担任の先生にどう伝える?支援グッズの使用を相談するときのコツ

2016/06/20 更新
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「合理的配慮」と一言で言っても様々ですが、うちでは、今まで、担任の先生の「いいですよ」の一言でできる数々のグッズの持ち込みをお願いしてきました。ほんの少しの工夫で、取組みハードルは下がります。楽々かあさんがやってきた、ちょっとした合理的「持ち込み」の許可を頂きやすくなるコツを、実例でお伝えします。

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長男は昨年まで普通級在籍でした。

現在は支援級ですが、どちらの先生もこちらで用意した、さほど負担にならないような持ち込みグッズなら、「それで◯太郎君が取り組めるなら、いいですよ」と、大抵は快くOKして下さっています。

今回は「ちょっとした持ち込み」の合理的配慮をお願いする時に、どうやったら学校との連携がスムーズなのか、理解を得やすいのか、私の見つけたコツをお伝えします。
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気持ちや意欲の問題にしないで、「困り」は何かを探っていく

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100円shopの使い捨てゴム手袋
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子どもが学校で何かトラブルを起こしたり、「今日は◯◯が取り組めませんでした」「皆と一緒にできませんでした」なんて、ご報告を頂くと、ついつい小言を言いたくなります。

しかし、「気をつけなさい」「ちゃんとやりなさい」では解決しません。

「努力では乗り越えられない壁」がある、と私は考えます。

前回の記事と同様、まずは子どもの話を最初から「ワガママ」「やる気がない」「さぼっている」などと決めつけずに、じっくり聴いてみると見えてくることがあります。

ある時、長男が掃除の時間に何もせずに「皆と一緒に掃除をやろうとしなかった」というご報告を、担任の先生から頂きました。

一見協調性のない問題行動のように思えますが、本人の話をまずは否定せずに「掃除の時間の何がイヤなの?」「水拭き!」「そうかあ、水拭きのどこがイヤなの?」・・・という感じで、聴いていきます。

「何が気になっているのか(困っているのか)」問題となることを絞っていくと、合理的な解決策にたどり着きやすくなると思います。

この場合、感覚過敏で肌が敏感な長男は、

・雑巾を絞る時、水が冷たくて、刺すように痛く感じられた。死ぬかと思った(この日は雪の降った次の日でした)

・掃除自体がイヤでさぼっていた訳ではない

・通常の水温の時や、水拭き以外の係ならできる

ということでした。

つまり、冷たい水を触らなければ掃除ができるのです。

そこで、一緒に「どうしたら水を触らずに雑巾を絞れるか」考えて実験し「ゴム手袋を使えば大丈夫そう」という結論になり、100円shopで購入し、掃除の時に使わせてもらえるようにお願いしました。

その後先生から、「掃除に参加し、とても丁寧に雑巾で拭けています」というご報告を頂きました。

家でできるようになってから、持ち込みをお願いする

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メモリを片側削って刺繍糸をつけた、改造分度器
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たとえ、子どもの特性に合わせて工夫された道具であっても、

・先生が「1から使い方を教えなくてはならない」となると負担に思われる可能性も

・本人も「今日からこれでやってみなさい」と、急に渡されても戸惑ってしまい、使いこなせない

ということもあります。

まずは、家で一緒に練習し、難なくできるようになってから「家では、◯◯を使うとできます」と伝えてお願いすると、スムーズに持ち込むことができます。

何事も、実績作りが大事です。

3年生の時、視覚過敏で不器用な長男が算数の学習で、分度器の細かなメモリが読みづらいようだったので改造した時も、まずは家で宿題の時に使ってみて、本人に使用感を確かめながら使いやすいように調節し、「これならできる!」という自信を持たせました。

先生にも、「改造した分度器だと見やすいようで、宿題のプリントを落ち着いて取り組めたので、学校でも使わせて頂けると助かります」とお願いしました。

そして、ハードルを下げて繰り返し使うことで、本人も分度器で角度を測ることに慣れ、普通の分度器でも大丈夫になったので、今は赤い紐を外して使っています。
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具体的な伝え方の例

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スポーツ用品店などで売っている、ムービングクッション
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では、具体的に私がどう伝えて「ちょっとした持ち込み」をお願いしてきたのか、一例を挙げます。

昨年の冬、通常級の頃に長男が授業中に長時間座っていると、モゾモゾ・ムズムズしてしまって落ち着けなかった時期がありました。

このとき、トゲトゲ付きのムービング・クッションの持ち込みを連絡帳でお願いした場合の例です。

【伝え方の例】

「ご連絡ありがとうございます。最近、授業中モゾモゾしてしまうとのこと、お手数おかけしすみません。

本人の話を聴いたところ、触覚の過敏性のため肌が敏感で、冬で乾燥していることや、イスの固さが原因のようで、悪気はないのですが、どうしてもかゆくて気になってしまうようです。

スボンもムレないものにしてみましたが、どうしたら気にならないかきくと、『トゲトゲを触ると大丈夫かも』と言います。

◯太郎は、刺激があった方が集中しやすいようで、家で宿題の時などにトゲ付きのムービング・クッションに座ると、少し落ち着いて取り組めるのですが、学校にも持ち込ませて頂いても宜しいでしょうか。

今日、本人に持たせてみますので、ご覧になってみて、大丈夫そうでしたら、お願い致します。
もし、教室で使うことに差し支えがあれば、持ち帰らせて下さい」

こうやって実際に、学校でも落ち着いて座っていられたので、学級での使用の許可を得ることができました。

現在の支援級の先生には「昨年、通常学級で使っていて、落ち着けて座れた」という次の実績を伝えることができたので、口頭での簡単なやりとりで済み、現在も引き続き使わせて頂いています。

先生とお互いに「WIN-WIN」のいい関係を目指す!

こうして、親が子どもの困りの原因を把握し、まずは家で一緒にやってみてから、合理的配慮をお願いすると、「こんなことが苦手ですが、こうすればできます」という、客観的な事実と説得力のある対応例を伝えることができ、許可を得やすくなると思います。

子どもが、ちょっとした工夫で皆と一緒にできるのなら、それは先生にとっても助かることなのです。

学校と親がお互いにフォローし合いながら連携していくと、WIN-WINのいい関係でいられます。

ほんのちょっとの工夫で、皆と一緒にできる、取り組める、ということは本当に沢山あるんですよ。

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