「僕じゃないよ?」動画で自分の姿をみた息子が一言。その理由は
ライター:林真紀
叱られても叱られても走り回る、声が大きくてみんなが見ている、課題の途中でふざけてしまって眉をひそめられる、これみんなかつてのうちの息子です。これだけ周りから注意されたらわかるかなと思いきや、息子の被害者意識は高まるばかり…。それには理由があったのです。
「自分に自覚がないのに突然叱られる」こんな経験ありますか?
身に覚えの無いことを指摘されても「どうして叱られるのかわからない!」と、納得できないものですよね。
それは子どもも同じこと。
ADHDの診断を受けていた息子は、気になるものには弾丸のように突進していったかと思えば、寝っ転がって床をゴロゴロと転がっていきます。
おまけに、みんなが振り向くぐらい大きな声で話をしたり、静かに過ごす時間にふざけて周りから変な目で見られたり…。
その度に周囲は困った顔をして、これだけ注意されたり制止されたりしていたら、いつか自分で自分をコントロールできるようになるだろう…そう思っていました。
ところが、息子のハイパーなテンションはいつまでもコントロールできませんでした。私は、「どうしてこの子は学ばないのか」と変わらない息子に苛立ったものです。
それは子どもも同じこと。
ADHDの診断を受けていた息子は、気になるものには弾丸のように突進していったかと思えば、寝っ転がって床をゴロゴロと転がっていきます。
おまけに、みんなが振り向くぐらい大きな声で話をしたり、静かに過ごす時間にふざけて周りから変な目で見られたり…。
その度に周囲は困った顔をして、これだけ注意されたり制止されたりしていたら、いつか自分で自分をコントロールできるようになるだろう…そう思っていました。
ところが、息子のハイパーなテンションはいつまでもコントロールできませんでした。私は、「どうしてこの子は学ばないのか」と変わらない息子に苛立ったものです。
息子がいつまでたっても変わらない理由がわかった
ある日私は、息子が跳ねて回っている姿を携帯で撮影して、その動画を息子に見せてみたのです。そのとき、息子が「いつまでたっても学ばない」理由がわかりました。
息子は動画に映し出される自分の姿を見て
「誰、この変な動き方してる男の子?」
と言ったのです。
「これは君だよ」と私が答えると「えぇ~!!これは僕じゃないよ」と息子は言います。「僕、こんなに落ち着きなくないよ!!」と。
息子は、自分の身体がどう動いているか、自分が周りから見てどの程度の音声で喋っているか、全く自覚がなかったのです。これは、発達障害の特性である「他者の目線を想像するのが苦手」であることと「ボディイメージの弱さ」が原因であると思われます。
自覚がないものをどれだけ叱られたって分かりっこありません。むしろ息子は、「自分は何もしていないのに突然叱られる」という認識だったのです。これでは、反省どころか被害者意識が育つばかりです。
現に息子は、被害者意識が非常に強くて困った時期があります。
息子は動画に映し出される自分の姿を見て
「誰、この変な動き方してる男の子?」
と言ったのです。
「これは君だよ」と私が答えると「えぇ~!!これは僕じゃないよ」と息子は言います。「僕、こんなに落ち着きなくないよ!!」と。
息子は、自分の身体がどう動いているか、自分が周りから見てどの程度の音声で喋っているか、全く自覚がなかったのです。これは、発達障害の特性である「他者の目線を想像するのが苦手」であることと「ボディイメージの弱さ」が原因であると思われます。
自覚がないものをどれだけ叱られたって分かりっこありません。むしろ息子は、「自分は何もしていないのに突然叱られる」という認識だったのです。これでは、反省どころか被害者意識が育つばかりです。
現に息子は、被害者意識が非常に強くて困った時期があります。
過集中とは?ADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)との関連【専門家監修】
理不尽な思いを繰り返しても、何も学べない。
「自分に自覚がないのに突然叱られる」これは本人の目線から見れば、とても理不尽なことだ、ということを忘れてはいけないと思います。このような理不尽なことを繰り返していても、本人は何も学べません。
むしろ、いたずらに自尊心が傷つけられていくばかりだと思います。だとすれば、どうしたらいいのでしょう。
それは、本人が自分のことを客観的に見ることができる工夫をしていくことが大切なのだと思います。
むしろ、いたずらに自尊心が傷つけられていくばかりだと思います。だとすれば、どうしたらいいのでしょう。
それは、本人が自分のことを客観的に見ることができる工夫をしていくことが大切なのだと思います。
我が家が採用している支援はシンプルに以下の3つだけです。これだけでも息子は相当変わりました。
声の大きさを数値化
声の大きさを数字にして、自覚しやすいようにします。
我が家では1から5までが書かれたボードを作りました。
「今のあなたの声は4だよ。ここでは2にしよう。」などとボードの数字を指さしながら説明し、自分の声の大きさを自覚できるようにしました。
我が家では1から5までが書かれたボードを作りました。
「今のあなたの声は4だよ。ここでは2にしよう。」などとボードの数字を指さしながら説明し、自分の声の大きさを自覚できるようにしました。
見通しを伝える
スイッチが入る前にクールダウンさせるようにすること。スイッチが入ってしまうと、自覚どころではなくなります。
ふざけてしまう前に、「あと何分で終わるからもう少し頑張ろうか」と声をかける。そうすることで、「スイッチが入っていない自分」を定着させました。
ふざけてしまう前に、「あと何分で終わるからもう少し頑張ろうか」と声をかける。そうすることで、「スイッチが入っていない自分」を定着させました。
増やしたい行動を、ちゃんと褒める
スイッチが入っていない「普通の状態」のときにすぐに褒めること。
ただ座っているだけ、ただ手をつないで歩いているだけ、ただ黙ってテレビを見ているだけ、そんな普段は見過ごしてしまうような当たり前の状況のときに「今、座ってられているね、頑張ってるよ」と褒めるのです。
そうすることで、自分のより良い状態というのが自覚することができるようになります。
ただ座っているだけ、ただ手をつないで歩いているだけ、ただ黙ってテレビを見ているだけ、そんな普段は見過ごしてしまうような当たり前の状況のときに「今、座ってられているね、頑張ってるよ」と褒めるのです。
そうすることで、自分のより良い状態というのが自覚することができるようになります。