こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
8月26日を迎え、いよいよ夏休みも最終盤ですね。
学校や幼稚園・保育園の新学期が目前に迫るこの時期、お母さんやお父さんの心をザワザワと不安にさせる、こんなお悩みはありませんか?
「食事中、5分も経たないうちに椅子から降りてウロウロし始める」
「絵本の読み聞かせや園の集まりの時間、うちの子だけが立ち歩いてどこかへ行ってしまう」
「もうすぐ学校が始まるのに、45分間じっと座って授業を受けられる気が全くしない…」
日々の療育現場でも、そして私自身の子育ての中でも、この「じっと座っていられない(離席・立ち歩き)」というお悩みは、集団生活を迎えるにあたって最も多く寄せられる切実なテーマです。
周りの子がおとなしく座っている中で、我が子だけが動き回る姿。「ちゃんとお座りしなさい!」「どうしてジッとできないの!」と叱りながら、「私のしつけが悪いのかな」「もしかしてADHDなのかな」と、人知れず焦りや自己嫌悪を抱えているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と脳に向き合う専門家として、そして同じ子育てに奮闘する親の一人として、これだけは最初にお伝えさせてください。
お子さまが立ち歩いてしまうのは、決して「親のしつけが足りない」からでも、「わざとふざけて落ち着きがない」からでもありません。
これには、筋肉の持久力の弱さや、脳が必死に求めている「感覚の栄養」という、理学療法士の視点から見るととても明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、身体の中で起きている「2つの限界」
私たち大人からすると「ただ落ち着きなく動き回っているだけ」に見えるかもしれませんが、お子さまの心と身体では、こんな過酷なエラーが起きています。
① 脳が「動かないと眠ってしまう!」と焦っている(感覚の探求)
大人でも、退屈な会議中にペン回しをしたり、貧乏ゆすりをしたりすることがありますよね。あれは、単調な状態に脳が眠気を覚えた時、無意識に身体を動かして「刺激」を送り、強制的に脳を覚醒させようとする行動です。
感覚の受け取り方が少しゆっくりなお子さまにとって、「じっと座っていること」は「脳への刺激がゼロになること」を意味し、脳がシャットダウンしそうになってしまいます。だからこそ、無意識に立ち上がり、歩き回ることで関節や筋肉に刺激を送り込み、一生懸命に脳のスイッチを「ON」に保とうとしているのです。
② 「座り続ける」ための筋肉の持久力がない(体幹の弱さ)
重力に逆らって「座り続ける」というのは、実は高度な筋トレです。生まれつき筋肉の張りが弱い(低緊張といいます)お子さまや、体幹が弱いお子さまにとって、背筋を伸ばして座り続けることは、すぐに筋肉の限界を迎えてしまいます。
「これ以上同じ姿勢でいると身体が辛い!」というSOSサインとして、無意識に姿勢を変えたり、歩き回ったりして、筋肉の疲労を必死に逃がしているケースが非常に多いのです。
今日からできる!「座る力」を無理なく育む3つの優しいヒント
「立ち歩いちゃダメ!」と力ずくで椅子に座らせることは、限界を迎えた筋肉にムチを打ち、脳から栄養を奪うことになり、結果として大きなパニックや癇癪に繋がってしまいます。
今日からご家庭でも試せる、身体の要求を満たしながら「座る環境」を整えてあげるアプローチをご紹介しますね。
1. 座りながら動ける「動的座位」を取り入れる
立ち歩きたい(動きたい)という脳の欲求を、座ったまま満たしてあげる裏技です。椅子の座面に少し空気の抜けた「バランスクッション」を置いたりしてみてください。「座りながら少しだけグラグラ揺れる」環境を作ることで、脳に必要な感覚刺激が常に送られ続けるため、不思議と立ち歩かずに長く座っていられる子がたくさんいます。
2. 座る直前に「重いものを運ぶお仕事」を頼む
授業や食事などで「どうしても座ってほしい時間」の直前に、脳と筋肉をあらかじめ満足させておきます。「この重い図鑑、あっちの机まで運んでくれる?」「椅子を両手でギュッと押してセットして!」など、関節に強い圧がかかるお仕事をしてもらいます。身体の根っこに強い刺激が入ると脳が落ち着き、その後の「静かに座る時間」をスッと受け入れやすくなります。
3. やっぱり基本は「足裏ペタッ」の環境調整
体幹の弱さをカバーするために一番大切なのは、やはり足元の安定です。足がブラブラ浮いている状態では、数分で姿勢が崩れて立ち上がりたくなります。足元にしっかりとした踏み台を置き、「足の裏全体が床にピタッと着くこと」を必ず確認してあげてください。これだけで、座っていられる時間が劇的に伸びる子は少なくありません。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに体幹が育ち、感覚の処理が上手になることで、少しずつ座れる時間は伸びていきます。でも、「学校や園で全く席につけず、毎日先生から注意されてしまう」「周囲の目が怖くて、外食や外出を一切避けるようになっている」とギリギリの状態で頑張っているお母さん、どうかご家庭の中だけで特訓しようとしないでください。
私たち「エコルドはぐみのおうち」では、理学療法士の知見を活かし、ただ「椅子に縛り付けて座らせる練習」をするのではなく、アスレチックやトランポリンなどを用いてダイナミックに身体を動かし、「脳が求める感覚」をたっぷりと満たすことから始めます。根っこの欲求が満たされ、体幹の筋肉が育てば、お子さまは自然と「座って活動する楽しさ」に気づいていけるのです。
新学期を前に、「また先生に謝る日々が始まるのかな…」とため息をつきながら我が子を見守っているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してふざけているわけではなく、自分の弱い身体と、感覚を求める未熟な脳とで、一生懸命に折り合いをつけようとしている真っ最中なのです。
「うちの子の立ち歩き、もしかして感覚や体幹が原因かも?」と思われた時は、町の身近な専門家として、いつでも私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような脳科学や身体のメカニズムに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの人生を豊かにするお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
8月26日を迎え、いよいよ夏休みも最終盤ですね。
学校や幼稚園・保育園の新学期が目前に迫るこの時期、お母さんやお父さんの心をザワザワと不安にさせる、こんなお悩みはありませんか?
「食事中、5分も経たないうちに椅子から降りてウロウロし始める」
「絵本の読み聞かせや園の集まりの時間、うちの子だけが立ち歩いてどこかへ行ってしまう」
「もうすぐ学校が始まるのに、45分間じっと座って授業を受けられる気が全くしない…」
日々の療育現場でも、そして私自身の子育ての中でも、この「じっと座っていられない(離席・立ち歩き)」というお悩みは、集団生活を迎えるにあたって最も多く寄せられる切実なテーマです。
周りの子がおとなしく座っている中で、我が子だけが動き回る姿。「ちゃんとお座りしなさい!」「どうしてジッとできないの!」と叱りながら、「私のしつけが悪いのかな」「もしかしてADHDなのかな」と、人知れず焦りや自己嫌悪を抱えているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と脳に向き合う専門家として、そして同じ子育てに奮闘する親の一人として、これだけは最初にお伝えさせてください。
お子さまが立ち歩いてしまうのは、決して「親のしつけが足りない」からでも、「わざとふざけて落ち着きがない」からでもありません。
これには、筋肉の持久力の弱さや、脳が必死に求めている「感覚の栄養」という、理学療法士の視点から見るととても明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、身体の中で起きている「2つの限界」
私たち大人からすると「ただ落ち着きなく動き回っているだけ」に見えるかもしれませんが、お子さまの心と身体では、こんな過酷なエラーが起きています。
① 脳が「動かないと眠ってしまう!」と焦っている(感覚の探求)
大人でも、退屈な会議中にペン回しをしたり、貧乏ゆすりをしたりすることがありますよね。あれは、単調な状態に脳が眠気を覚えた時、無意識に身体を動かして「刺激」を送り、強制的に脳を覚醒させようとする行動です。
感覚の受け取り方が少しゆっくりなお子さまにとって、「じっと座っていること」は「脳への刺激がゼロになること」を意味し、脳がシャットダウンしそうになってしまいます。だからこそ、無意識に立ち上がり、歩き回ることで関節や筋肉に刺激を送り込み、一生懸命に脳のスイッチを「ON」に保とうとしているのです。
② 「座り続ける」ための筋肉の持久力がない(体幹の弱さ)
重力に逆らって「座り続ける」というのは、実は高度な筋トレです。生まれつき筋肉の張りが弱い(低緊張といいます)お子さまや、体幹が弱いお子さまにとって、背筋を伸ばして座り続けることは、すぐに筋肉の限界を迎えてしまいます。
「これ以上同じ姿勢でいると身体が辛い!」というSOSサインとして、無意識に姿勢を変えたり、歩き回ったりして、筋肉の疲労を必死に逃がしているケースが非常に多いのです。
今日からできる!「座る力」を無理なく育む3つの優しいヒント
「立ち歩いちゃダメ!」と力ずくで椅子に座らせることは、限界を迎えた筋肉にムチを打ち、脳から栄養を奪うことになり、結果として大きなパニックや癇癪に繋がってしまいます。
今日からご家庭でも試せる、身体の要求を満たしながら「座る環境」を整えてあげるアプローチをご紹介しますね。
1. 座りながら動ける「動的座位」を取り入れる
立ち歩きたい(動きたい)という脳の欲求を、座ったまま満たしてあげる裏技です。椅子の座面に少し空気の抜けた「バランスクッション」を置いたりしてみてください。「座りながら少しだけグラグラ揺れる」環境を作ることで、脳に必要な感覚刺激が常に送られ続けるため、不思議と立ち歩かずに長く座っていられる子がたくさんいます。
2. 座る直前に「重いものを運ぶお仕事」を頼む
授業や食事などで「どうしても座ってほしい時間」の直前に、脳と筋肉をあらかじめ満足させておきます。「この重い図鑑、あっちの机まで運んでくれる?」「椅子を両手でギュッと押してセットして!」など、関節に強い圧がかかるお仕事をしてもらいます。身体の根っこに強い刺激が入ると脳が落ち着き、その後の「静かに座る時間」をスッと受け入れやすくなります。
3. やっぱり基本は「足裏ペタッ」の環境調整
体幹の弱さをカバーするために一番大切なのは、やはり足元の安定です。足がブラブラ浮いている状態では、数分で姿勢が崩れて立ち上がりたくなります。足元にしっかりとした踏み台を置き、「足の裏全体が床にピタッと着くこと」を必ず確認してあげてください。これだけで、座っていられる時間が劇的に伸びる子は少なくありません。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに体幹が育ち、感覚の処理が上手になることで、少しずつ座れる時間は伸びていきます。でも、「学校や園で全く席につけず、毎日先生から注意されてしまう」「周囲の目が怖くて、外食や外出を一切避けるようになっている」とギリギリの状態で頑張っているお母さん、どうかご家庭の中だけで特訓しようとしないでください。
私たち「エコルドはぐみのおうち」では、理学療法士の知見を活かし、ただ「椅子に縛り付けて座らせる練習」をするのではなく、アスレチックやトランポリンなどを用いてダイナミックに身体を動かし、「脳が求める感覚」をたっぷりと満たすことから始めます。根っこの欲求が満たされ、体幹の筋肉が育てば、お子さまは自然と「座って活動する楽しさ」に気づいていけるのです。
新学期を前に、「また先生に謝る日々が始まるのかな…」とため息をつきながら我が子を見守っているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してふざけているわけではなく、自分の弱い身体と、感覚を求める未熟な脳とで、一生懸命に折り合いをつけようとしている真っ最中なのです。
「うちの子の立ち歩き、もしかして感覚や体幹が原因かも?」と思われた時は、町の身近な専門家として、いつでも私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような脳科学や身体のメカニズムに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの人生を豊かにするお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範