「急に食べなくなった」「いつまでサポートが必要?」特性がある子の悩みを発達ナビユーザー&専門家がアドバイス!【子育てQ&A】
ライター:発達ナビ【編集部Eye】
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子育てをしていると、昨日までできていたことができなくなったり、何度伝えても改善されない行動に頭を抱えたりすることがあります。特に発達に特性があるお子さんの場合、「どうして?」という疑問や「いつまで続くの?」という不安が尽きないものです。 今回は、発達ナビのQ&A掲示板に寄せられた2つのリアルな相談をもとに、ユーザーの皆さんの経験談と、専門家である井上雅彦先生からのアドバイスをご紹介します。
監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
【Case1】急に食べるのを嫌がりはじめた
環境の変化に敏感で不安になりやすいという小2のASD(自閉スペクトラム症)の息子さん。ある日から学校の給食を嫌がるようになったそう。えずいてしまったり、一口食べていらないと出したり。夏休みに入ってからは少しずつ食べる量が戻ってきたものの、お盆くらいからまた嫌がるように。夏休みが終わったら運動会の練習も入ってくるので、食べないことが心配、というご相談です。
ひまわりさんの投稿「小学校2年の自閉症の男の子の母です。(以下略)」
コメント抜粋:「好きなものなんでもいいから」「学校に相談してみては」
本投稿へのコメント(抜粋)
環境変化が原因で考え、健康面の心配があるのでなんでもいいから食べられるものを与えるよう、学校とのすり合わせの必要性を伝えるコメントが見られました。
- 「チョコレートバーやカロリーメイト、なんならクッキーでもいいからなにか食べさせるくらいでよいとおもいます。」
- 「暑さで食欲が落ちてるだけの可能性も。」
- 「暑い中食べられるものが無いと、健康面でも危険です。(中略)学校と保護者ですり合わせが必要だと思います。」
環境変化が原因で考え、健康面の心配があるのでなんでもいいから食べられるものを与えるよう、学校とのすり合わせの必要性を伝えるコメントが見られました。
専門家の意見は?「体重変化の確認&学校との情報交換を」
この投稿について、公認心理士の井上先生よりコメントをいただきました。
まず前提として、お子さんの体重が減っていないかが一番心配です。 学校で食べられなくても、家で好きなものが食べられることが最優先です。体重減少がある場合や長期化している場合は、医療機関でお医者さんにも相談することが必要です。
ASD(自閉スペクトラム症)に伴う、感覚過敏やこだわりによる極端な偏食や食事量・種類の制限は、医学的に「回避・制限性食物摂取症(ARFID:アーフィッド)」と呼ばれることがあります。ASD(自閉スペクトラム症)特有のこだわりや感覚過敏や不安に関連していると考えられ、その内容はここでは異なります。
学校給食が発端である場合、感覚過敏性のために給食のにおいが苦手、もともと食べられるものが少ないのに「給食は残さない」と言われたことが気になる、多くの子どもと一緒に食べることが負担、無理に食べて嘔吐しそうになったなど、思い当たることがないか考えてみましょう。特別支援学級や保健室など場所を変えることで負担が少なくなることもあります。また 投稿では食欲だけが挙げられていますが、給食の場面以外での困難もあるかもしれません。本人と話をするだけでなく先生とも情報交換をしておくことをおすすめします。
家で食べられるのに給食の献立が食べられないのであれば、食べられるものをお弁当で持っていくという選択肢もあります。また、給食のために登校できないということがあれば、登校時間を工夫して給食を避け、学習参加を優先することも考えられます。この場合は飲み物だけでも摂取できるようにすることが大切です。
回避・制限性食物摂取症(ARFID)の場合は、不安を取り除き、 拒絶感の少ない食べ物から、本人のペースに合わせて少しずつ食べられる種類や量を増やす認知行動療法がおこなわれることもあります。心配な場合はぜひ支援機関につながっていただければと思います。
(回答:井上 雅彦先生/公認心理師 鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
※ユーザーさま同士のQ&Aには専門家による回答はつきませんが、今回の特別企画では、反響のあったQ&Aについて特別に専門家からコメントをいただき、コラムでご紹介しています。
まず前提として、お子さんの体重が減っていないかが一番心配です。 学校で食べられなくても、家で好きなものが食べられることが最優先です。体重減少がある場合や長期化している場合は、医療機関でお医者さんにも相談することが必要です。
ASD(自閉スペクトラム症)に伴う、感覚過敏やこだわりによる極端な偏食や食事量・種類の制限は、医学的に「回避・制限性食物摂取症(ARFID:アーフィッド)」と呼ばれることがあります。ASD(自閉スペクトラム症)特有のこだわりや感覚過敏や不安に関連していると考えられ、その内容はここでは異なります。
学校給食が発端である場合、感覚過敏性のために給食のにおいが苦手、もともと食べられるものが少ないのに「給食は残さない」と言われたことが気になる、多くの子どもと一緒に食べることが負担、無理に食べて嘔吐しそうになったなど、思い当たることがないか考えてみましょう。特別支援学級や保健室など場所を変えることで負担が少なくなることもあります。また 投稿では食欲だけが挙げられていますが、給食の場面以外での困難もあるかもしれません。本人と話をするだけでなく先生とも情報交換をしておくことをおすすめします。
家で食べられるのに給食の献立が食べられないのであれば、食べられるものをお弁当で持っていくという選択肢もあります。また、給食のために登校できないということがあれば、登校時間を工夫して給食を避け、学習参加を優先することも考えられます。この場合は飲み物だけでも摂取できるようにすることが大切です。
回避・制限性食物摂取症(ARFID)の場合は、不安を取り除き、 拒絶感の少ない食べ物から、本人のペースに合わせて少しずつ食べられる種類や量を増やす認知行動療法がおこなわれることもあります。心配な場合はぜひ支援機関につながっていただければと思います。
(回答:井上 雅彦先生/公認心理師 鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
※ユーザーさま同士のQ&Aには専門家による回答はつきませんが、今回の特別企画では、反響のあったQ&Aについて特別に専門家からコメントをいただき、コラムでご紹介しています。
ヒントになるコラム:「給食が怖い」とSOS。学校と探った安心できる過ごし方
10歳でASD(自閉スペクトラム症)の息子さん。ひどい偏食があり、児童精神科に相談し投薬治療をおこなっていた方のエピソードです。
「給食が怖い」小4・ASD息子のSOS。熱心な指導が負担に…学校と探った安心できる過ごし方【読者体験談】
こちらも、栄養面を考えるとできるなら食べてほしいという内容です。学校の先生方も同じで、いろんな方法で食べることにチャレンジしてもらおうとしましたが、息子さんが苦手なメニューへの恐怖と戦う姿を見て「まずは息子さんのつらさを考え、できることを探す」ことで乗り越えていったことが綴られています。
【Case2】学校の準備や宿題に一苦労。細かい声かけで改善するの?
小学校1年生でADHD(注意欠如多動症)の娘さん。集中力がなく、学校の準備や宿題などがなかなか終わらないとのこと。声かけをしながら一緒にやっていますが、すぐに飽きてしまったり、ほかのことに気を取られたりしてしまうようです。
まだ1年生なので仕方ないと思いつつ、毎日だと負担を感じられるそう。いつか本人の習慣になる日が来るのか不安に思われているという投稿です。
まだ1年生なので仕方ないと思いつつ、毎日だと負担を感じられるそう。いつか本人の習慣になる日が来るのか不安に思われているという投稿です。
ももさんの投稿「ADHD小1の娘ですが集中力がなく、学校の準備や宿題などがなかなか終わりません。(以下略)」
コメント抜粋:「おもちゃは目につかないように」「宿題セットを作って置く」「本人にやり方を決めてもらう」
本投稿へのコメント(抜粋)
そのほか、たくさんの方から体験談やアドバイスが寄せられました。小学校1年生だと親御さんのサポートなしでおこなうのは難しいようですが、その後自立して習慣化するにはお子さん自身で考えることを鍛える工夫が必要となりそうです。
- 「おもちゃは目につかないよう、袋や箱に入れたり、カーテンを付けて隠したりしておくと、気が散らないかも。勉強はなにもない部屋が理想。」
- 「やることボード、お支度ボード、などを活用してみてはどうでしょう。やることの順番を、子どもに決めさせてもいいかも。」
- 「宿題セットを作って置くといいですよ。うちはカゴに色鉛筆、鉛筆削り、定規、コンパス、のりなど入れて持ち歩けるようにしていました。(中略)リビング学習なので出しっぱなしにしないためにもこの方法が良かったです。」
そのほか、たくさんの方から体験談やアドバイスが寄せられました。小学校1年生だと親御さんのサポートなしでおこなうのは難しいようですが、その後自立して習慣化するにはお子さん自身で考えることを鍛える工夫が必要となりそうです。
専門家の意見は?「小1だとすべてが初めての体験」「導線を意識した場所の固定化がポイント」
こちらの投稿についても、井上先生よりコメントをいただきました。
小学校1年生だと、宿題はもちろん、持ち物を準備したり規則に従って行動したりすることすべてがはじめての体験ですので、お子さん自身でおこなうことも、親御さんがサポートするのも大変だと思います。
集中力が持続せずにほかのことが気になってなかなか進まないときに、スモールステップで短い指示に分解していくことは基本的には有効です。これは口で言うだけでも良いですが、紙にチェック式のスケジュールを書いて終わったらチェックマークを入れる、終わったらおやつや遊ぶなどのご褒美の流れを作ることでさらに効果的になります。
細かい作業を習慣化するには、例えば帰ったときに帽子をかける場所、鞄を置く場所、鞄から連絡帳を出して連絡帳を置く場所(手渡しでも可)など、一つの行動をおこす「場所」を固定化しておくことは非常に有効です。作業の流れがきれいな導線となるように意識して設定するとより良いと思います。ゲーム形式のように「用意、どん!」で一連の流れをスピーディーにこなす練習をするという工夫もあります。お子さんと楽しみながら乗り越えていきましょう。
(回答:井上 雅彦先生/公認心理師 鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
※ユーザーさま同士のQ&Aには専門家による回答はつきませんが、今回の特別企画では、反響のあったQ&Aについて、専門家から特別にコメントをいただき、コラムでご紹介しています。
小学校1年生だと、宿題はもちろん、持ち物を準備したり規則に従って行動したりすることすべてがはじめての体験ですので、お子さん自身でおこなうことも、親御さんがサポートするのも大変だと思います。
集中力が持続せずにほかのことが気になってなかなか進まないときに、スモールステップで短い指示に分解していくことは基本的には有効です。これは口で言うだけでも良いですが、紙にチェック式のスケジュールを書いて終わったらチェックマークを入れる、終わったらおやつや遊ぶなどのご褒美の流れを作ることでさらに効果的になります。
細かい作業を習慣化するには、例えば帰ったときに帽子をかける場所、鞄を置く場所、鞄から連絡帳を出して連絡帳を置く場所(手渡しでも可)など、一つの行動をおこす「場所」を固定化しておくことは非常に有効です。作業の流れがきれいな導線となるように意識して設定するとより良いと思います。ゲーム形式のように「用意、どん!」で一連の流れをスピーディーにこなす練習をするという工夫もあります。お子さんと楽しみながら乗り越えていきましょう。
(回答:井上 雅彦先生/公認心理師 鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授)
※ユーザーさま同士のQ&Aには専門家による回答はつきませんが、今回の特別企画では、反響のあったQ&Aについて、専門家から特別にコメントをいただき、コラムでご紹介しています。
ヒントとなるコラム:性格が違うきょうだいの「宿題の進め方」
ASD(自閉スペクトラム症)でマイペースな長男と、発達障害グレーゾーンで真面目な次男。特性がある2人のきょうだいの宿題サポートにおいて、少しでもスムーズになるように取り組んだ親御さんのエピソードです。
性格が違う小5ASD・小3グレーゾーンきょうだいの「夏休みの宿題」はどう進める?わが家のサポート術
宿題の内容によって得意不得意があるので、難しそうな課題はやり始めることからサポートしつつ、できるところは自分でやってもらい様子をみているそうです。2人が成長していくにつれて、サポートの度合いを減らし、最終的には自分で管理して宿題を乗り越える力を身につけてほしいと綴られています。
皆さんの経験・知見が、明日の笑顔につながるヒントに
2つの相談に共通しているのは、お子さん一人ひとりにその子なりの「困りごと」があるということです。似た境遇の子がいても、同じやり方では解決しないことがあります。今目の前にいるお子さんに注目して、この子が笑顔になるには?を考えると、解決の糸口が見えてくるかもしれません。
そして、いつもQ&Aコーナーへの温かいアドバイスをご投稿いただきありがとうございます。悩みを抱える方にとって、皆さまからの知恵とやさしさが詰まったコメントが明日につながるヒントになっています。今後とも発達ナビのQ&Aコーナーで皆さまの知見を出し合いながらお子さんとの日々を歩んでいきましょう。
そして、いつもQ&Aコーナーへの温かいアドバイスをご投稿いただきありがとうございます。悩みを抱える方にとって、皆さまからの知恵とやさしさが詰まったコメントが明日につながるヒントになっています。今後とも発達ナビのQ&Aコーナーで皆さまの知見を出し合いながらお子さんとの日々を歩んでいきましょう。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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