まとめ
ここまで試行錯誤してきて思うことは、“デジタルメディアとのほど良い距離感”というのは、子どもの状態や家庭環境によってそれぞれ異なるということです。
たとえば、わが家では「姉妹ゲンカの火種になる」という部分が動画視聴する上でのネックとなっており、どちらか一人しかいない時や、取り乱さずに制限時間を守れるほど成長した後であれば、もう少しデジタルメディアを活用することもできそうに思います。
刺激に敏感で切り替えが苦手なまゆみと、好奇心が強く喧嘩っ早いあずさという組み合わせの姉妹なので、現状はこうした形に落ち着いているという感じでしょうか。
今後、子どもたちの成長に伴って解禁されていく部分もあると思います。
また、音声タッチペンも「電子機器を使って情報を扱う」という点では広義のデジタルメディアの一種になりますが、同じデジタルでも、動画のように引き込まれるほど強い刺激を受けるものと、音楽のように刺激を本人がコントロールできるものとでは、利用後の子どもの情緒に大きな違いがあるように思いました。
このようにデジタルメディアも機器や内容はいろいろです。
特に動画サイトなどは制作側も意図して飽きにくい構造にしているので、子どもの意思ではそうそうやめられません。
わが家も動画に助けられてきた時間があったのは事実なのですが、デジタルメディアとの距離感は子ども本人が調整するのが難しいからこそ、使い方や環境を大人が整えていくことが大切なのだと感じています(私もできているかは怪しいのですが……)。
音声タッチペンがまゆみにバッチリはまったのは、音楽が好きで、選曲やタイミングを自分でコントロールしたい本人の性質にマッチしたからでした。
デジタルメディアとの付き合い方は、万人向けの正解があるものではないからこそ、その子にとって無理なく扱える形に整えていく先に、「ほど良い距離感」があるのかなと感じています。
たとえば、わが家では「姉妹ゲンカの火種になる」という部分が動画視聴する上でのネックとなっており、どちらか一人しかいない時や、取り乱さずに制限時間を守れるほど成長した後であれば、もう少しデジタルメディアを活用することもできそうに思います。
刺激に敏感で切り替えが苦手なまゆみと、好奇心が強く喧嘩っ早いあずさという組み合わせの姉妹なので、現状はこうした形に落ち着いているという感じでしょうか。
今後、子どもたちの成長に伴って解禁されていく部分もあると思います。
また、音声タッチペンも「電子機器を使って情報を扱う」という点では広義のデジタルメディアの一種になりますが、同じデジタルでも、動画のように引き込まれるほど強い刺激を受けるものと、音楽のように刺激を本人がコントロールできるものとでは、利用後の子どもの情緒に大きな違いがあるように思いました。
このようにデジタルメディアも機器や内容はいろいろです。
特に動画サイトなどは制作側も意図して飽きにくい構造にしているので、子どもの意思ではそうそうやめられません。
わが家も動画に助けられてきた時間があったのは事実なのですが、デジタルメディアとの距離感は子ども本人が調整するのが難しいからこそ、使い方や環境を大人が整えていくことが大切なのだと感じています(私もできているかは怪しいのですが……)。
音声タッチペンがまゆみにバッチリはまったのは、音楽が好きで、選曲やタイミングを自分でコントロールしたい本人の性質にマッチしたからでした。
デジタルメディアとの付き合い方は、万人向けの正解があるものではないからこそ、その子にとって無理なく扱える形に整えていく先に、「ほど良い距離感」があるのかなと感じています。
執筆/にれ
専門家コメント 室伏佑香先生(小児科医)
引き続き、デジタルメディアとの付き合い方について、ご家庭での工夫とまゆみさんの反応を共有してくださり、ありがとうございました。まゆみさんが本当に求めているものは何だったのかを丁寧に見直していく過程がとても印象的でした。動画を見たがる行動だけを見ると、「動画に依存している」「タブレットをやめられない」と捉えがちですが、まゆみさんの場合、その背景には「好きな刺激で安心したい」「自分のタイミングで楽しみたい」「落ち着く手段がほしい」などというニーズがあったのかもしれませんよね。
デジタルメディアとの付き合い方を考えるうえでは、視聴時間の長さだけでなく、刺激の強さ、本人がコントロールできる度合い、終わった後の情緒、ほかの遊びに広がるかといった視点も重要ですよね。ネット動画のように強い刺激が連続し、自動再生やおすすめによって次々と関心が引き寄せられるものは、子ども自身が区切りをつけるのが難しくなりがちです。一方で、今回ご紹介いただいた音声タッチペンやCD、DVDなどのように、ある程度制限された音楽や映像の中で、自分で選び、止めたり繰り返したりしながら、ご自身でコントロールしやすいものは、子どもの主体性や安心感につながる場合がありますね。
また、まゆみさんが音楽を流しながらブランコや人形遊びをするようになった点も大切です。動画視聴は活動がそこで止まりやすい一方、音楽はほかの遊びと組み合わせやすく、遊びを広げる支えになることがありますね。これは、メディアを「子どもの活動を止めて受動的にしてしまうもの」から「子どもの活動を支えるもの」に変えていく工夫とも言えますね。デジタルメディアは、一律に良い・悪いと判断するものではなく、その子にとってどんな役割を持っているのかを見ながら調整していくことが大切ですね。家庭に合った形で整えられたことは、まゆみさんにとってもご家族にとっても、とても大切な環境調整でしたね。(監修:小児科医 室伏佑香先生)
デジタルメディアとの付き合い方を考えるうえでは、視聴時間の長さだけでなく、刺激の強さ、本人がコントロールできる度合い、終わった後の情緒、ほかの遊びに広がるかといった視点も重要ですよね。ネット動画のように強い刺激が連続し、自動再生やおすすめによって次々と関心が引き寄せられるものは、子ども自身が区切りをつけるのが難しくなりがちです。一方で、今回ご紹介いただいた音声タッチペンやCD、DVDなどのように、ある程度制限された音楽や映像の中で、自分で選び、止めたり繰り返したりしながら、ご自身でコントロールしやすいものは、子どもの主体性や安心感につながる場合がありますね。
また、まゆみさんが音楽を流しながらブランコや人形遊びをするようになった点も大切です。動画視聴は活動がそこで止まりやすい一方、音楽はほかの遊びと組み合わせやすく、遊びを広げる支えになることがありますね。これは、メディアを「子どもの活動を止めて受動的にしてしまうもの」から「子どもの活動を支えるもの」に変えていく工夫とも言えますね。デジタルメディアは、一律に良い・悪いと判断するものではなく、その子にとってどんな役割を持っているのかを見ながら調整していくことが大切ですね。家庭に合った形で整えられたことは、まゆみさんにとってもご家族にとっても、とても大切な環境調整でしたね。(監修:小児科医 室伏佑香先生)
このコラムを書いた人の著書
今日もまゆみは飛び跳ねる ~自閉症のわが子とともに~
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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