【50代体験談】身に覚えのないアザだらけ、原因は…?娘が気づかせてくれた「不注意」の実態
ライター:ひらたともみ
Upload By ひらたともみ
私は50代になってADHD(注意欠如多動症)と診断されました。
今回は、診断前に「あれ?」と思った出来事を書きたいと思います。
監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。
多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。
からだ中にアザが!?
子どものころから「落ち着きがない」「そそっかしい」と言われ続けてきた私。
もう十数年運動もしていないし仕事は室内なのですが、あるとき入浴中に自分の体がアザだらけなことに気が付きました。
もう十数年運動もしていないし仕事は室内なのですが、あるとき入浴中に自分の体がアザだらけなことに気が付きました。
これはなにかしらの病気だと思いすぐにネットで調べたもののよく分からず、病院に行こうかと悩んでいました。それから数日後、再び入浴の際に体を見ると新しいアザをいくつも発見!やはり病院に行くしかないかと思い、娘にそのことを伝えました。
すると娘はまったく予想もしないことを言ったのです。「毎日ぶつけているんだからアザになるでしょ」と。
すると娘はまったく予想もしないことを言ったのです。「毎日ぶつけているんだからアザになるでしょ」と。
「ぶつけてる……?」まったく心あたりないことを言われたものの、しばらく自分の生活を振り返ることに。
すると私は、毎日のように不注意でぶつけていたことに気が付きました。たとえば、焦っているとき。出かけ間際や、仕事でバタバタしているときにテーブルに体ごとぶつかったり、転んだり。
そして子ども時代を振り返ってみて、学校からの帰り道(坂道)で転んだり、学校の階段でつまずいたりしていたのを思い出したのです。
すると私は、毎日のように不注意でぶつけていたことに気が付きました。たとえば、焦っているとき。出かけ間際や、仕事でバタバタしているときにテーブルに体ごとぶつかったり、転んだり。
そして子ども時代を振り返ってみて、学校からの帰り道(坂道)で転んだり、学校の階段でつまずいたりしていたのを思い出したのです。
のちに知ることになるのですが、これもADHD(注意欠如多動症)の特性が影響している可能性があるようです。
それが分かったあとは家の中も注意して動くようになりました……が、やっぱりよく足をぶつけたり、転んだりしています。
執筆/ひらたともみ
それが分かったあとは家の中も注意して動くようになりました……が、やっぱりよく足をぶつけたり、転んだりしています。
執筆/ひらたともみ
(監修:新美先生より)
ご自身の、気付かないうちになぜかアザができていることについて、教えていただきありがとうございます。
ADHD(注意欠如多動症)というと“注意散漫”“忘れ物が多い”というイメージが強いですが、実は「自分の身体に向ける注意(ボディ・アウェアネス)」が抜けやすいという方も少なくありません。周囲の物への距離感がつかみにくかったり、急いでいるときに視野が狭くなって物にぶつかりやすくなったり、足元への注意が弱くなって転びやすくなるといったことがあるのです。また、思い立ったらすぐに行動する衝動性で、周りの状況を見極めずに動き始めるので、たまたまそこにあるものにぶつかってしまうみたいなこともあり、ケガは多くなりがちです。
体験談の中の「自分では気づいていなかったけれど、実は毎日ぶつけていた」という気づきは、多くの当事者が「あるある!」とうなずくポイントだと思います。ADHD(注意欠如多動症)の不注意は“意識して集中すれば治る”といった単純なものではなく、脳の情報処理の特性によって「その瞬間に入ってくる情報の優先順位づけ」が難しいことが背景にあります。そのため、身体に関する注意が後回しになり、結果としてケガにつながることがあります。
また、ADHD(注意欠如多動症)の特性だけでなく、身体感覚そのものの弱さ(鈍さ) や 痛みに気づきにくい傾向、体の使い方の不器用さといった、別の要素が絡んでいる場合もあります。これらは必ずしもADHD(注意欠如多動症)の特性というわけではありませんが、併存しやすく、日常生活の中で“ぶつけやすい”“転びやすい”といった困りごととして表れることがあります。
アザができやすい=ADHD(注意欠如多動症)というわけではないという点は気を付けたいところですが、筆者さんの場合、診断がついたことで過去の経験に意味づけができたという点も、とても大切な変化だと思います。診断は“ラベル”ではなく、自分の過去の行動や困りごとを理解する手がかりになりますね。なんとなくスルーしていたことや、引っかかりつつも封印してきたことの謎が解けると、スッキリしますね。
ご自身の、気付かないうちになぜかアザができていることについて、教えていただきありがとうございます。
ADHD(注意欠如多動症)というと“注意散漫”“忘れ物が多い”というイメージが強いですが、実は「自分の身体に向ける注意(ボディ・アウェアネス)」が抜けやすいという方も少なくありません。周囲の物への距離感がつかみにくかったり、急いでいるときに視野が狭くなって物にぶつかりやすくなったり、足元への注意が弱くなって転びやすくなるといったことがあるのです。また、思い立ったらすぐに行動する衝動性で、周りの状況を見極めずに動き始めるので、たまたまそこにあるものにぶつかってしまうみたいなこともあり、ケガは多くなりがちです。
体験談の中の「自分では気づいていなかったけれど、実は毎日ぶつけていた」という気づきは、多くの当事者が「あるある!」とうなずくポイントだと思います。ADHD(注意欠如多動症)の不注意は“意識して集中すれば治る”といった単純なものではなく、脳の情報処理の特性によって「その瞬間に入ってくる情報の優先順位づけ」が難しいことが背景にあります。そのため、身体に関する注意が後回しになり、結果としてケガにつながることがあります。
また、ADHD(注意欠如多動症)の特性だけでなく、身体感覚そのものの弱さ(鈍さ) や 痛みに気づきにくい傾向、体の使い方の不器用さといった、別の要素が絡んでいる場合もあります。これらは必ずしもADHD(注意欠如多動症)の特性というわけではありませんが、併存しやすく、日常生活の中で“ぶつけやすい”“転びやすい”といった困りごととして表れることがあります。
アザができやすい=ADHD(注意欠如多動症)というわけではないという点は気を付けたいところですが、筆者さんの場合、診断がついたことで過去の経験に意味づけができたという点も、とても大切な変化だと思います。診断は“ラベル”ではなく、自分の過去の行動や困りごとを理解する手がかりになりますね。なんとなくスルーしていたことや、引っかかりつつも封印してきたことの謎が解けると、スッキリしますね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。