こんにちは。 療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
9月も半ばに入り、公園や児童館で遊ぶのが心地よい季節になりましたね。 しかし、お友達との関わりが増える中で、こんなお子さまの姿にハラハラし、周囲に頭を下げてばかりの毎日を送っていませんか?
「『貸して』が言えず、お友達のおもちゃを無言で奪い取ってしまう」 「すべり台やブランコの順番が全く待てず、無理やり割り込もうとする」
「ごめんなさいね」と相手の親子に謝りながら、「どうしてうちの子はこんなに意地悪なの?」「私のしつけが足りないせい?」と、公園のベンチで一人落ち込んでしまうお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と心に向き合う専門家として、まず一番にお伝えさせてください。
おもちゃを横取りしたり順番が待てなかったりするのは、決して「意地悪な性格」だからでも、「親のしつけが悪い」からでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「認知・行動」や「運動・感覚」のメカニズムによる、脳の明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの脳で起きている「2つの限界」
私たち大人からすると「少し待てばいいだけなのに」と思えることでも、お子さまの脳内では、こんな過酷なエラーとパニックが起きています。
脳の「ブレーキ機能」が未発達で、筋肉が先に動いてしまう
欲しいものを見た瞬間、子どもの脳内は「あっちに行きたい!」「触りたい!」というアクセルが全開になります。大人であれば、ここで前頭前野という脳の部位が「順番を待とう」とブレーキをかけますが、幼児期はこの機能がまだ未発達です。 そのため、「貸して」という言葉を思い出すより先に、感情がダイレクトに筋肉へ伝わり、反射的に腕を伸ばして奪い取ってしまうのです。
「時間」という見えない概念への強烈な恐怖(認知のつまずき)
「ちょっと待ってね」「あとでね」という大人の言葉は、脳の処理(認知機能)がゆっくりなお子さまにはうまく伝わりません。彼らにとって「待つ」ということは、「このおもちゃは、もう永遠に手に入らないんだ!」という巨大な絶望感に直結します。見えない時間を想像することができず、本能的な恐怖からパニックになっているのです。
今日からできる!「待つ力」を優しく身体から育てる3つのヒント
「順番でしょ!」「ダメ!」と遠くから言葉で叱ることは、アクセル全開の脳には届きません。今日からご家庭や公園で試せる、脳に「安心感」と「ブレーキ」を育てるアプローチをご紹介しますね。
1. 言葉で叱る前に、まずは「身体のブロック」でクールダウン
おもちゃに手が出そうになったら、遠くから叫ぶのではなく、サッと間に入ってお子さまの肩や腕を少し強めに「ギュッ」とホールドしてあげてください。関節や筋肉にしっかりとした圧(深圧覚)を入れることで、暴走しそうな脳が強制的にクールダウンされ、言葉を受け入れる準備が整います。
2. 「見えない時間」を視覚化して安心させる
「ちょっと待って」の代わりに、「10数えるまでね」と一緒に指を折って数えたり、砂時計やタイマーを使ったりしてみてください。「ここまで待てば確実にもらえる」という事実を「目(視覚)」から伝えてあげるだけで、お子さまの絶望感は安心へと変わります。
3. 【理学療法士の裏技】遊びの中で「身体のブレーキ」を鍛える
日常的に「だるまさんが転んだ」や、音楽が止まったらピタッと止まる「ストップ&ゴー」などの運動遊びを取り入れてみてください。実は、自分の身体の動きをピタッと止める(運動・感覚)練習を繰り返すことが、そのまま「衝動を我慢する(認知・行動)」という脳のブレーキ強化にダイレクトに繋がっていくのです。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに脳のブレーキ機能が育ち、少しずつ「待つこと」ができるようになっていきます。しかし、「順番を待たされると、お友達に本気で噛みついたり叩いたりして怪我をさせてしまう」「ルールの理解が難しく、集団生活で常に孤立してしまっている」といった場合は、ご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、表面的な「順番の練習」にとらわれず、運動遊びを通して脳のブレーキ機能(自己調整力)を身体の根っこから育てるサポートを行っています。
「今日もまたお友達とトラブルになるかも…」と、公園に行くことすら億劫になっているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決して意地悪なわけではなく、未熟な脳のブレーキと必死に戦いながら、お友達との関わり方を学ぼうとしている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
* 保育士・幼稚園教諭の方
* 理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
* 公認心理師・臨床心理士の方
* 心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい 児童指導員・理学療法士 内山 隆範
9月も半ばに入り、公園や児童館で遊ぶのが心地よい季節になりましたね。 しかし、お友達との関わりが増える中で、こんなお子さまの姿にハラハラし、周囲に頭を下げてばかりの毎日を送っていませんか?
「『貸して』が言えず、お友達のおもちゃを無言で奪い取ってしまう」 「すべり台やブランコの順番が全く待てず、無理やり割り込もうとする」
「ごめんなさいね」と相手の親子に謝りながら、「どうしてうちの子はこんなに意地悪なの?」「私のしつけが足りないせい?」と、公園のベンチで一人落ち込んでしまうお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と心に向き合う専門家として、まず一番にお伝えさせてください。
おもちゃを横取りしたり順番が待てなかったりするのは、決して「意地悪な性格」だからでも、「親のしつけが悪い」からでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「認知・行動」や「運動・感覚」のメカニズムによる、脳の明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの脳で起きている「2つの限界」
私たち大人からすると「少し待てばいいだけなのに」と思えることでも、お子さまの脳内では、こんな過酷なエラーとパニックが起きています。
脳の「ブレーキ機能」が未発達で、筋肉が先に動いてしまう
欲しいものを見た瞬間、子どもの脳内は「あっちに行きたい!」「触りたい!」というアクセルが全開になります。大人であれば、ここで前頭前野という脳の部位が「順番を待とう」とブレーキをかけますが、幼児期はこの機能がまだ未発達です。 そのため、「貸して」という言葉を思い出すより先に、感情がダイレクトに筋肉へ伝わり、反射的に腕を伸ばして奪い取ってしまうのです。
「時間」という見えない概念への強烈な恐怖(認知のつまずき)
「ちょっと待ってね」「あとでね」という大人の言葉は、脳の処理(認知機能)がゆっくりなお子さまにはうまく伝わりません。彼らにとって「待つ」ということは、「このおもちゃは、もう永遠に手に入らないんだ!」という巨大な絶望感に直結します。見えない時間を想像することができず、本能的な恐怖からパニックになっているのです。
今日からできる!「待つ力」を優しく身体から育てる3つのヒント
「順番でしょ!」「ダメ!」と遠くから言葉で叱ることは、アクセル全開の脳には届きません。今日からご家庭や公園で試せる、脳に「安心感」と「ブレーキ」を育てるアプローチをご紹介しますね。
1. 言葉で叱る前に、まずは「身体のブロック」でクールダウン
おもちゃに手が出そうになったら、遠くから叫ぶのではなく、サッと間に入ってお子さまの肩や腕を少し強めに「ギュッ」とホールドしてあげてください。関節や筋肉にしっかりとした圧(深圧覚)を入れることで、暴走しそうな脳が強制的にクールダウンされ、言葉を受け入れる準備が整います。
2. 「見えない時間」を視覚化して安心させる
「ちょっと待って」の代わりに、「10数えるまでね」と一緒に指を折って数えたり、砂時計やタイマーを使ったりしてみてください。「ここまで待てば確実にもらえる」という事実を「目(視覚)」から伝えてあげるだけで、お子さまの絶望感は安心へと変わります。
3. 【理学療法士の裏技】遊びの中で「身体のブレーキ」を鍛える
日常的に「だるまさんが転んだ」や、音楽が止まったらピタッと止まる「ストップ&ゴー」などの運動遊びを取り入れてみてください。実は、自分の身体の動きをピタッと止める(運動・感覚)練習を繰り返すことが、そのまま「衝動を我慢する(認知・行動)」という脳のブレーキ強化にダイレクトに繋がっていくのです。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに脳のブレーキ機能が育ち、少しずつ「待つこと」ができるようになっていきます。しかし、「順番を待たされると、お友達に本気で噛みついたり叩いたりして怪我をさせてしまう」「ルールの理解が難しく、集団生活で常に孤立してしまっている」といった場合は、ご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、表面的な「順番の練習」にとらわれず、運動遊びを通して脳のブレーキ機能(自己調整力)を身体の根っこから育てるサポートを行っています。
「今日もまたお友達とトラブルになるかも…」と、公園に行くことすら億劫になっているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決して意地悪なわけではなく、未熟な脳のブレーキと必死に戦いながら、お友達との関わり方を学ぼうとしている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。 エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
* 保育士・幼稚園教諭の方
* 理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
* 公認心理師・臨床心理士の方
* 心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい 児童指導員・理学療法士 内山 隆範