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トイレを怖がる、オムツでしかウンチができない…穴に落ちる恐怖

こんにちは。 療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。

8月も下旬となり、長かった夏休みも終わりに近づいてきましたね。 薄着で洗濯物が乾きやすいこの夏の時期、「よし、一気にトイレトレーニング(トイトレ)を終わらせよう!」と奮闘されたお母さん、お父さんも多いのではないでしょうか。

しかし、そんな親の気合とは裏腹に、トイレという狭い個室の中で、こんな「終わりの見えない戦い」に心が折れそうになっていませんか?

「便座に座らせようとすると、必死に私の服にしがみついて大号泣する」 「おしっこはトイレでできても、ウンチはどうしてもオムツに履き替えて、部屋の隅でふんばらないと出せない」 「トイレの『ジャーッ!』という音を聞いた瞬間、パニックになって飛び出してくる…」

日々の療育現場でも、そして子育てのお悩み相談の中でも、この「トイレへの強い恐怖」や「オムツへの執着」は、本当によくお聞きする切実なテーマです。
周りの同年代の子たちが次々とオムツを卒業していく中で、「もうお兄ちゃんなんだから!」「どうしてトイレでウンチだけできないの!」と焦りを感じてしまう。そして、トイレで泣き叫ぶ我が子をつい怒ってしまい、「私のトイトレの進め方が悪かったのかな」と自己嫌悪に陥っているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。

でも、日々子どもたちの身体に向き合う理学療法士として、そして同じ子育てに奮闘する親の一人として、これだけは最初にお伝えさせてください。
お子さまがトイレを激しく怖がったり、オムツでしか排泄できなかったりするのは、決して「親への反抗」でも、「ワガママや頑固な性格」だからでもありません。
これには、姿勢を保つための筋肉の弱さや、脳が感じている「空間への恐怖」という、身体のメカニズムによる明確な理由があるのです。

大人の目には見えない、トイレの中で起きている「3つの恐怖」

私たち大人にとっては「ただ便座に座って用を足すだけの場所」ですが、理学療法士の視点で紐解いていくと、お子さまの心と身体ではこんな過酷な恐怖体験が起きています。

① 足が浮く恐怖と「体幹」の弱さ(姿勢がグラグラで怖い!)

排泄の動作で一番大切なのは「姿勢の安定」です。大人用のトイレに小さな子どもが座ると、どうしても足がブラブラと宙に浮いてしまいますよね。生まれつき筋肉の張りが弱い(低緊張)お子さまにとって、足場がない状態で、お腹や背中の筋肉(体幹)だけでバランスを取るのは至難の業です。そのうえ「排泄のために特定の筋肉を緩める」なんて、まるで「綱渡りをしながらリラックスして」と言われているようなもの。姿勢を保つだけで命がけになり、排泄どころではなくなってしまうのです。

② トイレの穴が「底なし沼」に見えている(重力への不安)

揺れや高さを感じるセンサーが過敏なお子さまは、足元が不安定な状態を極端に怖がります。お子さまの小さな身体から見下ろすトイレの丸い穴と、その下に広がる水面は、「気を抜いたら真っ逆さまに底なし沼に吸い込まれてしまう!」という強烈な恐怖を引き起こします。だからこそ、両足がしっかり地面に着いて安心できる「オムツ+部屋の隅」という環境でしか、ウンチを出せなくなってしまうのです。

③ トイレ特有の「音と冷たさ」への警戒(感覚の過敏さ)

狭くて音が反響しやすいトイレ空間は、感覚が過敏なお子さまにとって、まるでお化け屋敷です。便座のヒヤッとした冷たさ、換気扇のブーンという音、そして水を流す時の「轟音」が、脳の警戒アラームをガンガンと鳴らし続けています。

今日からおうちで実践!トイレの恐怖を優しく和らげるヒント

「泣いても座らせて慣れさせる!」と無理やり便座に押し付けることは、トイレそのものを「拷問部屋」として脳にインプットさせてしまい、かえってトイトレを長引かせてしまいます。 今日からご家庭でも試せる、身体の安心感を作るアプローチをご紹介しますね。

1. 環境調整の絶対ルール「足裏ペタッ」の踏み台を置く

一番最初のアプローチは、足場を作ることです。足がブラブラしないよう、「足の裏全体がピタッと着く、広めで安定した踏み台」を必ず置いてあげてください。足の裏から「ちゃんと地面があるよ」という情報が脳に伝わるだけで、姿勢がロックされて体幹が安定し、排泄のために筋肉を緩める余裕が生まれます。

2. 取っ手付きの補助便座で「腕の力」を使わせる

底なし沼に落ちる恐怖を取り除くために、前に「取っ手(ハンドル)」がついている補助便座がおすすめです。取っ手を「ギュッ」と強く握りしめることで腕に力が入り、自分の身体を自分で支えられているという安心感に繋がります。

3. 音が怖い子には「耳塞ぎ」と「後で流すルール」

水を流す音が怖いお子さまには、「おしっこが出たら、お耳を塞いでお外(廊下)に出ようね。それからお母さんが流すよ」とルールを決めてあげてください。「自分が安全な場所に避難してから音が鳴る」と予測できるだけで、空間に対する恐怖心は劇的に下がります。

ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください

身体が成長し、体幹がしっかりしてくれば自然とトイレで排泄できるようになることが多いです。でも、「オムツへの執着が強すぎて便秘や腹痛を起こしている」「トイトレのストレスで、親の私がイライラして涙が止まらない」とギリギリの状態で頑張っているお母さん、どうかご家庭の中だけで抱え込まないでください。

私たち「エコルドはぐみのおうち」では、ただ「トイレに座る練習」をするのではなく、理学療法士の視点を活かし、トランポリンやアスレチックなどの全身運動を通して、姿勢を保つ「体幹」を遊びながら育てていきます。身体の土台がどっしりと安定すれば、不思議とトイレの便座の上でも安心できるようになっていくのです。

毎日、失敗した下着やズボンを洗いながら「いつになったらオムツが外れるのかな」と先の見えない不安と戦っているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決して反抗しているわけではなく、自分の弱い筋肉や「得体の知れない恐怖」と、一生懸命に戦っている真っ最中なのです。

「うちの子のトイレ拒否、もしかして身体の使い方が原因かも?」と思われた時は、町の身近な専門家として、いつでも私たちを頼ってくださいね。

【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 最後に、エコルドから大切なお知らせです。
ありがたいことに現在、春日井地域の多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。

今日お話ししたように、子どもたちの「できないこと」の裏には、様々なSOSや身体のメカニズムが隠されています。私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、理学療法や心理学などの専門的な視点を持ちながら、子どもたちやご家族にとって一番身近で温かいサポーターでありたいと考えています。
だからこそ、様々なバックグラウンドを持つ専門家の力が必要です。

* 保育士・幼稚園教諭の方 日常の遊びや温かい関わりを通して、言葉や心の発達を支えてくださる方。
* 理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方 姿勢や動きのクセを見抜き、身体の土台づくりから子どもたちをサポートできる方。
* 公認心理師・臨床心理士の方 目に見えない心の動きを分析し、ご家族の不安にも優しく寄り添える方。
* 心理学を学ばれた方(大学・大学院) 学んだ知識を、実際の療育現場で子どもたちの笑顔のために活かしてみたい方。
*
「資格はあるけれど、療育の経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。 エコルドでは、PT、保育士、心理職など、違う得意分野を持つスタッフがチームになり、「この子にはどんなアプローチがいいかな?」と毎日話し合いながら共に成長していく温かい文化があります。あなたのその知識と優しさを、地域の子どもたちの「できた!」に変える場所がここにあります。

また、資格取得を目指して勉強中の学生の皆さんも大歓迎です。 教科書で学んだことが、現場でどうやって子どもたちの成長に繋がるのか。アルバイトやインターンとして、その「生きた療育」を一緒に体感してみませんか?

子どもたちの無限の可能性を信じ、地域と手を取り合いながら、子どもたちの人生を豊かにするお手伝いがしたい。そんな温かい想いを持ったあなたと、一緒にお仕事ができる日を楽しみにしています。

【ご応募・ご見学について】 随時受け付けております。ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。

「まずは施設の雰囲気だけ見てみたい」というご見学も大歓迎です!

療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい 児童指導員・理学療法士 内山 隆範
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