こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
8月も後半。少しずつ夏休みの終わりが見えてきましたね。
お盆休みが明け、そろそろ保育園や幼稚園、公園などで「お友達との関わり」が再開するこの時期。実はお母さんやお父さんから、こんなため息まじりのご相談が増えてきます。
「思い通りにならないと、すぐにお友達を突き飛ばしてしまう」
「おもちゃを取られた瞬間、言葉より先に手が出てしまう」
「パニックになると、私の腕に思い切り噛みついてきて青あざが絶えない…」
日々の療育現場でも、お子さまの「他害(手が出てしまうこと)」は、親御さんが最も深く、そして一人で思い悩むテーマです。
「痛かったね、ごめんなさい…」と相手の親子に何度も頭を下げて、家に帰ってから「私の育て方が悪かったのかな」「どうしてうちの子はこんなに乱暴なんだろう」と涙を流しているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と心に向き合う専門家として、そして同じ子育てに奮闘する親の一人として、これだけは最初にお伝えさせてください。
お子さまが叩いたり噛みついたりしてしまうのは、「愛情不足」でも、「意地悪な性格」だからでもありません。
これは、お子さま自身の脳や心が「もう処理しきれない!」と悲鳴を上げたときに出る、限界のSOSなのです。
大人の目には見えない、子どもの中で起きている「4つのパニック」
私たち大人の目には、単に「怒りに任せて乱暴をしている」ように映るかもしれません。でも、お子さまの心と身体を専門的な視点(発達のメカニズム)で丁寧に紐解いていくと、全く違う景色が見えてきます。
① 「ブレーキが間に合わない!」(脳の発達のサイン)
カッとなっても「ここで叩いたらダメだ」と我慢する脳のブレーキ機能が、まだゆっくりと育っている最中のお子さまがいます。感情の爆発が、そのまま「腕を振り下ろす」という体の動きに直結してしまう状態です。本人も「叩きたいわけじゃないのに、勝手に手が動いちゃう」と困っていることが多いのです。
② 「攻撃された!身を守らなきゃ!」(感覚の過敏さ)
お友達と少し肩がぶつかっただけなのに、相手を突き飛ばしてしまう。これは、皮膚の感覚が過敏で、ちょっとの接触を「強烈な痛み」や「怖い攻撃」として脳が受け取ってしまい、野生の防衛本能が働いているケースです。
③ 「上手く言えないから、体で伝える!」(言葉の練習中)
「貸して」「やめて」「悔しい」。そんな複雑な気持ちを言葉にする力が、まだ育っている途中のお子さま。「言葉が見つからない!」というもどかしさがピークに達したとき、一番手っ取り早く相手に伝わる「身体表現(手が出る)」を使ってしまいます。
④ 「パニックになりそう、落ち着かなきゃ!」(強い刺激の探求)
不安やパニックで心が壊れそうになったとき、自分の腕で人を叩いたり、強く噛みついたりして、関節や筋肉に「ガツン!」と強い刺激を入れる子がいます。これは、強い痛みや刺激(固有受容覚といいます)を体に入れることで、強制的に自分を落ち着かせようとする、無意識の自己防衛なんです。
今日からできる!「手が出る衝動」を優しく切り替えるヒント
「叩いちゃダメでしょ!」と大声で叱ることは、すでにパニックになっているお子さまの心にさらなる恐怖を与えてしまい、実は逆効果になりがちです。
今日からご家庭でも試せる、安心をベースにした関わり方をご紹介しますね。
1. 物理的に優しくブロックし、気持ちの「翻訳家」になる
手が出そうになったら、サッと間に入り、お子さまの手や肩を両手で優しく、でもしっかりと包み込むように止めてあげてください(※力ずくで押さえつけるのはNGです)。そして「おもちゃ取られて悔しかったね」と、言葉にならない気持ちを代わりに声に出してあげましょう。「分かってもらえた!」という安心感が、振り上げた拳を下ろす一番の特効薬です。
2. 「ここなら発散してOK」という安全基地を作る
体に強い刺激を求めている場合、その欲求自体をゼロにすることはできません。「イライラしたら、お友達じゃなくてこのクッションを思い切り叩いていいよ」「噛みたくなったら、お母さんの腕じゃなくてこの専用タオルをギュッと噛んでね」と、安全に発散できる逃げ道を用意してあげましょう。
3. ちょっと重いお手伝いで脳を落ち着かせる
お出かけ前など、トラブルが起きやすい場面の直前に「ちょっと重い水筒が入ったリュックを背負う」「壁を両手で『ヨイショ!』と押し合う」などの遊びを取り入れてみてください。関節や筋肉にしっかりと圧がかかることで、身体の根っこが満たされ、不思議と脳が落ち着いて手が出にくくなります。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに脳のブレーキが育ち、手が出ることは少しずつ減っていきます。でも、「毎日保育園でトラブルになり、親の私がもう限界…」「お友達に怪我をさせてしまいそうで怖い」とギリギリの状態で頑張っているお母さん、どうかご家庭の中だけで抱え込まないでください。
私たち「エコルドはぐみのおうち」では、お子さまの「手が出る本当の理由」がどこにあるのかを、専門家の目で丁寧に紐解きます。そして、ご家庭や通われている保育園・幼稚園の先生方ともしっかり連携しながら、地域全体で「手を出さなくても安心できる土台」を一緒に作っていきます。
どうしたらいいか分からなくなって立ち止まりそうな時は、町の身近な専門家として、いつでも私たちを頼ってくださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
最後に、エコルドから大切なお知らせです。
ありがたいことに現在、春日井地域の多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
今日お話ししたように、子どもたちの「困った行動」の裏には、様々なSOSが隠されています。私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、理学療法や心理学などの専門的な視点を持ちながら、子どもたちやご家族にとって一番身近で温かいサポーターでありたいと考えています。
だからこそ、様々なバックグラウンドを持つ専門家の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
日常の遊びや温かい関わりを通して、言葉や心の発達を支えてくださる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
姿勢や動きのクセを見抜き、身体の土台づくりから子どもたちをサポートできる方。
公認心理師・臨床心理士の方
目に見えない心の動きを分析し、ご家族の不安にも優しく寄り添える方。
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
学んだ知識を、実際の療育現場で子どもたちの笑顔のために活かしてみたい方。
「資格はあるけれど、療育の経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。
エコルドでは、PT、保育士、心理職など、違う得意分野を持つスタッフがチームになり、「この子にはどんなアプローチがいいかな?」と毎日話し合いながら共に成長していく温かい文化があります。あなたのその知識と優しさを、地域の子どもたちの「できた!」に変える場所がここにあります。
また、資格取得を目指して勉強中の学生の皆さんも大歓迎です。
教科書で学んだことが、現場でどうやって子どもたちの成長に繋がるのか。アルバイトやインターンとして、その「生きた療育」を一緒に体感してみませんか?
子どもたちの無限の可能性を信じ、地域と手を取り合いながら、子どもたちの人生を豊かにするお手伝いがしたい。そんな温かい想いを持ったあなたと、一緒にお仕事ができる日を楽しみにしています。
【ご応募・ご見学について】
随時受け付けております。ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。「まずは施設の雰囲気だけ見てみたい」というご見学も大歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
8月も後半。少しずつ夏休みの終わりが見えてきましたね。
お盆休みが明け、そろそろ保育園や幼稚園、公園などで「お友達との関わり」が再開するこの時期。実はお母さんやお父さんから、こんなため息まじりのご相談が増えてきます。
「思い通りにならないと、すぐにお友達を突き飛ばしてしまう」
「おもちゃを取られた瞬間、言葉より先に手が出てしまう」
「パニックになると、私の腕に思い切り噛みついてきて青あざが絶えない…」
日々の療育現場でも、お子さまの「他害(手が出てしまうこと)」は、親御さんが最も深く、そして一人で思い悩むテーマです。
「痛かったね、ごめんなさい…」と相手の親子に何度も頭を下げて、家に帰ってから「私の育て方が悪かったのかな」「どうしてうちの子はこんなに乱暴なんだろう」と涙を流しているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と心に向き合う専門家として、そして同じ子育てに奮闘する親の一人として、これだけは最初にお伝えさせてください。
お子さまが叩いたり噛みついたりしてしまうのは、「愛情不足」でも、「意地悪な性格」だからでもありません。
これは、お子さま自身の脳や心が「もう処理しきれない!」と悲鳴を上げたときに出る、限界のSOSなのです。
大人の目には見えない、子どもの中で起きている「4つのパニック」
私たち大人の目には、単に「怒りに任せて乱暴をしている」ように映るかもしれません。でも、お子さまの心と身体を専門的な視点(発達のメカニズム)で丁寧に紐解いていくと、全く違う景色が見えてきます。
① 「ブレーキが間に合わない!」(脳の発達のサイン)
カッとなっても「ここで叩いたらダメだ」と我慢する脳のブレーキ機能が、まだゆっくりと育っている最中のお子さまがいます。感情の爆発が、そのまま「腕を振り下ろす」という体の動きに直結してしまう状態です。本人も「叩きたいわけじゃないのに、勝手に手が動いちゃう」と困っていることが多いのです。
② 「攻撃された!身を守らなきゃ!」(感覚の過敏さ)
お友達と少し肩がぶつかっただけなのに、相手を突き飛ばしてしまう。これは、皮膚の感覚が過敏で、ちょっとの接触を「強烈な痛み」や「怖い攻撃」として脳が受け取ってしまい、野生の防衛本能が働いているケースです。
③ 「上手く言えないから、体で伝える!」(言葉の練習中)
「貸して」「やめて」「悔しい」。そんな複雑な気持ちを言葉にする力が、まだ育っている途中のお子さま。「言葉が見つからない!」というもどかしさがピークに達したとき、一番手っ取り早く相手に伝わる「身体表現(手が出る)」を使ってしまいます。
④ 「パニックになりそう、落ち着かなきゃ!」(強い刺激の探求)
不安やパニックで心が壊れそうになったとき、自分の腕で人を叩いたり、強く噛みついたりして、関節や筋肉に「ガツン!」と強い刺激を入れる子がいます。これは、強い痛みや刺激(固有受容覚といいます)を体に入れることで、強制的に自分を落ち着かせようとする、無意識の自己防衛なんです。
今日からできる!「手が出る衝動」を優しく切り替えるヒント
「叩いちゃダメでしょ!」と大声で叱ることは、すでにパニックになっているお子さまの心にさらなる恐怖を与えてしまい、実は逆効果になりがちです。
今日からご家庭でも試せる、安心をベースにした関わり方をご紹介しますね。
1. 物理的に優しくブロックし、気持ちの「翻訳家」になる
手が出そうになったら、サッと間に入り、お子さまの手や肩を両手で優しく、でもしっかりと包み込むように止めてあげてください(※力ずくで押さえつけるのはNGです)。そして「おもちゃ取られて悔しかったね」と、言葉にならない気持ちを代わりに声に出してあげましょう。「分かってもらえた!」という安心感が、振り上げた拳を下ろす一番の特効薬です。
2. 「ここなら発散してOK」という安全基地を作る
体に強い刺激を求めている場合、その欲求自体をゼロにすることはできません。「イライラしたら、お友達じゃなくてこのクッションを思い切り叩いていいよ」「噛みたくなったら、お母さんの腕じゃなくてこの専用タオルをギュッと噛んでね」と、安全に発散できる逃げ道を用意してあげましょう。
3. ちょっと重いお手伝いで脳を落ち着かせる
お出かけ前など、トラブルが起きやすい場面の直前に「ちょっと重い水筒が入ったリュックを背負う」「壁を両手で『ヨイショ!』と押し合う」などの遊びを取り入れてみてください。関節や筋肉にしっかりと圧がかかることで、身体の根っこが満たされ、不思議と脳が落ち着いて手が出にくくなります。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに脳のブレーキが育ち、手が出ることは少しずつ減っていきます。でも、「毎日保育園でトラブルになり、親の私がもう限界…」「お友達に怪我をさせてしまいそうで怖い」とギリギリの状態で頑張っているお母さん、どうかご家庭の中だけで抱え込まないでください。
私たち「エコルドはぐみのおうち」では、お子さまの「手が出る本当の理由」がどこにあるのかを、専門家の目で丁寧に紐解きます。そして、ご家庭や通われている保育園・幼稚園の先生方ともしっかり連携しながら、地域全体で「手を出さなくても安心できる土台」を一緒に作っていきます。
どうしたらいいか分からなくなって立ち止まりそうな時は、町の身近な専門家として、いつでも私たちを頼ってくださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
最後に、エコルドから大切なお知らせです。
ありがたいことに現在、春日井地域の多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
今日お話ししたように、子どもたちの「困った行動」の裏には、様々なSOSが隠されています。私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、理学療法や心理学などの専門的な視点を持ちながら、子どもたちやご家族にとって一番身近で温かいサポーターでありたいと考えています。
だからこそ、様々なバックグラウンドを持つ専門家の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
日常の遊びや温かい関わりを通して、言葉や心の発達を支えてくださる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
姿勢や動きのクセを見抜き、身体の土台づくりから子どもたちをサポートできる方。
公認心理師・臨床心理士の方
目に見えない心の動きを分析し、ご家族の不安にも優しく寄り添える方。
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
学んだ知識を、実際の療育現場で子どもたちの笑顔のために活かしてみたい方。
「資格はあるけれど、療育の経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。
エコルドでは、PT、保育士、心理職など、違う得意分野を持つスタッフがチームになり、「この子にはどんなアプローチがいいかな?」と毎日話し合いながら共に成長していく温かい文化があります。あなたのその知識と優しさを、地域の子どもたちの「できた!」に変える場所がここにあります。
また、資格取得を目指して勉強中の学生の皆さんも大歓迎です。
教科書で学んだことが、現場でどうやって子どもたちの成長に繋がるのか。アルバイトやインターンとして、その「生きた療育」を一緒に体感してみませんか?
子どもたちの無限の可能性を信じ、地域と手を取り合いながら、子どもたちの人生を豊かにするお手伝いがしたい。そんな温かい想いを持ったあなたと、一緒にお仕事ができる日を楽しみにしています。
【ご応募・ご見学について】
随時受け付けております。ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。「まずは施設の雰囲気だけ見てみたい」というご見学も大歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範