こんにちは。 療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
9月も中旬を過ぎ、新学期の疲れが少しずつ子どもたちの姿に現れてくる時期ですね。ふと気づくと、お子さまがこんな行動を繰り返していて、ヒヤッとしたことはありませんか?
「お気に入りの服の襟や袖をずっと噛んでいて、首元がいつもビショビショ」 「テレビを見ている時、無意識に爪を噛んでいて深爪になっている」 「おもちゃやタオルの端など、とにかく何でも口に入れてガジガジ噛んでしまう」
「汚いからやめなさい!」と注意しても、数分後にはまた口に手や服がいっている…。そんな姿を見て、「愛情不足でストレスが溜まっているのかな」「私のせい?」とご自身を責めてしまうお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、日々子どもたちの身体と心に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまが服や爪を噛むのは、決して「親の愛情不足」でも、「ただの行儀の悪いクセ」だからでもありません。
国が定める療育の5領域における「運動・感覚」と「認知・行動」の視点から紐解くと、そこには脳の「自己防衛メカニズム」という明確な理由が隠されています。
大人の目には見えない、お子さまの心で起きている「2つのコントロール」
大人の目には「ただ汚いクセ」に見えますが、お子さまの脳と身体の中では、必死の自己調整が行われています。
一つ目は、顎(あご)への強い刺激で「不安」をかき消している状態です。 私たちの顎の関節は、全身の中でも非常に強い力を発揮できる筋肉が集まっています。新しい環境で脳が疲れ切っているお子さまは、不安やストレスを感じた時、この強力な顎の関節に「ガジガジ」と強い圧(固有受容覚)をかけます。強い刺激を脳に送ることで、強制的に精神を落ち着かせようとする「自己安定装置」として使っているのです。
二つ目は、脳を「覚醒」させるためのスイッチです。 逆に、テレビを見ている時など、脳が「退屈・眠い」と感じた時に噛む子もいます。これは、感覚刺激を脳に送ることで集中力を保とうとしているサイン。大人でも、考え事をする時にペン回しをしたりしますよね。それと全く同じメカニズムなのです。
今日からできる!「噛む欲求」を優しく満たす3つのヒント
「口から出しなさい!」と無理やりやめさせることは、唯一の精神安定剤を奪うことになり、かえってパニックを引き起こしてしまいます。今日からご家庭でできる、安全なアプローチをご紹介しますね。
1. 「噛んでいいもの」にすり替える
噛む欲求そのものは禁止できません。服や爪の代わりに、「硬めのおせんべい」「グミ」「スルメ」など、顎にしっかり圧がかかるおやつを渡してあげてください。また、噛む専用のシリコン製ネックレスなども販売されており、安全な逃げ道を作ることが一番の近道です。
2. 遊びの中で「お口周り」を満足させる
食事の前に、ストローでブクブクと泡を吹く遊びをしたり、風船を膨らませたりしてみてください。お口周りの筋肉を意識的に使うことで、無意識の「噛みたい欲求」が自然と軽減されます。
3. 全身の「重労働」で顎以外の関節を満たす
顎に刺激を求める子は、全身の関節への刺激(固有受容覚)が不足していることが多いです。トランポリンで思い切りジャンプする、お母さんと壁の押し合いっこをするなど、ダイナミックに身体を動かして全身の感覚を満たしてあげましょう。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに言葉で感情を伝えられるようになれば、「噛む」行動は減っていきます。しかし、「指先から血が出るほど激しく噛み続けている」「お友達を噛んでしまう」「噛んでいないとパニックになる」といった場合は、ご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、無理にクセを直すのではなく、アスレチックなどの運動を通して全身の感覚を十分に満たし、お子さまが「噛まなくても安心できる身体と心」を根っこから育てるサポートを行っています。
「愛情が足りないのかな」と毎日ご自身を責めてしまっているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは愛情不足なわけではなく、小さな身体で一生懸命に自分自身を落ち着かせようと頑張っている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
・保育士・幼稚園教諭の方 ・理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方 ・公認心理師・臨床心理士の方
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい 児童指導員・理学療法士 内山 隆範
9月も中旬を過ぎ、新学期の疲れが少しずつ子どもたちの姿に現れてくる時期ですね。ふと気づくと、お子さまがこんな行動を繰り返していて、ヒヤッとしたことはありませんか?
「お気に入りの服の襟や袖をずっと噛んでいて、首元がいつもビショビショ」 「テレビを見ている時、無意識に爪を噛んでいて深爪になっている」 「おもちゃやタオルの端など、とにかく何でも口に入れてガジガジ噛んでしまう」
「汚いからやめなさい!」と注意しても、数分後にはまた口に手や服がいっている…。そんな姿を見て、「愛情不足でストレスが溜まっているのかな」「私のせい?」とご自身を責めてしまうお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、日々子どもたちの身体と心に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまが服や爪を噛むのは、決して「親の愛情不足」でも、「ただの行儀の悪いクセ」だからでもありません。
国が定める療育の5領域における「運動・感覚」と「認知・行動」の視点から紐解くと、そこには脳の「自己防衛メカニズム」という明確な理由が隠されています。
大人の目には見えない、お子さまの心で起きている「2つのコントロール」
大人の目には「ただ汚いクセ」に見えますが、お子さまの脳と身体の中では、必死の自己調整が行われています。
一つ目は、顎(あご)への強い刺激で「不安」をかき消している状態です。 私たちの顎の関節は、全身の中でも非常に強い力を発揮できる筋肉が集まっています。新しい環境で脳が疲れ切っているお子さまは、不安やストレスを感じた時、この強力な顎の関節に「ガジガジ」と強い圧(固有受容覚)をかけます。強い刺激を脳に送ることで、強制的に精神を落ち着かせようとする「自己安定装置」として使っているのです。
二つ目は、脳を「覚醒」させるためのスイッチです。 逆に、テレビを見ている時など、脳が「退屈・眠い」と感じた時に噛む子もいます。これは、感覚刺激を脳に送ることで集中力を保とうとしているサイン。大人でも、考え事をする時にペン回しをしたりしますよね。それと全く同じメカニズムなのです。
今日からできる!「噛む欲求」を優しく満たす3つのヒント
「口から出しなさい!」と無理やりやめさせることは、唯一の精神安定剤を奪うことになり、かえってパニックを引き起こしてしまいます。今日からご家庭でできる、安全なアプローチをご紹介しますね。
1. 「噛んでいいもの」にすり替える
噛む欲求そのものは禁止できません。服や爪の代わりに、「硬めのおせんべい」「グミ」「スルメ」など、顎にしっかり圧がかかるおやつを渡してあげてください。また、噛む専用のシリコン製ネックレスなども販売されており、安全な逃げ道を作ることが一番の近道です。
2. 遊びの中で「お口周り」を満足させる
食事の前に、ストローでブクブクと泡を吹く遊びをしたり、風船を膨らませたりしてみてください。お口周りの筋肉を意識的に使うことで、無意識の「噛みたい欲求」が自然と軽減されます。
3. 全身の「重労働」で顎以外の関節を満たす
顎に刺激を求める子は、全身の関節への刺激(固有受容覚)が不足していることが多いです。トランポリンで思い切りジャンプする、お母さんと壁の押し合いっこをするなど、ダイナミックに身体を動かして全身の感覚を満たしてあげましょう。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに言葉で感情を伝えられるようになれば、「噛む」行動は減っていきます。しかし、「指先から血が出るほど激しく噛み続けている」「お友達を噛んでしまう」「噛んでいないとパニックになる」といった場合は、ご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、無理にクセを直すのではなく、アスレチックなどの運動を通して全身の感覚を十分に満たし、お子さまが「噛まなくても安心できる身体と心」を根っこから育てるサポートを行っています。
「愛情が足りないのかな」と毎日ご自身を責めてしまっているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは愛情不足なわけではなく、小さな身体で一生懸命に自分自身を落ち着かせようと頑張っている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
・保育士・幼稚園教諭の方 ・理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方 ・公認心理師・臨床心理士の方
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい 児童指導員・理学療法士 内山 隆範