地下鉄の中で大声で叫ぶ息子。なす術もなく困り果てた私に、ある日、救いの女神が…!
ライター:シアン
幼稚園に通園途中の地下鉄の中。毎日、両手で耳を塞いで大声で叫ぶ息子に、オロオロする私。乗客の視線が冷たく突き刺さり、 地下鉄に乗るのが怖くなっていました。そんな私に、ある日、そっと近づき優しい言葉をかけて下さった女性。あの時かけてくださった言葉と優しいお姿は、今でも忘れられません。その日から、少し勇気をもって外出できるようになりました。
物悲しい発車ベルの音
JRや私鉄を乗り継ぎ、地下鉄で二駅行った場所に幼稚園はありました。
毎日自宅から1時間半かけて、通園。
電車が大好きだったので、喜んで通っていましたが、いつの頃からか地下鉄に乗ると、「ギャーーー!」と大声を出すように。
小さな頃から、嫌いな音に対しては聞こえないように両手で耳を押さえていました。
時の発車ベル音は、少し物悲しいような高い音で、どうやらその音が嫌な様子。
発車ベル音が鳴る直前になると、両耳を塞ぎ、ベル音が鳴っている間、ずっと車両中に響き渡るような大声を出しています。
私はどうする事も出来ずに、ただオロオロするばかり。
早くベル音が鳴り止みますように…祈るような気持ちで、小さくなって 地下鉄に乗っていたのでした。
毎日自宅から1時間半かけて、通園。
電車が大好きだったので、喜んで通っていましたが、いつの頃からか地下鉄に乗ると、「ギャーーー!」と大声を出すように。
小さな頃から、嫌いな音に対しては聞こえないように両手で耳を押さえていました。
時の発車ベル音は、少し物悲しいような高い音で、どうやらその音が嫌な様子。
発車ベル音が鳴る直前になると、両耳を塞ぎ、ベル音が鳴っている間、ずっと車両中に響き渡るような大声を出しています。
私はどうする事も出来ずに、ただオロオロするばかり。
早くベル音が鳴り止みますように…祈るような気持ちで、小さくなって 地下鉄に乗っていたのでした。
響く声、刺さる視線
叫び声を耳にして、乗客は驚き一斉に私たちに目を向けました。
驚きの表情を浮かべる人、怒りの表情をあらわにする人…
「早く、静かにさせろよ!」 「うるさい!!」誰もが、そう言っているようでした。
なんとかして叫ぶのを止めようと、時には口を塞いだりもしたのでしたが、大声を止める事は出来ません。
乗客の刺すような視線に耐えきれず、別の路線やバス、タクシーを利用してまで行く毎日の通園が苦痛で...。
確かに幼稚園までの道のりは厳しく大変でしたが、登園してしまえばそこは温かく安らげる唯一の場所。
ありのままのわが子を受け入れて下さり、ひとりの人間として尊重し、大切に育てて下さる先生たちがいる場所でした。
必死になって、気持ちを奮い立たせて、地下鉄に乗っていました。
そんなある日の事。
わが子の大声に 私がなす術もなく困り果てていると、私の母親と同じくらいの年齢の女性が、そっと私に近づいて一言。
驚きの表情を浮かべる人、怒りの表情をあらわにする人…
「早く、静かにさせろよ!」 「うるさい!!」誰もが、そう言っているようでした。
なんとかして叫ぶのを止めようと、時には口を塞いだりもしたのでしたが、大声を止める事は出来ません。
乗客の刺すような視線に耐えきれず、別の路線やバス、タクシーを利用してまで行く毎日の通園が苦痛で...。
確かに幼稚園までの道のりは厳しく大変でしたが、登園してしまえばそこは温かく安らげる唯一の場所。
ありのままのわが子を受け入れて下さり、ひとりの人間として尊重し、大切に育てて下さる先生たちがいる場所でした。
必死になって、気持ちを奮い立たせて、地下鉄に乗っていました。
そんなある日の事。
わが子の大声に 私がなす術もなく困り果てていると、私の母親と同じくらいの年齢の女性が、そっと私に近づいて一言。
こんな事、あるのでしょうか
「大変ね…。頑張ってね。」
女性はにっこり微笑んで、私にこう言葉をかけて下さったのです。
張り詰めていた緊張感から解放されて、胸がいっぱいになり、涙がこぼれそうでした。
「ありがとうございます、大丈夫です」そう答えるのがやっとでした。
この一言にどれほど救われたでしょうか。
たった、この一言で、障害に対しての理解の無さに半ば絶望感を持っていた私が、分かってくださる人は ちゃんと いるのだ…そう思えたのです。
その瞬間、小さな自分に言い聞かせたのでした。
堂々と外にでよう。迷惑をかけてしまうけれど、理解してくださる方もいる。
前を向いて、歩いていこう。
その日から私は、我が子が迷惑をかけてしまうと不安な時も、勇気をもって外出できるようになりました。何があっても、どんな時も、どんな場所でも、挑戦していこう、と。
女性はにっこり微笑んで、私にこう言葉をかけて下さったのです。
張り詰めていた緊張感から解放されて、胸がいっぱいになり、涙がこぼれそうでした。
「ありがとうございます、大丈夫です」そう答えるのがやっとでした。
この一言にどれほど救われたでしょうか。
たった、この一言で、障害に対しての理解の無さに半ば絶望感を持っていた私が、分かってくださる人は ちゃんと いるのだ…そう思えたのです。
その瞬間、小さな自分に言い聞かせたのでした。
堂々と外にでよう。迷惑をかけてしまうけれど、理解してくださる方もいる。
前を向いて、歩いていこう。
その日から私は、我が子が迷惑をかけてしまうと不安な時も、勇気をもって外出できるようになりました。何があっても、どんな時も、どんな場所でも、挑戦していこう、と。