【子育てQ&A】「いつまで続くの?」手づかみ食べ・忘れ物でパニック…相談事例から学ぶ「自立を促す」関わり方【専門家回答】
ライター:発達ナビ編集部
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子育てをしていると、昨日までできていたことができなくなったり、何度伝えても改善されない行動に頭を抱えたりすることがあります。特に発達に特性があるお子さんの場合、「どうして?」という疑問や「いつまで続くの?」という不安が尽きないものです。 今回は、発達ナビのQ&A掲示板に寄せられた2つのリアルな相談をもとに、ユーザーの皆さんの経験談と、専門家である井上雅彦先生からのアドバイスをご紹介します。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
【発達ナビ・QAコーナー】専門家と親の知恵で紐解く、わが子の“困りごと”解決のヒントが満載!
子育てをしていると、昨日までできていたことができなくなったり、何度伝えても改善されない行動に頭を抱えたりすることがあります。特に発達に特性があるお子さんの場合、「どうして?」という疑問や「いつまで続くの?」という不安が尽きないものです。 今回は、発達ナビのQ&A掲示板に寄せられた2つのリアルな相談をもとに、ユーザーの皆さんの経験談と、専門家である井上雅彦先生からのアドバイスをご紹介します。
【Case 1】4歳・手づかみ食べがやめられない
スプーンやフォークは使えるのに、一口ごとに促さないと手づかみ食べに戻ってしまう。手が汚れるのが嫌で服で拭くため、毎日着替えが大変。「いつまでもこのままでは」と周囲に言われ、焦っています。
ささんさんの投稿 「はじめまして。4歳(年少)の息子が自閉と軽度知的の特性があります。(以下略)」
先輩保護者からの「メニュー提案」「声かけの工夫」は?
「一口サイズの肉団子にピックを刺すなど、手づかみ卒業用メニューは? 」「お手拭きやスモックを用意して、しばらくは自由にさせてあげてもいいのでは」
ごまっきゅ(中学生の母)さんの回答「手づかみ卒業用のメニューではうまくいかないのでしょうか?(以下略)」
「1回の食事で注意するのは3回までと決める」「拭くよりカトラリーを使う方が手が汚れなくて楽だと気づけば、自然と減っていくはず」
あんこナベさんの回答「手掴み食べに悩んでいた(悩んでいる)小3息子がいます。(以下略)」
専門家から「スプーンなどで食べる行動を食事中持続させていくことが大事だと思います」
このお子さんの場合、スプーンやフォークを使って食べる微細運動の能力はあると思います。したがって、その行動を食事中に持続させていくことが大事だと思います。この行動を増やすにはスプーンやフォークを使って口に入れた時にしっかり褒めることです。オーバーなくらいがちょうどよいかもしれません。
手づかみで食べようとする場合にはスプーンやフォークを指さしてヒントを出し、できないときには軽く介助して持たせてもよいでしょう。箸はスプーンやフォークが安定してからでも遅くはないと思います。
(回答:井上 雅彦先生/公認心理師 鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
※ユーザー同士のQ&Aには専門家による回答はつきませんが、今回の特別企画では、反響のあったQ&Aについて、特別にコメントをいただき、このコラムでご紹介しています。
手づかみで食べようとする場合にはスプーンやフォークを指さしてヒントを出し、できないときには軽く介助して持たせてもよいでしょう。箸はスプーンやフォークが安定してからでも遅くはないと思います。
(回答:井上 雅彦先生/公認心理師 鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
※ユーザー同士のQ&Aには専門家による回答はつきませんが、今回の特別企画では、反響のあったQ&Aについて、特別にコメントをいただき、このコラムでご紹介しています。
「手づかみ食べ」の悩み解決のヒントになるコラム
ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた海乃けだまさんの息子さんは、手先の細かな動作や力のコントロールが苦手で、離乳食期から食事動作の習得に大きな壁がありました。
どのような「手づかみ食べ」の困りがあった?
どのように対応した?
感覚過敏ゆえに「手が汚れる手づかみ食べ」を嫌がり、かといって筋力の弱さからスプーンやフォークも使うことが難しい……。そんな葛藤の中、妹さんの誕生による多忙さや、2人同時の“地獄絵図”のような食事タイムを経て、少しずつ道具の練習を重ねてきました。6歳になった現在、幼稚園ではお箸に挑戦する一方、家庭では今も手づかみが混じるなど、発達の歩みはゆっくりです。周囲の何気ない言葉に傷つきながらも、その子のペースで進む食事支援のリアルな苦労が綴られています。
どのような「手づかみ食べ」の困りがあった?
- 感覚過敏
- 道具とのギャップ
- 成長後の逆戻り
どのように対応した?
- 道具の補助と反復練習
- 下の子の刺激を利用
- 環境と道具のステップアップ
- 根気強い声かけ
- 幼稚園と家庭の使い分け
感覚過敏ゆえに「手が汚れる手づかみ食べ」を嫌がり、かといって筋力の弱さからスプーンやフォークも使うことが難しい……。そんな葛藤の中、妹さんの誕生による多忙さや、2人同時の“地獄絵図”のような食事タイムを経て、少しずつ道具の練習を重ねてきました。6歳になった現在、幼稚園ではお箸に挑戦する一方、家庭では今も手づかみが混じるなど、発達の歩みはゆっくりです。周囲の何気ない言葉に傷つきながらも、その子のペースで進む食事支援のリアルな苦労が綴られています。
自閉症息子、2歳過ぎても手づかみ食べ、スプーンは握れず…6歳の今も続く食事の悩み
【Case 2】小4・ノートがない!予定変更へのパニック
夜遅くに「ノートがない」とパニックになった息子。代わりの方法を提案しても「先生に怒られる」と激しい癇癪に。私は「失敗から学んでほしい」と買いに行かなかったが、夫が結局買ってきてしまい、教育方針のズレにもイライラ。
もちおさんの投稿「小4のADHD、ASDの男の子、臨機応変に対応することができません。(以下略)」
先輩保護者からは「サポートも必要」のアドバイスも
「ASDの特性上、ほかのノートに書くハードルは非常に高い。今はまだ『買いに行く』という準備の練習が必要な時期。予備を常備しておこう」
カピバラさんの回答「お気持ちはわかりますが、発達っ子の精神年齢を考えると私なら購入しますね。
「中学生になると忘れ物は厳しくなる。今は『失敗をフォローする』だけでなく、『どう助けを求めるか(相談するか)』を訓練する時期。お母さんの判断も、自立を促す意味で間違っていません」
sacchanさんの回答「そもそも小学校の学習はノートに書いてナンボなので、無いなら少しのこっている部分をコピーなりして足してあげるとかして授業に支障がないようにしないとなりません(以下略)」
専門家から「子どもの気持ちに寄り添って一緒に悩む」
ちょっとしたきっかけで混乱していると思いますが、何故自分が混乱しているかを言葉でお母さんに伝えられているのは良いことだと思います。思春期の手前でもありますので、大丈夫という説明や理屈だけではなく、落ち着いて対応するためには「大丈夫」という説明の前に、一旦「そうだね」「不安になるよね」などと子どもの気持ちに寄り添って一緒に悩んであげてから「共感的な受け止め」の後に「解決策を一緒に考えよう」とするのはどうでしょうか。
解決策を正面から提示されると自分が否定されているように受け止めてしまうこともあり、より感情的にパニックになってしまうことも考えられるので、このように共感してワンクッション置くというアプローチが有効策になるかもしれません。
(回答:井上 雅彦先生/公認心理師 鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
※ユーザー同士のQ&Aには専門家による回答はつきませんが、今回の特別企画では、反響のあったQ&Aについて、特別にコメントをいただき、このコラムでご紹介しています。
解決策を正面から提示されると自分が否定されているように受け止めてしまうこともあり、より感情的にパニックになってしまうことも考えられるので、このように共感してワンクッション置くというアプローチが有効策になるかもしれません。
(回答:井上 雅彦先生/公認心理師 鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
※ユーザー同士のQ&Aには専門家による回答はつきませんが、今回の特別企画では、反響のあったQ&Aについて、特別にコメントをいただき、このコラムでご紹介しています。
「予定変更でパニック」の悩み解決のヒントになるコラム
ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けている息子・トールくん。「ルールを守ること」に強いこだわりを持ち、他人のマナー違反や物の扱いに対しても、相手が大人であっても注意せずにはいられませんでした。
どのような「こだわり(ルール・予定変更)」の困りがあった?
どのように対応した?
正義感ゆえにトラブルに発展することもあり、母のメイさんは見守りと制止の狭間で頭を悩ませてきました。また、幼少期から「予定の変更」が極めて苦手で、小6になった今でも急なキャンセルには強いストレスを感じています。成長とともに落ち着いたように見えても、実は内面で大きな葛藤を抱えている息子さんの特性を再認識し、社会との折り合いをどうつけていくか、親子で歩む課題が綴られています。
どのような「こだわり(ルール・予定変更)」の困りがあった?
- 過剰な正義感によるトラブル
- 危険やトラブルへの懸念
- 予定変更へのパニック
- 内面的なストレス
どのように対応した?
- 注意の役割を大人に限定する
- 情報のコントロール
- 「一般的な行動」としての説明
- 本人の特性を再考する
正義感ゆえにトラブルに発展することもあり、母のメイさんは見守りと制止の狭間で頭を悩ませてきました。また、幼少期から「予定の変更」が極めて苦手で、小6になった今でも急なキャンセルには強いストレスを感じています。成長とともに落ち着いたように見えても、実は内面で大きな葛藤を抱えている息子さんの特性を再認識し、社会との折り合いをどうつけていくか、親子で歩む課題が綴られています。
ルールやマナーに強いこだわり、予定変更でパニック!発達障害息子の気持ち、どう受け止める?【専門家アドバイスも】