こんにちは。 療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
新学期が始まり、子どもたちも少しずつ疲れが出やすいこの時期。ただでさえ夕方はバタバタするのに、毎晩のお風呂タイムで「顔に水がかかるのが絶対に嫌!」と泣き叫ぶお子さまとの終わりの見えない戦いに、ヘトヘトになっていませんか?
「ただお湯をかけているだけなのに、どうしてこんなに嫌がるの?」 「ワガママ言わずに、早く洗わせて!」
狭く音が響き渡るお風呂場で、泣き叫ぶ我が子を前になす術もなく途方に暮れているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と感覚に向き合う専門家として、まず一番にお伝えさせてください。
シャンプーや顔に水がかかることを激しく嫌がるのは、決して「ワガママ」でも「お風呂嫌いな性格」だからでもありません。
お子さまの脳と身体が、私たち大人には想像もつかないような「チクチクの痛み」や「真っ逆さまに落ちる恐怖」と必死に戦っている、限界のSOSサインなのです。
大人の目には見えない、お風呂場で起きている「2つのパニック」
私たち大人からすると「ただの気持ちいい温かいシャワー」にしか思えませんよね。しかし、感覚の処理が少し苦手なお子さまの脳内では、こんな過酷なパニックが起きています。
水滴が「チクチク刺さる針」に感じる(触覚の過敏さ)
皮膚のセンサーがとても敏感なお子さまにとって、シャワーの細い水流や、顔を伝って落ちる水滴は、決して心地よいものではありません。大人に例えるなら、「無数の針で顔をチクチクと刺されている」ような強烈な痛みとして、脳が勘違いして受け取ってしまっているのです。
頭を後ろに倒すのが極端に怖い(揺れを感じるセンサーの未熟さ)
美容院のように、シャンプーで頭を後ろに反らせる姿勢。実はこれ、身体の揺れや傾きを感じるセンサー(前庭覚といいます)が未熟なお子さまにとっては、「目隠しをして、後ろの崖から真っ逆さまに突き落とされる」のと同じくらいの強烈な恐怖(重力不安)を引き起こします。目を閉じることでさらに視覚の逃げ場がなくなり、恐怖が何倍にも膨れ上がってしまうのです。
今日からできる!お風呂の「怖い」を優しく取り除く3つのヒント
「泣いても洗うしかない!」と無理やりシャワーをかけることは、お風呂そのものをトラウマ空間にしてしまい、かえって苦戦する日々を長引かせてしまいます。今日からおうちで試せる、物理的な恐怖を取り除く優しい工夫をご紹介しますね。
1. シャワーを直接当てず、タオルで「面」にして流す
細い水流のチクチク感を防ぐための裏技です。お湯をたっぷり含ませたタオルや柔らかい大きめのスポンジを頭に乗せ、優しく押し当てるように「面」でお湯を流してみてください。「これなら痛くない!」と安心できる子がたくさんいます。
2. 上を向かせず「下を向いて」洗う
後ろに倒れるのが怖いお子さまには、無理に上を向かせる必要はありません。下を向いた状態で、乾いたタオルを顔に当てて(目をしっかり守って)後頭部から流す方が、地に足がついて安心できるケースが非常に多いです。
3. 【理学療法士の裏技】服を脱ぐ前に「ギュッギュッ」とマッサージ
お風呂に入る前、服を脱ぐタイミングでお子さまの肩や腕をお母さんの手のひらで少し強めに「ギュッ、ギュッ」とマッサージしてあげてください。関節や筋肉に強い圧(固有受容覚の刺激)が入ることで、自分の身体の輪郭がハッキリとし、水に触れるパニックを和らげやすくなります。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに感覚の過敏さが和らぎ、お風呂を楽しめるようになることは多いです。でも、「水への恐怖が強すぎて、お風呂場に入るだけで激しい嘔吐やパニックを起こす」「お風呂のストレスでお母さん自身が追い詰められ、毎晩のケアが限界に達している」という時は、どうかご家庭だけで抱え込まないでください。
私たち「エコルドはぐみのおうち」では、理学療法士の専門的な知見を活かし、日々の楽しい遊びの中で様々な感覚(触覚や前庭覚など)をバランスよく満たし、過敏さを少しずつ和らげていくサポートを行っています。
毎晩、泣き叫ぶ我が子を洗いながら体力を使い果たしているお母さん、本当にお疲れ様です。「この子は今、針の痛みや崖から落ちる恐怖と戦って頑張ってるんだな」と視点を変えるだけで、お母さんの心も少しだけフワッと軽くなるかもしれません。
少しでも不安や疲れを感じたら、町の身近な専門家として、いつでも私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 最後に、エコルドから大切なお知らせです。
ありがたいことに現在、春日井地域の多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
今日お話しした「お風呂の恐怖」も、単なるワガママではなく、皮膚や脳の過敏さ、身体の使い方が隠れていました。だからこそエコルドでは、単に子どもを「預かる」のではなく、身体のメカニズムや専門的な視点に基づいた療育を何よりも大切にしています。
子どもたちとご家族の一番身近で温かいサポーターになるために、様々なバックグラウンドを持つ専門家の力が必要です。
* 保育士・幼稚園教諭の方
* 理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
* 公認心理師・臨床心理士、心理学を学ばれた方
「資格はあるけれど、療育の現場は初めてで…」という方もご安心ください。 エコルドでは、PT、保育士、心理職など、違う得意分野を持つスタッフがチームになり、「この子がお風呂を嫌がるのは、どの感覚へのアプローチがいいかな?」と毎日話し合いながら共に学び合う温かい文化があります。あなたのその知識と優しさを、地域の子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所がここにあります。
また、資格取得を目指して勉強中の学生の皆さんも大歓迎です。見学からでも、ぜひお気軽にお越しくださいね。
子どもたちの無限の可能性を信じ、地域と手を取り合いながら、人生を豊かにするお手伝いがしたい。そんな温かい想いを持ったあなたと、一緒にお仕事ができる日を楽しみにしています。
随時受け付けておりますので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい 児童指導員・理学療法士 内山 隆範
新学期が始まり、子どもたちも少しずつ疲れが出やすいこの時期。ただでさえ夕方はバタバタするのに、毎晩のお風呂タイムで「顔に水がかかるのが絶対に嫌!」と泣き叫ぶお子さまとの終わりの見えない戦いに、ヘトヘトになっていませんか?
「ただお湯をかけているだけなのに、どうしてこんなに嫌がるの?」 「ワガママ言わずに、早く洗わせて!」
狭く音が響き渡るお風呂場で、泣き叫ぶ我が子を前になす術もなく途方に暮れているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と感覚に向き合う専門家として、まず一番にお伝えさせてください。
シャンプーや顔に水がかかることを激しく嫌がるのは、決して「ワガママ」でも「お風呂嫌いな性格」だからでもありません。
お子さまの脳と身体が、私たち大人には想像もつかないような「チクチクの痛み」や「真っ逆さまに落ちる恐怖」と必死に戦っている、限界のSOSサインなのです。
大人の目には見えない、お風呂場で起きている「2つのパニック」
私たち大人からすると「ただの気持ちいい温かいシャワー」にしか思えませんよね。しかし、感覚の処理が少し苦手なお子さまの脳内では、こんな過酷なパニックが起きています。
水滴が「チクチク刺さる針」に感じる(触覚の過敏さ)
皮膚のセンサーがとても敏感なお子さまにとって、シャワーの細い水流や、顔を伝って落ちる水滴は、決して心地よいものではありません。大人に例えるなら、「無数の針で顔をチクチクと刺されている」ような強烈な痛みとして、脳が勘違いして受け取ってしまっているのです。
頭を後ろに倒すのが極端に怖い(揺れを感じるセンサーの未熟さ)
美容院のように、シャンプーで頭を後ろに反らせる姿勢。実はこれ、身体の揺れや傾きを感じるセンサー(前庭覚といいます)が未熟なお子さまにとっては、「目隠しをして、後ろの崖から真っ逆さまに突き落とされる」のと同じくらいの強烈な恐怖(重力不安)を引き起こします。目を閉じることでさらに視覚の逃げ場がなくなり、恐怖が何倍にも膨れ上がってしまうのです。
今日からできる!お風呂の「怖い」を優しく取り除く3つのヒント
「泣いても洗うしかない!」と無理やりシャワーをかけることは、お風呂そのものをトラウマ空間にしてしまい、かえって苦戦する日々を長引かせてしまいます。今日からおうちで試せる、物理的な恐怖を取り除く優しい工夫をご紹介しますね。
1. シャワーを直接当てず、タオルで「面」にして流す
細い水流のチクチク感を防ぐための裏技です。お湯をたっぷり含ませたタオルや柔らかい大きめのスポンジを頭に乗せ、優しく押し当てるように「面」でお湯を流してみてください。「これなら痛くない!」と安心できる子がたくさんいます。
2. 上を向かせず「下を向いて」洗う
後ろに倒れるのが怖いお子さまには、無理に上を向かせる必要はありません。下を向いた状態で、乾いたタオルを顔に当てて(目をしっかり守って)後頭部から流す方が、地に足がついて安心できるケースが非常に多いです。
3. 【理学療法士の裏技】服を脱ぐ前に「ギュッギュッ」とマッサージ
お風呂に入る前、服を脱ぐタイミングでお子さまの肩や腕をお母さんの手のひらで少し強めに「ギュッ、ギュッ」とマッサージしてあげてください。関節や筋肉に強い圧(固有受容覚の刺激)が入ることで、自分の身体の輪郭がハッキリとし、水に触れるパニックを和らげやすくなります。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに感覚の過敏さが和らぎ、お風呂を楽しめるようになることは多いです。でも、「水への恐怖が強すぎて、お風呂場に入るだけで激しい嘔吐やパニックを起こす」「お風呂のストレスでお母さん自身が追い詰められ、毎晩のケアが限界に達している」という時は、どうかご家庭だけで抱え込まないでください。
私たち「エコルドはぐみのおうち」では、理学療法士の専門的な知見を活かし、日々の楽しい遊びの中で様々な感覚(触覚や前庭覚など)をバランスよく満たし、過敏さを少しずつ和らげていくサポートを行っています。
毎晩、泣き叫ぶ我が子を洗いながら体力を使い果たしているお母さん、本当にお疲れ様です。「この子は今、針の痛みや崖から落ちる恐怖と戦って頑張ってるんだな」と視点を変えるだけで、お母さんの心も少しだけフワッと軽くなるかもしれません。
少しでも不安や疲れを感じたら、町の身近な専門家として、いつでも私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 最後に、エコルドから大切なお知らせです。
ありがたいことに現在、春日井地域の多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。
今日お話しした「お風呂の恐怖」も、単なるワガママではなく、皮膚や脳の過敏さ、身体の使い方が隠れていました。だからこそエコルドでは、単に子どもを「預かる」のではなく、身体のメカニズムや専門的な視点に基づいた療育を何よりも大切にしています。
子どもたちとご家族の一番身近で温かいサポーターになるために、様々なバックグラウンドを持つ専門家の力が必要です。
* 保育士・幼稚園教諭の方
* 理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
* 公認心理師・臨床心理士、心理学を学ばれた方
「資格はあるけれど、療育の現場は初めてで…」という方もご安心ください。 エコルドでは、PT、保育士、心理職など、違う得意分野を持つスタッフがチームになり、「この子がお風呂を嫌がるのは、どの感覚へのアプローチがいいかな?」と毎日話し合いながら共に学び合う温かい文化があります。あなたのその知識と優しさを、地域の子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所がここにあります。
また、資格取得を目指して勉強中の学生の皆さんも大歓迎です。見学からでも、ぜひお気軽にお越しくださいね。
子どもたちの無限の可能性を信じ、地域と手を取り合いながら、人生を豊かにするお手伝いがしたい。そんな温かい想いを持ったあなたと、一緒にお仕事ができる日を楽しみにしています。
随時受け付けておりますので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい 児童指導員・理学療法士 内山 隆範