今回のお話の主人公は、当教室に通う、A君です。
A君は1歳5か月でASDの診断が出たお子様です。今月で2歳2ヶ月になりました。
以前から私共のブログをお読みいただいている方の中には、覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。
以前のブログでは、教室に通い始めたころのお話と、刺激を受けたことで自分の名前を認識し、初めて親御様以外から食事をとれるようになったお話をしました。
今回はそこから1ヶ月たった現在の食事事情についてお話していきたいと思います。
A君は口腔内の感覚が過敏なようで、食事はペースト状の物しか受け付けません。また、本人のこだわりからか、決まった市販の離乳食しか食べられませんでした。
ですがある日、朝お迎えに行くと親御様から驚きのエピソードをお聞きしました。
「昨日、唐揚げを食べられたんです!」
これには私たちも驚きました。小さく切ったものではありましたが、今までペースト状の物しか受け付けなかったA君からすると、成長の階段を2,3段飛ばしで上がったような感覚です。
その日から少しずつ、食べられるものが増えてきました。
「今川焼のクリーム」
「フライドポテト」
「パンケーキ」
基本はペースト食で、そういった固形物も少量ではありますが、いろいろな食べ物に興味を示すようになっていきました。
順調に食への経験が積めてきたと思われたある日のことです。
今度は、今まで食べていたペースト食のうちの1つを、食べなくなってしまったと親御様からお話がありました。
様々な食べ物に興味を持ち始めたことで、味に「飽き」が出てきたようです。
親御様のお悩みを言語聴覚士の職員に相談し、これまで食べたものから好みを分析し、対応策を何点かお伝えしました。
もちろん、親御様の試行錯誤を繰り返してきた中での現状なので、「こうすれば必ず大丈夫!」等とは言えません。一人ひとり好みの味は違いますからね。
親御様の不安も大きかったかと思いますが、言語聴覚士という専門の職員からのお話を聞いて、幾分、表情も柔らかくなりました。
お子様の成長は、「できなかったこと」が「できるようになる」 「昨日はできたけど今日はできなかった」 この一進一退の繰り返しです。
特に「食」に関しては、私たちが生きる上で避けることのできない問題です。長い時間をかけて親御様と二人三脚で取り組んでいきたいと思います。
食への興味(ゆうり先生)
教室の毎日
24/04/22 17:34