こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
8月27日。いよいよ夏休みも残り数日となりましたね。
来週からの新学期に向けて、生活リズムやスケジュールを少しずつ「学校・園モード」に戻そうと頑張っているご家庭も多いのではないでしょうか。
そんな日常のちょっとした場面で、こんな「終わりの見えない大パニック」に直面して、お母さん自身がヘトヘトに疲弊していませんか?
「いつも通る道が工事中で迂回しただけで、この世の終わりのように泣き叫んで一歩も動かなくなる」
「『今日は雨だから公園に行けないよ』と伝えると、1時間以上も怒り狂って物を投げてしまう」
「着替える、ご飯を食べるなど、いつもの『順番』が少しでも狂うと、最初からやり直そうとする」
日々の療育現場でも、この「予定変更への極端な弱さ(こだわりの強さ)」は、親御さんが心身ともにすり減ってしまう切実なテーマです。
「どうしてそんなに融通が利かないの!」「ワガママ言わないで!」と、パニックになる我が子を前になす術がなくなり、「私が甘やかしたから、こんなに自己中心的な子になってしまったのかな」と夜な夜なご自身を責めてしまうお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と心に向き合う専門家として、そして同じ子育てに奮闘する親の一人として、これだけは最初にお伝えさせてください。
お子さまが予定変更でパニックになってしまうのは、決して「親を困らせるワガママ」でも、「自己中心的な性格」だからでもありません。
これには、脳の「情報を処理する特性」や、得体の知れない不安から必死に身を守ろうとする、明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの心で起きている「2つの恐怖」
私たち大人からすると「ただ自分の思い通りにならなくて怒っているだけ」に見えるかもしれませんが、お子さまの脳の中では、こんな過酷なエラーが起きています。
① 「見えない未来」が想像できず、不安に押しつぶされている
私たち大人は「雨で公園に行けないなら、家でゲームをしよう」と、頭の中で『プランB』を瞬時に想像し、気持ちを切り替えることができます。しかし、発達に凸凹のあるお子さまは、この「目に見えない先のことを想像する(見通しを立てる)」のが非常に苦手です。
予定が変わった瞬間、脳内が真っ白になり「この後どうなっちゃうの!?次に何が起きるか分からない!」という強烈な恐怖に襲われます。大人に例えるなら、「飛行機に乗っていたら、突然パラシュートなしで空中に放り出された」くらいの巨大なパニックなのです。
② 「いつもと同じ(ルーティン)」が唯一の精神安定剤
感覚の過敏さや不器用さを抱えるお子さまにとって、この世界は予測不能なストレス(ノイズ)で溢れています。そんな過酷な世界の中で、唯一心が安らぐのが「いつもと同じ順番」「いつもと同じ道」という『絶対に変わらない確実なもの』です。予定変更は、そのたった一つの安全地帯をハンマーで壊されるに等しい衝撃を与えてしまうのです。
今日からできる!「予定変更」に優しく慣れていく3つのヒント
「我慢しなさい!」と力ずくで予定を変えることは、お子さまの不安をさらに煽り、こだわりをより強固にしてしまう逆効果になります。
今日からご家庭でも試せる、脳に「安心感」と「切り替えの練習」をプレゼントするアプローチをご紹介しますね。
1. 言葉ではなく「目で見える形(視覚)」で予告する
耳からの情報処理が苦手な子には、「口頭」で予定変更を伝えてもパニックの引き金になるだけです。1日の予定をホワイトボードや絵カードで視覚化し、変更がある場合は「公園のカード」の上に「×(バツ)」を貼り、その横に「おうちでブロックのカード」を貼るなど、目で見て分かる形で伝えてあげてください。「見えない不安」が形になるだけで、スッと受け入れられる子がたくさんいます。
2. 日常の「小さな変更」をゲーム化して練習する
パニックにならないためには、心に余裕がある時に「予定が変わっても大丈夫だった!」という小さな成功体験を積むことが重要です。おやつの時間に「今日はリンゴの予定だったけど、バナナに『へんこう!』してもいい?」と、お子さまが受け入れやすいポジティブな変更から、少しずつ『プランB』の練習をしてみてください。
3. パニックになりそうな時は「身体の根っこ」に圧を入れる
予定変更を伝えて「あ、パニックになりそう」と感じた瞬間、言葉で説得する前に、お子さまの肩や腕を「ギュ〜ッ」と強めにハグ(圧迫)してあげてください。
パニックで宙に浮きそうになっている脳に、関節や筋肉への強い刺激(固有受容覚)を入れることで、強制的に「今ここにある自分の身体」に意識を引き戻し、不思議と落ち着きを取り戻しやすくなります。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに経験が増え、少しずつ「まあいっか」と折り合いをつけられるようになっていきます。でも、「予定変更が受け入れられず、自分の頭を壁に打ち付けるなど激しくパニックになる」「決まった服・特定の道しかダメで、外出や登校が一切できない」「家族全員が子どものパニックを恐れて、顔色を伺って生活している」……そんな限界の状態で頑張っているお母さん、どうかご家庭の中だけで抱え込まないでください。
私たち「エコルドはぐみのおうち」では、理学療法士や児童指導員がチームとなり、遊びや運動を通して身体の感覚をたっぷりと満たし、「脳の柔軟性(しなやかさ)」を育てるアプローチを行っています。
「今日もまたパニックになるかも…」と、毎日薄氷を踏むような思いで過ごしているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してワガママであなたを困らせているわけではありません。予測不能な世界の中で、必死に「安心」を探している真っ最中なのです。
町の身近な専門家として、いつでも私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような脳科学や身体のメカニズムに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの人生を豊かにするお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
8月27日。いよいよ夏休みも残り数日となりましたね。
来週からの新学期に向けて、生活リズムやスケジュールを少しずつ「学校・園モード」に戻そうと頑張っているご家庭も多いのではないでしょうか。
そんな日常のちょっとした場面で、こんな「終わりの見えない大パニック」に直面して、お母さん自身がヘトヘトに疲弊していませんか?
「いつも通る道が工事中で迂回しただけで、この世の終わりのように泣き叫んで一歩も動かなくなる」
「『今日は雨だから公園に行けないよ』と伝えると、1時間以上も怒り狂って物を投げてしまう」
「着替える、ご飯を食べるなど、いつもの『順番』が少しでも狂うと、最初からやり直そうとする」
日々の療育現場でも、この「予定変更への極端な弱さ(こだわりの強さ)」は、親御さんが心身ともにすり減ってしまう切実なテーマです。
「どうしてそんなに融通が利かないの!」「ワガママ言わないで!」と、パニックになる我が子を前になす術がなくなり、「私が甘やかしたから、こんなに自己中心的な子になってしまったのかな」と夜な夜なご自身を責めてしまうお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と心に向き合う専門家として、そして同じ子育てに奮闘する親の一人として、これだけは最初にお伝えさせてください。
お子さまが予定変更でパニックになってしまうのは、決して「親を困らせるワガママ」でも、「自己中心的な性格」だからでもありません。
これには、脳の「情報を処理する特性」や、得体の知れない不安から必死に身を守ろうとする、明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの心で起きている「2つの恐怖」
私たち大人からすると「ただ自分の思い通りにならなくて怒っているだけ」に見えるかもしれませんが、お子さまの脳の中では、こんな過酷なエラーが起きています。
① 「見えない未来」が想像できず、不安に押しつぶされている
私たち大人は「雨で公園に行けないなら、家でゲームをしよう」と、頭の中で『プランB』を瞬時に想像し、気持ちを切り替えることができます。しかし、発達に凸凹のあるお子さまは、この「目に見えない先のことを想像する(見通しを立てる)」のが非常に苦手です。
予定が変わった瞬間、脳内が真っ白になり「この後どうなっちゃうの!?次に何が起きるか分からない!」という強烈な恐怖に襲われます。大人に例えるなら、「飛行機に乗っていたら、突然パラシュートなしで空中に放り出された」くらいの巨大なパニックなのです。
② 「いつもと同じ(ルーティン)」が唯一の精神安定剤
感覚の過敏さや不器用さを抱えるお子さまにとって、この世界は予測不能なストレス(ノイズ)で溢れています。そんな過酷な世界の中で、唯一心が安らぐのが「いつもと同じ順番」「いつもと同じ道」という『絶対に変わらない確実なもの』です。予定変更は、そのたった一つの安全地帯をハンマーで壊されるに等しい衝撃を与えてしまうのです。
今日からできる!「予定変更」に優しく慣れていく3つのヒント
「我慢しなさい!」と力ずくで予定を変えることは、お子さまの不安をさらに煽り、こだわりをより強固にしてしまう逆効果になります。
今日からご家庭でも試せる、脳に「安心感」と「切り替えの練習」をプレゼントするアプローチをご紹介しますね。
1. 言葉ではなく「目で見える形(視覚)」で予告する
耳からの情報処理が苦手な子には、「口頭」で予定変更を伝えてもパニックの引き金になるだけです。1日の予定をホワイトボードや絵カードで視覚化し、変更がある場合は「公園のカード」の上に「×(バツ)」を貼り、その横に「おうちでブロックのカード」を貼るなど、目で見て分かる形で伝えてあげてください。「見えない不安」が形になるだけで、スッと受け入れられる子がたくさんいます。
2. 日常の「小さな変更」をゲーム化して練習する
パニックにならないためには、心に余裕がある時に「予定が変わっても大丈夫だった!」という小さな成功体験を積むことが重要です。おやつの時間に「今日はリンゴの予定だったけど、バナナに『へんこう!』してもいい?」と、お子さまが受け入れやすいポジティブな変更から、少しずつ『プランB』の練習をしてみてください。
3. パニックになりそうな時は「身体の根っこ」に圧を入れる
予定変更を伝えて「あ、パニックになりそう」と感じた瞬間、言葉で説得する前に、お子さまの肩や腕を「ギュ〜ッ」と強めにハグ(圧迫)してあげてください。
パニックで宙に浮きそうになっている脳に、関節や筋肉への強い刺激(固有受容覚)を入れることで、強制的に「今ここにある自分の身体」に意識を引き戻し、不思議と落ち着きを取り戻しやすくなります。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに経験が増え、少しずつ「まあいっか」と折り合いをつけられるようになっていきます。でも、「予定変更が受け入れられず、自分の頭を壁に打ち付けるなど激しくパニックになる」「決まった服・特定の道しかダメで、外出や登校が一切できない」「家族全員が子どものパニックを恐れて、顔色を伺って生活している」……そんな限界の状態で頑張っているお母さん、どうかご家庭の中だけで抱え込まないでください。
私たち「エコルドはぐみのおうち」では、理学療法士や児童指導員がチームとなり、遊びや運動を通して身体の感覚をたっぷりと満たし、「脳の柔軟性(しなやかさ)」を育てるアプローチを行っています。
「今日もまたパニックになるかも…」と、毎日薄氷を踏むような思いで過ごしているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してワガママであなたを困らせているわけではありません。予測不能な世界の中で、必死に「安心」を探している真っ最中なのです。
町の身近な専門家として、いつでも私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような脳科学や身体のメカニズムに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの人生を豊かにするお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範