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児童発達支援・放課後等デイサービスちいさいおうち

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子どものストレス反応

教室の毎日
 もうすぐ子ども達は短い夏休みに入ります。
感染者数が増加傾向にある中、日常が奪われた生活において、感染はもちろんですが、心の問題(ストレス)も気になります。

 下記に、ちいさいおうちの代表が所属する学術学会「こども家族早期発達支援学会」理事の児童精神科医、田中哲先生がお書きになった「子どものストレス反応」に関する文章をご紹介したいと思います。

 この文章は、子どもだけでなく、すべての人に呼び掛けるあたたかなメッセージとなっています。少し長いですが、ぜひ、ご一読ください。

パンデミック(世界的流行)と子どものストレス反応

#1.子どもにとっての新型コロナ・パンデミック
 私たちは今、これまでだれも予想も経験もしたことのないような事態に遭遇しています。新型コロナのパンデミックが引き起こした、乗り越えなくてはならない困難が沢山ありますが、ここではあまり焦点の当たらない子どもたちの心の問題に焦点を当てます。

 子どもたちにとって今度のパンデミックの特徴はまず日常の剥奪でした。いつも何気なくできていたことの多くのことが影響を受け、休止になったり変更になったりしたからです。子どもたちは日常によって心のバランスを維持していますから、これはとても大きな痛手です。

 今回のパンデミックのもう一つの特徴は『格闘する相手が見えないこと』でした。これまでの災害のように目の前で日常が破壊されるのではなく、見えるものは何一つ変わらないのに、活動だけが停止するという事態は、とても受け入れにくいものです。また、新型コロナにかかった人が身近にはあまりいないこと、でも実際には誰が感染しているかが見えにくいことなども、この『見えない』という特徴の一部になっています。

 そして、最後の特徴は『終息の見通しが立たないこと』ではないでしょうか。日常の喪失も、見えない格闘も、いつまで続くのかをだれも知りません。大人に聞いてもさっぱり要領を得ないという状況を子どもたちは経験しています。人類が果たしてこのウィルスに勝利できるのかも、実はよく分かりません。この非常事態の終わりがいつやって来るのかという不安を、大人以上に子どもたちは肌で感じているようです。


#2.自然災害への子どものストレス反応
 日常が奪われることは、慣れ親しんだものから遠ざけることを意味します。また、災害の実態や結末が見えないことは、何に向かって頑張れば良いのかが分からないことを意味します。どちらも途轍もない不安であり、強いストレス(歪み)を心の中に生みます。
 子どもたちは、大災害などの強いストレスにさらされると、大人とは少しちがう反応を見せることが知られています。

子どもたちは、大きな集団的ストレスの下では当初、むしろ元気な姿を見せて、大人たちを安堵させてくれることが多いかもしれません。

しかし、そうした状態が何週間か続くと、子どもたちに特徴的なストレス反応が見えてきます。

 その大きな特徴は、頭痛や腹痛、不眠、夜尿、食欲不振、体温調整、あるいはもっと漠然とした身体の不調として表現されることが多いことです。

 もう一つは行動上の変化です。自分や家族の感染を怖がるなどの直接的な反応もありますが、むしろ特徴的なのは、どことなく落ち着きがない、いつもよりわがままになる、いつもとはちがう甘え方をする、少しのことで混乱したり怒り出したりする、といった一見ストレスとは関係なさそうに見える行動の変化です。

大人の反応とはだいぶ違うので分かりにくいですが(そして子どもも年齢が大人に近くなると大人と似た反応になってくるのですが)、大まかには年齢が少し後退した印象というのが共通する要素かもしれません。

大切なのは、これらが忙しい大人を困らせるためのわがままではなく、ストレス反応であって、背後に不安が隠れているという点です。ですので、大人がこれを冷たく突き放すと、不安はもっと大きくなって、反応はさらに複雑になってしまいます。
 言ってみれば、大人も同じことで不安なのですから、強がらずにそれを認めて支え合う姿勢をとることが、子どもたちにはもっとも助けになると思われます。

#3.自宅待機ストレスを乗り切る
 ストレス反応を抱えながら、しかもいつもよりはるかに長時間を家の中で共に過ごすためには、いつもとはちがう知恵が必要になります。家庭内のことは医療や経済のことに比べると小さなことのように見えますが、そんなことはありません。相手は人類が遭遇する試練としてのパンデミックなのですから、人類の知恵を結集しなくてはこの闘いに勝つことはできないのです、決して大袈裟ではなく。

 短期間、我慢をすれば済むものではどうもなさそうです。確かに制限は多いですが、いつも使えないほどの時間をふんだんに使えることを、どうしたら強みに換られるかを考えてみるのがよいと思います。

 友だちと会う機会が大幅に制限されることは、子どもにとっては痛いことです。しかし、人は人とのつながりなしには生きていくことができません。それならば、会わずにつながりを確かめるためにはどうしたら良いかを考えましょう。

 私たちはいつも、たくさんのことをし、残しながら生きてきています。それを整理してみたら、今何ができるかが見えてくる可能性がありはしないでしょうか。普段できることが制限されている今だから、普段できないことができるのかもしれません。

 元々ストレスに強くない子どもたちもいます。そういう子どもたちと共にこの状況を乗り切るのは本当に大変だと思います。でもこういうときこそ、どうしても目につく子どもの行動以上に、うまく表現されない子どもの気持ちに注目してみてください。

 コロナ休校の間に、乗れなかった自転車に乗れるようになったという子どもがいました。私は、その子はたったひとりでこの闘いに勝ったのだと思うのです。ウィルスの猛威に屈服せず、しかし逆らいもせず、その力を逆手に取ることができているからです。私は普段、あまり子どもたちやその家族に向かって『頑張れ』ということがありません。みんなそれぞれの所で十分頑張っているのですから。でも、今は敢えて言いたいと思います。頑張ってこの試練を乗り切りましょう。

(田中 哲)

 こどもも大人も大変なストレスを抱えています。だれもが不安な今、お互い支えあって、今を乗り越えてのいきたいと思います。
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