございます。ポタジェのことは全然知らなかったのですが、ごちゃ混ぜ菜園からインクルーシブにつながる表現には、なるほどー!!!と膝を打ちました。とっても素敵ですね。
偏食の強いお子さんと、野菜栽培や釣りなどをいっしょにすることで、食材に興味を持ってもらうアプローチをすることがあります。偏食のなかには、見慣れない食材に不安を抱いて食べられないという場合もあるので、育っていく過程を目の当たりにすることで、食材に興味や愛着がわいて、「食べてみよう」と思うきっかけになることが期待できますね。大切なのは、それでも苦手なものは苦手ということがあることです。栽培を一緒にして楽しんだけれど、偏食はなくならないということもあるかもと思いつつ、1個でも食べられるものが増えたらラッキー♪食べられるものが増えなくても、栽培の過程自体を楽しめたらラッキー♪ぐらいのつもりでやってみるぐらいがいいかもしれません。
にれさんも、まさに「~かも」「~かも」の精神で始めてみたところ、作業自体も楽しめて、食べられる食材も増えて、憩いの場にもなってとってもよかったですね。お子さんへのメリットももちろんですが、にれさん自体の気分転換にもなっていそうです。家族みんなで楽しめる趣味が増えたみたいですね。
家庭菜園って、手間がかかりそうで忙しい子育ての中でなかなか手が出せないことではありますが、思い切ってやってみることで自然の育つエネルギーに触れ、大地の恵みを体に取り込むことを実感できて、とっても素敵ですね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。