先日のブログで水ヶ江教室は少し他の児童発達支援施設と環境設定が違うと書きました。
本日はその部分をお伝えできればと思います。
大きく違う部分は構造化をあえて最小限にしている部分です。
自閉症児は視覚に入ったものが気になりどうしても集中できない事があります。
構造化とは 視線誘導で余計な情報を与えず 集中してもらったり、今 何をしているのか、何をしなければならないのかを児童自身に解ってもらい支援を有利に進める為の環境設定です。
良い事だし、療育の基本なのに何故しないの? と、思われるとおもいます。
私の勝手な考えなのですが、構造化が必要な児童とそうでない児童がいます。
他の療育も然りで、運動療法が有効な児童とそうでない児童がいます。
では、どの施設も 療育の基本だから と、施設を構造化してしまう事が本当に必要なのでしょうか?
発達障害の児童は近い将来、小学校に上がります。
療育が進んで、出来る事が増えれば通常学級との通級で十分な児童もいますし、特別支援のクラスの児童もいます。特別支援学校に通う児童も出てきます。
最終目標は就職や自立ですが、社会の中に構造化されている場所はどれだけあるでしょうか?直近の目標である、小学校でさえ、最低限の構造化しか出来ません。
例えば、発語がありそうな段階に、絵カードによる視覚支援やジェスチャーの支援をして発語を阻害してしまう様なもので、施設をその設定にしてしまうと、構造化の必要でない児童にまで構造化での支援をしてしまうと思いました。
環境が一番の療育だと考えているので、それではマイナス支援になりかねないのではと思います。
他の療育は方法論ですが、構造化は施設の設備なので動かせません。
とはいえ、水ヶ江教室も部屋を3つに区切り、最低限の構造化と、時間で区切る時間の構造化をしています。
構造化による利点は重々理解していますが、お友達と自由に遊ぶ時間や少しうるさい中でも集中する練習は必要です。おもちゃの誘惑や遊びの誘惑に対して抵抗する訓練も日々少しずつでも慣れていくことが成長だと思います。
もちろん落ち着いて支援したい場合や個別対応する場合などにな別室にて対応したり、環境設定はその都度、柔軟に行います。
療育の一番大切な事は柔軟さだと思います。
0歳~6歳の児童は体の大きさも発達の段階もそれぞれです。
発達障害もそれぞれ症状が違うので対応が難しいのだと思います。
それならば、児童発達支援の施設も柔軟に様々な特徴があったほうが良いのではないでしょうか?
保育園や幼稚園は通常発達の児童が中心で、発達障害の児童に柔軟に対応するのが難しいから通うのが大変になるのではないでしょうか?
大人の考えの中にある 「療育とは」 「保育とは」 と常識的な枠を取り払った、柔軟に考える思考が必要だと思います。
私の理想とする支援は「心の余裕」と「柔軟さ」がとても大切です。
職員に余裕が無いと良い療育は叶いません。
柔軟さが欠けてしまうと、実際の児童に則した支援が出来ません。
「児童に良い環境を」
この理念の元、運営をしております。
柔軟さを大切にしている為、「これ」という内容が示せない時があり、決して解りやすい療育では無いとは承知しております。
しかし、児童の成長に良い結果を出すために日々精進しています。
これからも水ヶ江教室をよろしくお願いします。
施設の環境設定。
雑談。
19/02/19 10:12