77の展示から見えた、未来の教育・支援のカタチ。「みんなの脳世界2025」レポート

ライター:【編集部厳選】最旬ニュース
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2025年11月2日・3日、東京ポートシティ竹芝で開催された「みんなの脳世界2025~超多様~」。このイベントには、企業や大学、研究機関から「ニューロダイバーシティ(脳・神経の多様性)」をテーマにした77もの展示が集結しました。展示の中から4つの取り組みをピックアップしてレポートします。

また、2026年の開催決定と、現在募集中の出展・協賛に関する最新情報もあわせて記事の最後にお届けします。

目次

「超多様」な世界をのぞく――違いを「面白がる」空間

「ニューロダイバーシティ」という言葉を聞くと、少し難しく感じるかもしれません。しかし、会場に広がっていたのはワクワクするような世界でした。
「みんなの脳世界2025」の会場の様子
「みんなの脳世界2025」の会場の様子
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77の展示が示す「ごちゃまぜ」の可能性

会場には、最新のロボット技術、VR(仮想現実)を使った体験、アート作品、そして身体感覚を拡張するツールなど、ジャンルを超えた77のブースがずらりと並びました。 そこで行われていたのは、「障害のある人を助ける」という一方的な支援の展示ではありません。

    ・「見えないもの」を可視化する技術
    ・「できない」をテクノロジーで「できる」に変える工夫
    ・人それぞれの「感覚の違い」を楽しむ体験

これらが当たり前のように混在し、子どもから大人まで、障害の有無にかかわらず多くの人が目を輝かせて体験していました。 「みんなちがって、大変」ではなく「みんなちがって、面白い」。 そんなポジティブな空気が会場全体を包み込んでいました。
今回は77の展示の中から、いくつかの取り組みをピックアップしてご紹介します。

「読みやすさ」を科学するアプローチ

MyType(マイタイプ)プロジェクト

MyType(マイタイプ)プロジェクト展示の様子
MyType(マイタイプ)プロジェクト展示の様子
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「読むのが苦手」というディスレクシア(読字障害)の当事者であっても、比較的読める(あるいは、読みやすい)文字があるのではないかーー。

「MyType プロジェクト」が取り組んでいるのは、「読みやすさの個別最適化」です。
これまでの教育現場では、全員が同じ教科書、同じフォントで学ぶことが当たり前でした。しかし、ディスレクシアの傾向がある人を含め、脳の特性によって「読みやすい文字」は千差万別であることがわかっています。

データの力で「環境」を変える

会場では、タブレットを使ってフォントの種類や文字間隔を微調整し、自分だけの「最適解」を導き出す試みが行われていました。
ここでの体験は、「読めないなら練習しよう」という従来の指導から、「読めないなら、読める環境(フォント)を選べばいい」という、合理的配慮が当たり前になる未来を予感させるものでした。

将来的にデジタル教科書と連携し、子どもたちが自分のIDを入れるだけで、画面が「自分仕様」に変わる。そんなインフラ作りを目指す取り組みです。

※MyTypeプロジェクトは、ー般財団法人森澤信夫記念財団の協賛を受け、武蔵野美術大学、株式会社モリサワ、株式会社コンセント、東京科学大学によるプロジェクトとして実施しています。

当事者の声から生まれる「インクルーシブデザイン」

mahora(まほら)ノート展示の様子
mahora(まほら)ノート展示の様子
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mahora(まほら)ノート

モノづくりの現場でも、発達障害当事者の声を起点とした製品開発が進んでいます。その象徴的な事例として展示されていたのが「mahora(まほら)ノート」です。
この取り組みの特筆すべき点は、「当たり前を疑う」姿勢です。
例えば、学習帳には必ずあると思われていた「十字リーダー(点線)」や「真っ白な紙」。これらが感覚過敏のある子どもにとって「視覚的なノイズ」や「まぶしさ」の原因になっているという事実に耳を傾けました。

「引き算」で生まれる集中力

開発チームは、余計な線をなくした「バランス中心点」だけのレイアウトや、光の反射を抑えた紙を採用。
これは単なる文房具の改良にとどまらず、「多数派に合わせて作られた社会の規格を、多様なマイノリティの視点で見直す」という、インクルーシブデザインの好例と言えます。
子どもの「できない」に注目するのではなく、「道具の側にあるバリア」を取り除く。企業のそんな姿勢が、子どもたちの学びやすさを支え始めています。
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