こんにちは、発達支援Laboランプです。ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信しています。今回のテーマは「問題解決能力と葛藤の重要性」です。
子どもの発達において「問題解決能力」と「葛藤」は、密接に関わる重要な要素です。問題解決能力は、日常生活の中で生じる課題や困難に対処するために必要なスキルであり、成長の一環として徐々に獲得していくものです。一方で、葛藤は、異なる選択肢や価値観、感情の間で迷い、揺れる状態を指し、その体験が自己理解や他者理解の深まりを促す要因となります。今回のコラムでは、この2つの関連について、詳しく探っていきます。
1,問題解決能力の形成
子どもが問題解決能力を身につけるためには、単に解答を提示するだけでなく、子ども自身が課題に向き合い、「試行錯誤」する機会が必要です。この過程での失敗や成功体験は、子どもの自信や自己効力感を高め、次の挑戦に対する前向きな姿勢を育てます。問題解決のステップは「問題を認識する」「解決策を考える」「実行する」「結果を評価する」という流れが基本ですが、子どもが自らそれを実践できるように、大人はサポート役に徹し、あくまで主体は子どもにあることが大切です。
また、問題解決能力は対人関係の中でも発揮されます。友だちや家族との関係の中で発生する小さな衝突やすれ違いに対処する際、適切なコミュニケーションや妥協の仕方、また相手の立場を理解する力が求められます。これらのスキルは、単なる対処能力ではなく、成長に伴ってより複雑で多面的な問題解決能力へと発展していくものです。
2,葛藤の経験が与える成長
葛藤は、子どもが自分の欲求や価値観、他者の期待との間で揺れる経験を指します。このプロセスは、時にストレスや不安を伴いますが、葛藤を適切に乗り越えることができれば、自己理解が深まり、他者との関係性も豊かになります。特に、友達関係や家族間での小さな葛藤を経験することで、子どもは自己主張の方法を学び、同時に他者の立場や感情を理解する共感力も育まれます。
ただし、葛藤は一人で乗り越える必要はありません。支援者や保護者は、子どもの感情や状況を理解しながら、その経験を受け止め、必要に応じて対話を通じてサポートすることが大切です。葛藤を無理に解消しようとするのではなく、子どもが自らのペースで葛藤と向き合い、乗り越える力を引き出すための適切な助言や支援が求められます。
3,問題解決と葛藤の相互作用
問題解決能力と葛藤は、互いに関連し合っています。問題を解決するためには、時に自分自身や他者との葛藤に直面し、それを克服する必要があります。逆に、葛藤の中で自分の立場や感情、他者の反応を見つめることで、新たな問題解決の糸口が見つかることもあります。こうした過程を経ることで、子どもは次第に自立し、自分の意志で行動し、他者との調和を図る力を育んでいきます。
大人として重要なのは、これらの経験を通じて子どもが成長できるよう、見守りながらサポートする姿勢です。問題解決や葛藤の体験を通じて、子どもは単にスキルを学ぶだけでなく、自己肯定感や他者との関係性に対する洞察を深め、より豊かな人間関係を築いていく基盤を得ることができます。
まとめ
問題解決能力と葛藤は、どちらも子どもの発達において欠かせない要素です。大人は、子どもが課題や葛藤に直面したときに、その経験を尊重し、子ども自身が解決に向かう力を引き出す支援を心がけることが求められます。成長の過程で繰り返されるこれらの経験が、子どもをより強く、柔軟にし、未来に向けた確かな力となるのです。
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第46回「問題解決能力と葛藤の重要性」
療育の深み
24/09/25 21:55