こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
9月22日。すっかり秋めいてきて、公園でのどんぐり拾いや、砂場遊びが楽しい季節になりましたね。幼稚園や保育園でも、秋の工作で絵の具やのりを使う機会が増えてくる頃です。
そんな中、お子さまのこんな「極端な綺麗好き」な姿に戸惑っていませんか?
「公園に行っても砂場には絶対に入らず、遠くから見ているだけ」
「手に少しでも泥やのり、ご飯粒がつくと、この世の終わりのように泣き叫んで『洗って!』とパニックになる」
「手づかみ食べを全くせず、手が汚れるのを極端に嫌がる」
「子どもは泥んこになって遊ぶものなのに…」「こんなに神経質で潔癖症だと、将来お友達と遊べなくて苦労するのでは?」と、遊びの幅が狭まってしまうことに焦りを感じているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、日々子どもたちの身体と心に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまが泥やのりを極端に嫌がるのは、決して「親が綺麗にしすぎた」からでも「神経質でワガママな性格」だからでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「運動・感覚」のメカニズム、特に脳の「触覚防衛反応(しょっかくぼうえいはんのう)」という、お子さま自身もコントロールできない明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの脳で起きている「命の危機」
私たち大人からすると「ただ砂やのりがちょっと手についただけじゃない」と思えますが、感覚が過敏なお子さまの脳内では、私たちが想像する以上に強烈な恐怖とエラーが起きています。
脳が「未知の感触=危険な敵」と誤作動を起こしている(触覚防衛反応)
私たちの皮膚には、触れたものを感じる「触覚」のセンサーがあります。このセンサーが極端に過敏なお子さまにとって、泥のドロドロ、のりのネバネバといった不規則な感触は、「汚い」というレベルではなく「得体の知れない危険なものが皮膚にくっついた!」という強烈な生存の危機(痛みや恐怖)として脳に伝わっています。決して大げさに嫌がっているのではなく、脳の警戒アラームがけたたましく鳴り響いてパニックになっている状態なのです。
「触覚の過敏さ」が「不器用さ」に繋がってしまう(運動・感覚の連動)
手のひらが過敏だと、ハサミやスプーンなどの道具を持つこと自体を無意識に避けるようになります。手が汚れるのを避けて手先の経験値(運動)が不足すると、結果として「お箸がうまく持てない」「工作が苦手」といった、巧緻性(手先の器用さ)の遅れに直結してしまうという悪循環が起きてしまうのです。
今日からできる!「手が汚れる恐怖」を優しく和らげる3つのヒント
「少しぐらい平気でしょ!」「慣れさせなきゃ!」と無理やり砂場に手をつかせたり、泥を塗ったりするのは絶対にやめてください。脳の警戒アラームがさらに強固になり、公園そのものがトラウマになってしまいます。
今日からご家庭でも試せる、安全な土台から感覚を育てていくアプローチをご紹介しますね。
1. 「道具」を挟んで安全を確保する
砂や泥に直接触れるのが怖いなら、まずは「スコップ」や「木の枝」を持たせてあげてください。手袋や軍手を着けるのもとても効果的です。「直接触れなくても、道具を使えば安全に遊べるんだ」という安心感を担保してあげることが、新しい遊びに参加するための大きな第一歩になります。
2. 遊ぶ前に「ギュッギュッ・マッサージ」でアラームをオフに
工作や砂場遊びの前に、お子さまの手のひらから腕にかけて、お母さんの手で「ギュ〜ッ」と少し強めに圧迫(マッサージ)してあげてください。関節や筋肉に強い圧(深圧覚)が入ると、過敏になっていた皮膚の警戒アラームが一時的にフワッと落ち着き、新しい感触をスッと受け入れやすくなります。
3. 「乾いたもの」から少しずつ触覚を育てる
いきなりドロドロの泥や絵の具に挑戦するのではなく、まずは乾いたマカロニ、ツルツルしたどんぐり、サラサラに乾いた砂など「予測しやすい乾いた感触」から遊びに取り入れてみてください。自分で触る量をコントロールできる安全な環境から、少しずつ脳のセンサーを慣らしていきましょう。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに触覚の過敏さが和らぎ、少しずつ遊びの幅が広がっていくことは多いです。しかし、「手のひらだけでなく足の裏も過敏で、芝生や砂浜を絶対に歩こうとしない」「手が汚れることを恐れるあまり、手づかみ食べやスプーンの練習を一切拒絶し、食事の発達が遅れている」「手に少しでも水滴や汚れがつくと、洗っても洗っても『まだ汚い!』とパニックになる」といった場合は、日常生活に大きな支障が出てしまうため、ご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の「運動・感覚」の土台からアプローチします。無理に苦手なものに触らせるのではなく、トランポリンやアスレチックなどで全身の関節に感覚をたっぷり満たし、脳をリラックスさせることで、自然と「ちょっと触ってみようかな」という意欲を根っこから育てるサポートを行っています。
「また手を洗うの…」と、何度も洗面所に付き合いながらため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してワガママなわけではなく、自分の過敏な皮膚のセンサーと一生懸命に戦いながら、世界に触れようと頑張っている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、直接のご連絡としてお気軽にご連絡ください!(直通08077715414)
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
9月22日。すっかり秋めいてきて、公園でのどんぐり拾いや、砂場遊びが楽しい季節になりましたね。幼稚園や保育園でも、秋の工作で絵の具やのりを使う機会が増えてくる頃です。
そんな中、お子さまのこんな「極端な綺麗好き」な姿に戸惑っていませんか?
「公園に行っても砂場には絶対に入らず、遠くから見ているだけ」
「手に少しでも泥やのり、ご飯粒がつくと、この世の終わりのように泣き叫んで『洗って!』とパニックになる」
「手づかみ食べを全くせず、手が汚れるのを極端に嫌がる」
「子どもは泥んこになって遊ぶものなのに…」「こんなに神経質で潔癖症だと、将来お友達と遊べなくて苦労するのでは?」と、遊びの幅が狭まってしまうことに焦りを感じているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、日々子どもたちの身体と心に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまが泥やのりを極端に嫌がるのは、決して「親が綺麗にしすぎた」からでも「神経質でワガママな性格」だからでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「運動・感覚」のメカニズム、特に脳の「触覚防衛反応(しょっかくぼうえいはんのう)」という、お子さま自身もコントロールできない明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの脳で起きている「命の危機」
私たち大人からすると「ただ砂やのりがちょっと手についただけじゃない」と思えますが、感覚が過敏なお子さまの脳内では、私たちが想像する以上に強烈な恐怖とエラーが起きています。
脳が「未知の感触=危険な敵」と誤作動を起こしている(触覚防衛反応)
私たちの皮膚には、触れたものを感じる「触覚」のセンサーがあります。このセンサーが極端に過敏なお子さまにとって、泥のドロドロ、のりのネバネバといった不規則な感触は、「汚い」というレベルではなく「得体の知れない危険なものが皮膚にくっついた!」という強烈な生存の危機(痛みや恐怖)として脳に伝わっています。決して大げさに嫌がっているのではなく、脳の警戒アラームがけたたましく鳴り響いてパニックになっている状態なのです。
「触覚の過敏さ」が「不器用さ」に繋がってしまう(運動・感覚の連動)
手のひらが過敏だと、ハサミやスプーンなどの道具を持つこと自体を無意識に避けるようになります。手が汚れるのを避けて手先の経験値(運動)が不足すると、結果として「お箸がうまく持てない」「工作が苦手」といった、巧緻性(手先の器用さ)の遅れに直結してしまうという悪循環が起きてしまうのです。
今日からできる!「手が汚れる恐怖」を優しく和らげる3つのヒント
「少しぐらい平気でしょ!」「慣れさせなきゃ!」と無理やり砂場に手をつかせたり、泥を塗ったりするのは絶対にやめてください。脳の警戒アラームがさらに強固になり、公園そのものがトラウマになってしまいます。
今日からご家庭でも試せる、安全な土台から感覚を育てていくアプローチをご紹介しますね。
1. 「道具」を挟んで安全を確保する
砂や泥に直接触れるのが怖いなら、まずは「スコップ」や「木の枝」を持たせてあげてください。手袋や軍手を着けるのもとても効果的です。「直接触れなくても、道具を使えば安全に遊べるんだ」という安心感を担保してあげることが、新しい遊びに参加するための大きな第一歩になります。
2. 遊ぶ前に「ギュッギュッ・マッサージ」でアラームをオフに
工作や砂場遊びの前に、お子さまの手のひらから腕にかけて、お母さんの手で「ギュ〜ッ」と少し強めに圧迫(マッサージ)してあげてください。関節や筋肉に強い圧(深圧覚)が入ると、過敏になっていた皮膚の警戒アラームが一時的にフワッと落ち着き、新しい感触をスッと受け入れやすくなります。
3. 「乾いたもの」から少しずつ触覚を育てる
いきなりドロドロの泥や絵の具に挑戦するのではなく、まずは乾いたマカロニ、ツルツルしたどんぐり、サラサラに乾いた砂など「予測しやすい乾いた感触」から遊びに取り入れてみてください。自分で触る量をコントロールできる安全な環境から、少しずつ脳のセンサーを慣らしていきましょう。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに触覚の過敏さが和らぎ、少しずつ遊びの幅が広がっていくことは多いです。しかし、「手のひらだけでなく足の裏も過敏で、芝生や砂浜を絶対に歩こうとしない」「手が汚れることを恐れるあまり、手づかみ食べやスプーンの練習を一切拒絶し、食事の発達が遅れている」「手に少しでも水滴や汚れがつくと、洗っても洗っても『まだ汚い!』とパニックになる」といった場合は、日常生活に大きな支障が出てしまうため、ご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の「運動・感覚」の土台からアプローチします。無理に苦手なものに触らせるのではなく、トランポリンやアスレチックなどで全身の関節に感覚をたっぷり満たし、脳をリラックスさせることで、自然と「ちょっと触ってみようかな」という意欲を根っこから育てるサポートを行っています。
「また手を洗うの…」と、何度も洗面所に付き合いながらため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してワガママなわけではなく、自分の過敏な皮膚のセンサーと一生懸命に戦いながら、世界に触れようと頑張っている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、直接のご連絡としてお気軽にご連絡ください!(直通08077715414)
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範