【偏食・食事の悩み】「一口量」の調節が難しい小学生息子。食べこぼし、早食い、うまく噛めず飲み込めない!特性への工夫と学校での配慮は?

ライター:プクティ
【偏食・食事の悩み】「一口量」の調節が難しい小学生息子。食べこぼし、早食い、うまく噛めず飲み込めない!特性への工夫と学校での配慮は?のタイトル画像
Upload By プクティ

ASD(自閉スペクトラム症)の傾向があると言われている長男。小さい頃から偏食で、野菜はもちろんのこと、好き嫌いが多く食べられる食材はほんの少しでした。大きくなるにつれて少しずつ改善してきましたが、最近、偏食以外の新たな悩みが出てくるようになりました。

監修者井上雅彦のアイコン
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

悩み1. 食べこぼしと、改めて気づいた特性

小2になっても食べこぼしが激しい長男と、きれいに食べられる年中の次男
小2になっても食べこぼしが激しい長男と、きれいに食べられる年中の次男
Upload By プクティ
わが家の長男はASD(自閉スペクトラム症)の傾向があり、小学校入学時から特別支援学級に在籍しています。小学2年生になった今も食べこぼしが激しく、食べ終わった後はテーブルや服にごはんがたくさんこぼれています。食べこぼさないように食事中に声掛けもしているのですが、なかなか改善しません。一方で、年中の次男は食べこぼしがあまりなく、いつも綺麗に食べられます。次男にはできることが長男には難しい……そんな、きょうだい間の「差」を目の当たりにして、改めて長男が抱える特性や、本人なりの難しさを再確認することとなりました。

悩み2. 一口の量の調節

一口の適切な量がつかめず、口いっぱいに詰め込んでしまう
一口の適切な量がつかめず、口いっぱいに詰め込んでしまう
Upload By プクティ
長男は一口の量をうまく調節できず、いつも口いっぱいにごはんを詰め込んでしまいます。そのせいで食べる速度も非常に早く、いつもあっという間に完食してしまうのです。長男は元々食に関心が薄く、お菓子もあまり好んで食べません。お腹が空いているせいで急いで食べる原因にもなっているかと思うのですが、おやつに「何か食べる?」と聞いても、いつも「いらない」と答え、与えても残してしまいます。そして、いざごはんの時間になると、空腹だったことを思い出したかのように詰め込んでしまうのです。現在は、急いで食べすぎないよう、適切な一口の量を意識できるように声をかけるタイミングを計るなど、試行錯誤しています。

悩み3. 飲み込めずに出してしまう

肉や魚など、飲み込めない食材が増えてきた
肉や魚など、飲み込めない食材が増えてきた
Upload By プクティ
最近一番の悩みは、今までは食べられていた焼き魚や肉を「噛み切れない」と言って出してしまうことです。野菜は少しずつですが食べられるようになってきて安心していたのですが、今度は肉などの食感が飲み込みづらいようで、ずっと口の中で噛み続け、結局は飲み込めず出してしまうのです。なるべく小さく切ってあげて、少しずつ食べられるように工夫していますが、どうしても飲み込めず食べられない食材が増えてしまったのは今の課題です。
ライフバナー

学校給食での配慮と、前向きな変化

学校の給食では、無理なく食べられる量を調整してもらっている
学校の給食では、無理なく食べられる量を調整してもらっている
Upload By プクティ
学校でも給食の時間が心配でしたが、食べられないものは無理に食べなくても良かったり、あらかじめ量を減らしてくれたりと配慮してもらっているので、ほとんど食べられるものがない……という状況にはなっていないようです。学校でも飲み込めずに出してしまうことはあるようですが、長男のペースに合わせて、無理のないよう進めてくださっています。
食べこぼしは相変わらずだけど、汚れたシャツは頑張っている証拠!
食べこぼしは相変わらずだけど、汚れたシャツは頑張っている証拠!
Upload By プクティ
それでも、食べこぼしは相変わらずで、制服の白いポロシャツを毎回いっぱい汚して帰ってきます。洗濯は大変ですが、「今日も一生懸命食べてきたんだな」と微笑ましく思う瞬間でもあります。

新たに出てきたこれらの食の悩みは、いったいいつ、どのように解決していくのだろう……と心配になりますが、本人の特性を理解しながら、家庭と学校で様子を見つつ、徐々に解決できたらいいなと思います。
執筆/プクティ

専門家コメント 井上雅彦先生(公認心理師)

もともと偏食傾向が高く、食べられるものが限定されていたお子さんが、自ら食べてくれるようになったのは保護者としても喜ばしいことだと思います。一方、次のレベルの問題も出てきているようです。食べこぼしや一度にたくさん口に入れてしまう食べ方の問題については、個別の違いがあるので食べこぼしの原因を細かくみていくことが必要ですが、例えばスプーンを小さくする、手を添えやすい食器にする、食器が動きにくいようなマットを敷く、口についたものに気づいて拭かせるようにハンカチやナプキンを使う方法を教える、などが考えられると思います。食べ物を飲み込みにくいことに関しては、感覚の問題も考えられます。細かく切ることに加えて、少しずつ口に入れ、スープなどの飲み物と一緒に飲み込む練習をするとよいかもしれません。汚さずに食べやすい料理と、汚れやすい料理もあると思いますし、きれいに食べられたときにたくさんほめてあげることが最も大切だと思います。(監修:公認心理師 井上雅彦先生)
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030928
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ライフバナー


年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。