こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も今日で終わり、明日からはいよいよ8月ですね。連日の猛暑で外遊びも危険なレベルとなり、涼しいおうちの中で過ごす時間が長くなっているご家庭も多いのではないでしょうか。
そんな室内遊びの中で、お母さんやお父さんをイライラさせるこんな「終わりのない攻防」が繰り広げられていませんか?
「積み木やミニカーなど、硬いおもちゃを手当たり次第に『ポイッ!』と力いっぱい投げつける」
「食事中にスプーンやコップをわざと床に落とし、拾っても拾ってもまた落としてニヤニヤしている」
「『投げちゃダメ!痛いでしょ!』と怒っても、全く悪びれずにまた物を投げる」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(私もかつて、投げられたブロックがスネに命中して悶絶した夜が何度もあります…!)の中でも、この「物を投げる・わざと落とす」という行動は、本当によくご相談を受ける切実なお悩みです。
「危ないからやめなさい!」「壊れちゃうでしょ!」
毎日毎日、散らかったおもちゃを拾い集めながら、「なんでわざと親を怒らせるようなことをするんだろう」「乱暴な子に育ってしまったらどうしよう」と、ため息をついているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまがおもちゃを投げたり落としたりするのは、決して「親を困らせたいワガママ」でも、「乱暴で意地悪な性格」だからでもありません。
これには、腕の筋肉のセンサーと、脳が求める「感覚の刺激」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、何度注意しても「投げる・落とす」ことをやめられないのか?
大人の目には「ただの乱暴なイタズラ」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような「感覚の実験と探求」が起きています。
① 腕や肩への「強い刺激」を求めている(固有受容覚の探求)
物を力いっぱい「エイヤッ!」と投げるとき、私たちの肩や肘の関節、そして腕の筋肉には強い圧力がかかります。
自分の身体の輪郭や力の加減を感じ取るセンサー(固有受容覚)が鈍いお子さまは、この「関節がグッと引っ張られる強い刺激」を脳が強烈に求めているケースが非常に多いです。おもちゃを投げた瞬間の腕の爽快感が、脳にとって最高の栄養(ご褒美)になっているため、無意識に何度も繰り返してしまうのです。
② 「落ちる軌道」と「ガチャン!という音」の実験(視覚・聴覚の探求)
食事中に物をわざと落としてニヤニヤしている子に多い理由です。
お子さまの脳は、「これを手放したら、どんなスピードで落ちて、どんな音が鳴るんだろう?」という物理の実験をしています。特に、発達に凸凹のあるお子さまは、「自分のアクション(手を離す)によって、確実に同じリアクション(落ちて音が鳴る)が返ってくる」という予測可能な結果に、強烈な安心感と快感を覚えます。親をからかっているのではなく、真剣に感覚の実験を楽しんでいる真っ最中なのです。
今日からおうちで即実践!「投げたい欲求」を安全に満たすアプローチ
「投げちゃダメ!」とおもちゃを取り上げることは、実験中の研究者から道具を奪うのと同じで、余計にストレスが溜まり、最終的には親を叩いたり物を壊したりする行動に発展しやすくなります。
今日から、以下の3つのアプローチで「別の安全な方法」で脳を満たしてあげてください。
1. 「投げていい公式アイテムと場所」を用意する
投げたい欲求があるなら、安全に満たしてあげるのが一番の近道です。
硬いおもちゃを片付け、代わりに「丸めた新聞紙」「お手玉」「柔らかいクッション」などを用意し、「投げるならこれね!あっちの壁(またはカゴ)に向かって思い切り投げていいよ!」と【公式の投てきゾーン】を作ってあげてください。「ダメ」と禁止するのではなく、「これならOK」とルール化することで、お子さまの脳も満足しやすくなります。
2. 腕の関節に「重み」をかけるお仕事(Heavy Work)を頼む
肩や腕の関節に刺激(固有受容覚)を求めている子には、投げる以外の方法で圧をかけます。
「このお水が入ったペットボトル、重いけど運んでくれる?」「洗濯物が入ったカゴを一緒にヨイショって引っ張ろう!」と、腕に負荷がかかる「お仕事」を頼んでみてください。関節がしっかりと満足すれば、手当たり次第に物を投げる衝動は驚くほど落ち着いていきます。
3. 「落ちる・転がる」をエンドレスで楽しめるおもちゃを活用する
軌道や音の実験を楽しんでいる子には、その欲求を満たす専用のおもちゃを提供します。
上からボールや車を転がす「スロープトイ」や「玉転がし」、またはティッシュの空き箱に穴を開けてポットンと落とす手作りおもちゃなどが最適です。「自分で落として、結果を見る」という欲求が安全に満たされると、食事中のスプーン落としなども減っていきます。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに遊びの幅が広がり、投げる以外の楽しみを見つけていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、大きな事故や対人トラブルに繋がるリスクが高いため、専門的なアプローチが必要です。
「硬い」「危ない」という認識が全く持てず、人やペット、窓ガラスなどに向かって全力で物を投げてしまう。
投げることを無理に止めると、1時間以上も激しいパニックを起こし、自傷行為(頭を壁にぶつける等)に発展する。
おもちゃ本来の遊び方(車を走らせる、積み木を積むなど)に全く興味を示さず、ひたすら投げることしかしない。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ボールプールに向かってダイブしたり、重いブロックを運んで積んだりするダイナミックな粗大運動を通して、お子さまの「腕を使いたい!」「強い刺激が欲しい!」という欲求をたっぷりと満たします。正しいアプローチで身体の根っこが満足すれば、衝動的な行動は必ず落ち着いていきます。
散らかったリビングで、「また投げた…」とため息をつきながらおもちゃを拾い集めているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して親を困らせたいわけではなく、自分の脳が必要としている感覚の栄養を、一生懸命に補給しようとしているだけなのです。
「うちの子の物を投げる行動、どうにか安全な方向に導きたいな」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添わせていただきます。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も今日で終わり、明日からはいよいよ8月ですね。連日の猛暑で外遊びも危険なレベルとなり、涼しいおうちの中で過ごす時間が長くなっているご家庭も多いのではないでしょうか。
そんな室内遊びの中で、お母さんやお父さんをイライラさせるこんな「終わりのない攻防」が繰り広げられていませんか?
「積み木やミニカーなど、硬いおもちゃを手当たり次第に『ポイッ!』と力いっぱい投げつける」
「食事中にスプーンやコップをわざと床に落とし、拾っても拾ってもまた落としてニヤニヤしている」
「『投げちゃダメ!痛いでしょ!』と怒っても、全く悪びれずにまた物を投げる」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育て(私もかつて、投げられたブロックがスネに命中して悶絶した夜が何度もあります…!)の中でも、この「物を投げる・わざと落とす」という行動は、本当によくご相談を受ける切実なお悩みです。
「危ないからやめなさい!」「壊れちゃうでしょ!」
毎日毎日、散らかったおもちゃを拾い集めながら、「なんでわざと親を怒らせるようなことをするんだろう」「乱暴な子に育ってしまったらどうしよう」と、ため息をついているお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまがおもちゃを投げたり落としたりするのは、決して「親を困らせたいワガママ」でも、「乱暴で意地悪な性格」だからでもありません。
これには、腕の筋肉のセンサーと、脳が求める「感覚の刺激」による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、何度注意しても「投げる・落とす」ことをやめられないのか?
大人の目には「ただの乱暴なイタズラ」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような「感覚の実験と探求」が起きています。
① 腕や肩への「強い刺激」を求めている(固有受容覚の探求)
物を力いっぱい「エイヤッ!」と投げるとき、私たちの肩や肘の関節、そして腕の筋肉には強い圧力がかかります。
自分の身体の輪郭や力の加減を感じ取るセンサー(固有受容覚)が鈍いお子さまは、この「関節がグッと引っ張られる強い刺激」を脳が強烈に求めているケースが非常に多いです。おもちゃを投げた瞬間の腕の爽快感が、脳にとって最高の栄養(ご褒美)になっているため、無意識に何度も繰り返してしまうのです。
② 「落ちる軌道」と「ガチャン!という音」の実験(視覚・聴覚の探求)
食事中に物をわざと落としてニヤニヤしている子に多い理由です。
お子さまの脳は、「これを手放したら、どんなスピードで落ちて、どんな音が鳴るんだろう?」という物理の実験をしています。特に、発達に凸凹のあるお子さまは、「自分のアクション(手を離す)によって、確実に同じリアクション(落ちて音が鳴る)が返ってくる」という予測可能な結果に、強烈な安心感と快感を覚えます。親をからかっているのではなく、真剣に感覚の実験を楽しんでいる真っ最中なのです。
今日からおうちで即実践!「投げたい欲求」を安全に満たすアプローチ
「投げちゃダメ!」とおもちゃを取り上げることは、実験中の研究者から道具を奪うのと同じで、余計にストレスが溜まり、最終的には親を叩いたり物を壊したりする行動に発展しやすくなります。
今日から、以下の3つのアプローチで「別の安全な方法」で脳を満たしてあげてください。
1. 「投げていい公式アイテムと場所」を用意する
投げたい欲求があるなら、安全に満たしてあげるのが一番の近道です。
硬いおもちゃを片付け、代わりに「丸めた新聞紙」「お手玉」「柔らかいクッション」などを用意し、「投げるならこれね!あっちの壁(またはカゴ)に向かって思い切り投げていいよ!」と【公式の投てきゾーン】を作ってあげてください。「ダメ」と禁止するのではなく、「これならOK」とルール化することで、お子さまの脳も満足しやすくなります。
2. 腕の関節に「重み」をかけるお仕事(Heavy Work)を頼む
肩や腕の関節に刺激(固有受容覚)を求めている子には、投げる以外の方法で圧をかけます。
「このお水が入ったペットボトル、重いけど運んでくれる?」「洗濯物が入ったカゴを一緒にヨイショって引っ張ろう!」と、腕に負荷がかかる「お仕事」を頼んでみてください。関節がしっかりと満足すれば、手当たり次第に物を投げる衝動は驚くほど落ち着いていきます。
3. 「落ちる・転がる」をエンドレスで楽しめるおもちゃを活用する
軌道や音の実験を楽しんでいる子には、その欲求を満たす専用のおもちゃを提供します。
上からボールや車を転がす「スロープトイ」や「玉転がし」、またはティッシュの空き箱に穴を開けてポットンと落とす手作りおもちゃなどが最適です。「自分で落として、結果を見る」という欲求が安全に満たされると、食事中のスプーン落としなども減っていきます。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに遊びの幅が広がり、投げる以外の楽しみを見つけていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、大きな事故や対人トラブルに繋がるリスクが高いため、専門的なアプローチが必要です。
「硬い」「危ない」という認識が全く持てず、人やペット、窓ガラスなどに向かって全力で物を投げてしまう。
投げることを無理に止めると、1時間以上も激しいパニックを起こし、自傷行為(頭を壁にぶつける等)に発展する。
おもちゃ本来の遊び方(車を走らせる、積み木を積むなど)に全く興味を示さず、ひたすら投げることしかしない。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ボールプールに向かってダイブしたり、重いブロックを運んで積んだりするダイナミックな粗大運動を通して、お子さまの「腕を使いたい!」「強い刺激が欲しい!」という欲求をたっぷりと満たします。正しいアプローチで身体の根っこが満足すれば、衝動的な行動は必ず落ち着いていきます。
散らかったリビングで、「また投げた…」とため息をつきながらおもちゃを拾い集めているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決して親を困らせたいわけではなく、自分の脳が必要としている感覚の栄養を、一生懸命に補給しようとしているだけなのです。
「うちの子の物を投げる行動、どうにか安全な方向に導きたいな」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添わせていただきます。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範