こんにちは、発達支援Laboランプです。ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信しています。今回のテーマは「良い応答を考える」です。
日々の生活の中で、子どもと大人のやりとりが生まれる場面は数えきれません。子どもの問いかけに対して、私たち大人がどのように応答するかは、子どもの発達に大きく影響を与えることがあります。その応答が「推進的」であるか、「単なる応答」にとどまるかによって、子どもの経験が豊かになるか、または停滞するかが左右されます。
1,応答が持つ力
子どもたちは常に新しい知識や経験を吸収し、世界を理解しようとしています。そのため、大人がどのように応答するかが、子どもが次のステップに進むかどうかを決定づける瞬間があるのです。たとえば、子どもが「どうして空は青いの?」と聞いてきた時、単純に「青いからだよ」と答えるだけではなく、「どうしてだと思う?」と問い返すことで、子どもがさらに考えを深めることができます。このように、大人の応答が子どもの思考や探求心を「推進」する役割を果たすことがあります。
2,「推進」か「単なる応答」か
一方で、時には子どもの発達段階や状況に応じて、あえて「単なる応答」にとどめることが重要な場合もあります。例えば、子どもが疲れていたり、すでに自分で考えた答えに満足している時に無理に深掘りを促すと、逆にストレスを与える可能性があります。このような場面では、短く肯定的な応答にとどめることで、子どもが安心感を得られることもあります。
3,瞬時の調整力が求められる
大人に求められるのは、こうした「推進する応答」と「単なる応答」のバランスを瞬時に判断し、調整する力です。これは、子ども一人ひとりの発達段階や感情の状態を的確に見極め、適切な応答をするためのスキルと言えます。この瞬時の判断力は、経験と共に培われるものでもあり、意識的な実践を通じて磨かれていくものです。
良い応答とは、単に子どもの言葉、質問に答えることではなく、その時々の状況に応じて、子どもが次のステップに進むためのサポートを意識した応答であることが重要です。子どもが自ら考える力を育むために、私たち大人がどのような言葉を選び、どのように応答するかが、発達の鍵となる場面は少なくありません。応答を一つのスキルとして捉え、意識的に工夫していくことが大切です。
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第54回「良い応答を考える」
療育の深み
24/10/14 21:51