人の表情が読み取れない!?息子と一緒に編み出した表情の学習
ライター:林真紀
発達障害児は人の表情の読み取りが苦手だと言われます。確かに息子も、発達検査のときに人の表情の読み取りの問題でつまづきました。けれども、人の表情について独特のルールで解釈していることが分かりました。
検査で分かった息子の「表情を読みとる力」
みなさんは、人の笑顔を見て「この人は笑っている」とどこで判断をしていますか?
初めての発達検査で、息子は人の表情を読みとる問題で明らかなつまづきを見せました。
泣いている子どもの絵を見て「笑っている」、笑っている人の絵を見て「怒っている」と答えていたのです。
当初、私はそんな息子の姿を見てひどくショックを受けました。
こんなに分かりやすい絵なのに、息子は表情を認識することができないなんて…と。
初めての発達検査で、息子は人の表情を読みとる問題で明らかなつまづきを見せました。
泣いている子どもの絵を見て「笑っている」、笑っている人の絵を見て「怒っている」と答えていたのです。
当初、私はそんな息子の姿を見てひどくショックを受けました。
こんなに分かりやすい絵なのに、息子は表情を認識することができないなんて…と。
息子が教えてくれた独自のルール
その後、療育に通ううちに、息子が人の表情を正確に読み取るためには「アイコンタクトの練習」をする必要があることが分かりました。
息子は、そもそも人の顔を見ていなかったという根本的な問題があったからです。
人の顔を見る習慣がないのに、表情を読み取ることは息子にとってとても難しかったと思います。
療育施設での訓練により、息子は少しずつアイコンタクトができるようになりました。
人の表情にも意識を向けられるようになってきました。
それでも、表情の読み取りはまだ苦手なまま。
せめて笑った顔と泣いた顔の区別くらいはできるようになってほしいと思った私は、絵を描いて息子に「この人は笑ってる?泣いてる?」などと聞いていました。
このやりとりの中で、気付いたことがありました。
息子は決して「人の表情が分からない」のではなく、独自のルールで人の表情を解釈しているだけだったようなのです。
息子は、そもそも人の顔を見ていなかったという根本的な問題があったからです。
人の顔を見る習慣がないのに、表情を読み取ることは息子にとってとても難しかったと思います。
療育施設での訓練により、息子は少しずつアイコンタクトができるようになりました。
人の表情にも意識を向けられるようになってきました。
それでも、表情の読み取りはまだ苦手なまま。
せめて笑った顔と泣いた顔の区別くらいはできるようになってほしいと思った私は、絵を描いて息子に「この人は笑ってる?泣いてる?」などと聞いていました。
このやりとりの中で、気付いたことがありました。
息子は決して「人の表情が分からない」のではなく、独自のルールで人の表情を解釈しているだけだったようなのです。
そのルールとは?
当時、私はよく自分で絵を描いて、息子に表情当てのクイズを出していました。
これは当時使っていた絵です。
これは当時使っていた絵です。
これを見て、息子は迷いなく「笑っている人!」と答えました。
次に、この絵を見せました。
次に、この絵を見せました。
これも、息子は迷いなく「泣いている人!」と答えました。
では次にこの絵を見てみましょう。
では次にこの絵を見てみましょう。
これを見て、息子は「笑っている人!」と答えたのです。
なぜそう思ったのでしょうか?
本人に理由を聞いてみると、息子は「泣いている」顔は「涙」のパーツがついているかどうか、「笑っている」顔は「開いた口」があるかどうかで判断しているということがわかりました。
なるほど、確かに3枚目の絵の女の子は、顔に涙がついていません。
口は大きく開いています。
息子流の解釈だと、この子は「笑っている」ことになるのです。
息子は、人の表情を全体で判断せず、パーツから読んでいたのです。
しかも、息子流の独自の解釈ルールに従って。
なぜそう思ったのでしょうか?
本人に理由を聞いてみると、息子は「泣いている」顔は「涙」のパーツがついているかどうか、「笑っている」顔は「開いた口」があるかどうかで判断しているということがわかりました。
なるほど、確かに3枚目の絵の女の子は、顔に涙がついていません。
口は大きく開いています。
息子流の解釈だと、この子は「笑っている」ことになるのです。
息子は、人の表情を全体で判断せず、パーツから読んでいたのです。
しかも、息子流の独自の解釈ルールに従って。
「曖昧」が許せなかった息子。変えてくれたのは保育士さんでした