結局のところ、始まってみないと分からない

あれこれ取り組んでみてはいますが、最後のところはその時になってみないと分からないと思っています。

言ってしまえば、『就学前準備』は来たる環境の変化を前にして行う心の準備であって、上手くいけばラッキーですし、もし思うようにいかなくても過度に落ち込む必要はないのかなと……。

小学校に上がると何もかもがガラッと変わります。大きな環境変化は大人でもしんどいのですから、特性のある子にとって適応に時間がかかるのはある意味では当然かもしれません。

重要なのは、本人の頑張りに寄り添いつつ状況把握をしっかりして、先生方と相談しながらより良い道を見つけていくこと。学校・療育先・主治医とホウレンソウを心掛け、起きてくるであろう困りごとへの対策や、特別支援学校へ転籍する必要が出てきたらそのタイミングなども相談していきたいと思っています。

私は何事も『悲観的に準備して楽観的に過ごす』ことを旨としているので、まゆみの就学準備もこんな感じになりました。

就学を目前に控えた今、後は心配しすぎずニコニコ過ご……せると良かったのですが、子どものこととなるとすぐ心配が顔を出すのでご機嫌でいるのにも胆力がいるんだなと感じる今日この頃です。

4月からのまゆみがどんな様子で過ごしているかは、今後またレポートさせていただければと思います。今回も記事を読んでくださってありがとうございました。
執筆/にれ

(監修:森先生より)
にれさん、お子さんの就学準備を乗り越えた体験談をありがとうございます。 新しい環境に適応するためにお子さんに寄り添って一つひとつ対策を考えていて、大変素晴らしいですね。

さて、発達の偏りのあるお子さんの中には、授業中に、「立ち歩き」や「クルクル回る・ピョンピョン跳ねる」といった行動を取ってしまうことが少なくありません。 感覚刺激を求める傾向が強く、特に体の動きやバランスを感じる感覚を刺激する行動で、自己調整をしようとしているのです。 「学習前にハンモックや回転イスでクルクル回す」など、感覚刺激を適切に与えるアプローチによって落ち着きが見られることがあります。感覚欲求を満たすことで脳の過剰な興奮を抑え、集中力を保つ助けにしていると考えられます。

また、学習環境を整える工夫も大切です。「机をシンプルにする」、「座りやすいイスやサポートグッズを使う」、「鉛筆グリップを使う」などですね。 お子さんによって合う・合わないがありますので、試行錯誤しながら探すことが大切です。 ただし、サポートグッズを学校へ持ち込みをしてもいいかどうかは、学校とよく相談して決めていく必要があります。

発達の偏りのあるお子さんは、実は体幹が弱く、姿勢保持や長時間座ることが難しいケースが少なくありません。 トランポリンやバランスボールのような遊びを通じて楽しみながら体幹トレーニングをしていくことも効果的です。 新しい環境に慣れることは、大人でも大変なことです。お子さんが学校に慣れるまで時間がかかることも少なくありませんが、にれさんが「悲観的に準備して楽観的に過ごす」とおっしゃるように、充分な対策と柔軟な対応をとっていけるといいですね。

入学説明会にしっかりと参加できたとのこと、本当によかったです。まゆみさんの頑張りと、にれさんのアイデアの成果がしっかり出ていますね。4月からの新しいスタート、不安もあると思いますが、一つひとつ乗り越えていけると信じています。
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030401

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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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