小1冬のWISC-Ⅳで分かった"凸凹の大きいプロフィール"

小学校へも問題なく通っていましたが、夏の個人面談で担任の先生から「できないことがあると泣いてしまうことがあります。通級指導教室で丁寧に見てもらうといいと思うので、いかがですか」と通級指導教室をすすめられました。

発達がゆっくりめだとは思っていましたが、このように支援が必要だと言われたのは初めてでした。最初感じたのはショックでしたがすぐ「いいと思った支援はぜひしてほしい!」と思い、「お願いしたいです!!」と即答していました。

その後入室のためWISC-Ⅳを受けました。

  • 言語理解:高い
  • 知覚推理:高い
  • ワーキングメモリ:低い
  • 処理速度:低い

高低差は約40ポイント。心理士さんからは「理解していても処理が追いつかず、なんでできないんだ、自分はダメだと自己肯定感が下がりやすいかもしれません」と説明がありました。

この説明で、日常の“つまずきポイント”がすべて結びつきました。言いたいことがまとまらず泣いてしまったり、少しの間違いで「できない!」と泣いたり。漢字だけ極端に覚えられなかったのも納得でした(九九はそろばん教室でゲーム感覚で教えてもらい、イヤがらず覚えられたのは本当に助かりました……。ただ先生曰く、覚えるまでかなり時間がかかったそうです)。

この結果を知ってからは、なんで漢字テストの点数がこんなに低いのか……と心配することもなくなり、息子に合った覚え方はないのかと探すようになりました。息子は「その学年で習う漢字を歌で覚える学習」が合っていたようで、歌いながら漢字を書くと、そこそこ覚えられることが分かり、しばらくは歌いながら漢字を覚えるようになりました。

小6の現在――焦らず、自分のペースで受験へ

低学年時代は週1回、パズルや実験のような授業で楽しく学び、受験勉強は高学年からスタート。宿題の提出忘れで怒られることも多かったものの、なんだかんだ小6の今まで通い続けています。漢字は小5で突然伸び、「部品の組み合わせで覚える」感覚がついたようです。学校に合わないクラスメイトがいてしんどいときもありますが、塾には気の合う友だちができ、「学校以外の居場所」を得られたことは大きかったです。

今は受験本番を目前にしていますが、本人は焦る様子もなく、「英単語を覚える自信がないから、中学受験で頑張る」と自分なりの理由で頑張っています。親としては、当日、受験会場にたどり着いて試験を受けられたら、それで十分です。

低学年から塾に入れるなんて早すぎる、と思う方もいるかもしれません。でも、わが家にとって塾は受験のためだけでなく“学びを好きでいられる環境”となってくれました。「教えない塾」で自分のペースで育ってきた息子。焦らず、比べず、これからも見守っていこうと思います。
イラスト/ネコ山
エピソード参考/なん・とかなれ

(監修:森先生より)
受験準備の体験談をありがとうございます!発達の凸凹があるお子さんは、理解力があってもうまく学力に結びつかずに苦労されることがとっても多いのです。お子さんの得意不得意の傾向をよく見て、興味をうまく引き出すようなサポートされていて、大変素晴らしいですね。

発達の偏りのあるお子さんは、興味がない課題ではドーパミン放出が少なく、前頭前野の実行機能が十分働かず集中力が低下します。一方、強く興味を持ったものには報酬系が活性化し、ドーパミンが大量放出されるため「過集中」が起こります。興味を持てるかどうかで集中力が天と地ほど違うので、まずは学習環境や教材に興味を持てるかどうかが鍵となります。

勉強では、目で見た情報(視覚情報)の処理が重要となってきますが、視覚情報の流れには「腹側視覚経路」と「背側視覚経路」というものがあります。腹側視覚経路は、物の名前や意味、人の顔を認識したり、物事を順序立てて細かく覚える際に使われる経路です。ここが弱いと九九や漢字の書き順でつまずくことがあります。

それに対して、背側視覚経路は、物の位置を認識したり、物に正確に手を伸ばすときに使われる経路です。「どちらが得意」とはっきり分かれるものではありませんが、お子さん一人ひとり、どちらかというと得意な経路があると考えられます。そろばんやパズルなどの、見るだけでなく手を動かして物の数や形、空間をイメージをすることが得意なのであれば、背側視覚経路をうまく使った勉強方法が合っているのかもしれません。

自分に合った勉強方法が分かると、まずは「勉強=楽しい!」というイメージとなり、興味を持って集中力を発揮できるため、楽しい→集中する→得意になる→自信につながる→楽しいという循環がうまれます。これからも、「学びを好きでいられる環境」を大切にして、自分のペースで頑張るお子さんを見守っていけるといいのではないかと思います。応援しております!
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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