発達に障害のあるお子様は順番を守れずにトラブルになってしまうことがよくあります。子供たちが楽しく遊ぶためには、滑り台やブランコなどで順番を守ることが大切です。ですがその順番を守らないので、周りに文句を言われて、かんしゃくを起こしてしまうこともよくあります。
また遊びの場面だけではなく、保育園や幼稚園、学校での生活、さらに公共の場でも順番を守るべき場面はたくさんあります。給食の配膳やトイレ、手洗い場、図書室の本の貸し出し、先生の添削、レジの行列などなど…数えきれません。その度にトラブルになっていると、「あいつはわがままだ」「ルールを守れない」と、周りの子供たちによく思われなくなってしまうことも…。結果として、よい友達関係を築けずに孤立しまいます。
どうして順番を守れないの?
注意欠陥多動性障害(ADHD)の子供には待つことができない子が多くいます。これはADHDの特性である衝動性が理由です。衝動性があるために自分で行動をコントロールできずに、何も考えずに我先にと物事をやろうとします。さらに衝動性には気持ちをコントロールしにくい側面も…。ですから順番を守らないで周りの子に注意されると、カッとなってしまいトラブルに発展してしまいがちなのです。
また自閉的スペクトラム障害(ASD)の子供も待つことが難しい傾向があります。ASDの人は他者を意識しにくいことが特性です。順番を守るためには相手の存在を意識して、さらに相手の気持ちを考える必要があります。ですからASDの子にとっても順番を守ることはかなり難しいと言えるのです。
順番を守れるようにするにはどうしたらいいの?
順番を守れない子は、順番を守る必要があることを、そもそも分かっていない場合もあります。とくに小さい子にはよくあることです。順番を待つことを分かってもらうには、実際の場面で教えると一番よく伝わります。実際に順番待ちしている滑り台などにいっしょに行き、「みんなが並んでいたらどうするんだっけ?」「一回滑ったらどうするのかな?」などとルールを確認していきましょう。
目的に夢中になり過ぎて、周りが見えなくなってしまう場合もあります。滑り台に夢中になるあまり、並んでいる子たちに気づかないのです。そういう子には周りの状況を気付かせる必要があります。いっしょに滑り台に近づきながら、「並んでいる人はいるかな?」「みんなが並んでいる時はどうするのかな?」などと声をかけて気付かせてあげましょう。
手洗い場などでは、どうやって並ぶかが分からなくて、順番を守れないこともあります。そういった時は視覚的な手掛かりがあると、並び方が分かり、列に並びやすくなります。並ぶ場所の床にテープで印をつけるなど、子供が見ても分かりやすい工夫をしましょう。
もちろんきちんと並ぶことができたら、たくさん褒めて、「また順番を守ろう」という気持ちにさせることが大切です。
「さくだいらキッズらぼ」ではアナログゲーム療育でルールを学びます
「さくだいらキッズらぼ」では「アナログゲーム療育」をプログラムに取り入れています。「アナログゲーム療育」とは、ボードゲームやカードゲームを使って、子供たちがルールやコミュニケーション方法を学ぶ療育方法です。
最近はテレビゲームが人気で、子供たちはなかなかアナログゲームをする機会がありませんね。ですがアナログゲームは社会性を身につけるよい方法です。
アナログゲームは参加者がルールを守らないと楽しく遊べません。さらにゲームをスムーズに進行させるには、言葉でコミュニケーションを取ることが必要です。ゲームをやりながら、そうした経験を何度も繰り返すことになります。子供たちはゲームを通して、ルールの大切さ学び、コミュニケーション能力を伸ばしていくのです。
うちの子は順番を守れない・・・
支援プログラム
21/06/06 00:19