こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
今日から10月(10月1日)ですね。今年も残り3ヶ月となり、秋の深まりを感じる季節になりました。さて、おうちの中で過ごす時間。リビングに広がる惨状を見て、毎日こんな「終わりの見えないお片付けバトル」にヘトヘトになっていませんか?
「ブロック、ミニカー、おままごと…次から次へと新しいおもちゃを出して、足の踏み場もない!」
「『お片付けしなさい!』と怒っても、聞こえないフリ。おもちゃを右から左へ移動させるだけで全く箱に入れない」
「結局、私が怒りながら全部片付けて、子どもは大泣きして終わるのが毎日の日課になっている」
床に転がった小さなブロックを素足で踏んづけて、「痛いっ!」と声を上げながら、「どうしてうちの子はこんなにだらしないの!」「元の場所に戻すだけなのに!」と爆発してしまいそうなお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、日々子どもたちの身体と脳に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまがお片付けをしない(できない)のは、決して「だらしない性格」だからでも、「親を困らせようとふざけている」からでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「認知・行動」と「運動・感覚」のメカニズムによる、脳の強烈な『情報パンク(フリーズ状態)』という、お子さま自身もどうにもできない明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの脳で起きている「3つのパニック」
私たち大人からすると「ただ箱に入れるだけの簡単な作業」に思えますが、発達の途中にあるお子さまの脳内では、こんな過酷な処理を要求され、パンクしてしまっています。
視界の情報が多すぎて、脳が「処理落ち」している(感覚のパンク)
部屋中に散らばった色とりどりのおもちゃ。視覚からの情報処理が苦手なお子さまにとって、この光景は「処理しきれない情報の巨大な波」です。大人に例えるなら、「足の踏み場もないゴミ屋敷を、今から1人で綺麗に分類してください」と言われた時の絶望感に似ています。どこから手をつけていいか全く分からず、脳が完全に「処理落ち(フリーズ)」して動けなくなっているのです。
「分類して、計画する」という高度な機能が未熟(認知のつまずき)
お片付けとは、「これは車だから青い箱」「ブロックだから赤い箱」と瞬時に『分類』し、それを実行する『計画性』が必要です。これは脳の前頭前野を使う非常に高度な認知機能であり、幼児期のお子さまにはまだハードルが高すぎます。そのため、とりあえず目の前のおもちゃを別の場所に移動させるだけの「なんちゃって片付け」になってしまうのです。
見えなくなると「消えてしまう」不安(空間認知の壁)
お子さまにとって、おもちゃを箱にしまってフタをすることは「おもちゃがこの世から消えてしまう」のと同じような不安を感じることがあります。だからこそ、自分の安心のために全てを視界の範囲に「並べておきたい(出しておきたい)」という無意識の欲求が働いているケースも多いのです。
今日からできる!「お片付けフリーズ」を優しく解除する3つのヒント
「早く片付けなさい!全部捨てるよ!」と脅すことは、パニックになっている脳をさらに追い詰める逆効果になってしまいます。今日からご家庭でも試せる、脳の負担を減らして「できた!」をサポートするアプローチをご紹介しますね。
1. 視界の情報を物理的に減らしてあげる(視覚のサポート)
「全部片付けて」という広すぎる指示は脳がフリーズします。まずは大きめのバスタオルなどで、散らかっているおもちゃの半分をバサッと隠してしまってください。視界に入る情報が半分に減るだけで、脳の処理が劇的に追いつきやすくなります。そして「この赤い車だけ、ママにちょうだい」と、一つのことだけにフォーカスさせてあげましょう。
2. 「帰る場所」を写真で目に見えるようにする(認知のサポート)
おもちゃ箱には、「文字」ではなく「そのおもちゃの写真」や「イラスト」を貼ってあげてください。「ブロックの写真はどこかな?同じおうちに帰してあげようね」と、お片付けを『絵合わせパズル(マッチング)』という遊びに変換することで、分類のハードルがグッと下がります。
3. お片付けに「重労働」をプラスする
ただポイポイ箱に入れるのではなく、「ブルドーザー出動!」と言って、大きな段ボール箱をお子さまに両手で『ズリズリ…』と押してもらいながら、おもちゃを集めさせます。関節や筋肉に強い圧(固有受容覚への刺激)がかかることで、フワフワしていた脳がシャキッと覚醒し、嫌なお片付けが「楽しい全身運動」に早変わりします。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに脳の認知機能が育ち、少しずつ分類や片付けができるようになっていきます。しかし、「片付けを促されるとパニックになり、親や窓に向かって全力でおもちゃを投げつける」「遊ぶことよりも『おもちゃをミリ単位で一直線に並べること』に異常な執着を示し、少しでもズレると1時間以上泣き叫ぶ」「毎日の散らかりにお母さん自身が限界を迎え、おもちゃを衝動的に捨ててしまいそうになる」といった場合は、どうかご家庭だけで抱え込まずに専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の「認知・行動」を育てるために、その土台となる「運動・感覚」からアプローチします。アスレチックで身体を動かしながら「赤いボールを集める」といったミッションを行うことで、遊びながら自然と「分類する力」や「視覚の処理能力」を根っこから育てるサポートを行っています。
毎日、散らかった部屋の片隅でため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してだらしないわけではなく、情報で溢れかえった世界の中で、小さな脳を一生懸命フル回転させている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
今日から10月(10月1日)ですね。今年も残り3ヶ月となり、秋の深まりを感じる季節になりました。さて、おうちの中で過ごす時間。リビングに広がる惨状を見て、毎日こんな「終わりの見えないお片付けバトル」にヘトヘトになっていませんか?
「ブロック、ミニカー、おままごと…次から次へと新しいおもちゃを出して、足の踏み場もない!」
「『お片付けしなさい!』と怒っても、聞こえないフリ。おもちゃを右から左へ移動させるだけで全く箱に入れない」
「結局、私が怒りながら全部片付けて、子どもは大泣きして終わるのが毎日の日課になっている」
床に転がった小さなブロックを素足で踏んづけて、「痛いっ!」と声を上げながら、「どうしてうちの子はこんなにだらしないの!」「元の場所に戻すだけなのに!」と爆発してしまいそうなお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、日々子どもたちの身体と脳に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまがお片付けをしない(できない)のは、決して「だらしない性格」だからでも、「親を困らせようとふざけている」からでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「認知・行動」と「運動・感覚」のメカニズムによる、脳の強烈な『情報パンク(フリーズ状態)』という、お子さま自身もどうにもできない明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの脳で起きている「3つのパニック」
私たち大人からすると「ただ箱に入れるだけの簡単な作業」に思えますが、発達の途中にあるお子さまの脳内では、こんな過酷な処理を要求され、パンクしてしまっています。
視界の情報が多すぎて、脳が「処理落ち」している(感覚のパンク)
部屋中に散らばった色とりどりのおもちゃ。視覚からの情報処理が苦手なお子さまにとって、この光景は「処理しきれない情報の巨大な波」です。大人に例えるなら、「足の踏み場もないゴミ屋敷を、今から1人で綺麗に分類してください」と言われた時の絶望感に似ています。どこから手をつけていいか全く分からず、脳が完全に「処理落ち(フリーズ)」して動けなくなっているのです。
「分類して、計画する」という高度な機能が未熟(認知のつまずき)
お片付けとは、「これは車だから青い箱」「ブロックだから赤い箱」と瞬時に『分類』し、それを実行する『計画性』が必要です。これは脳の前頭前野を使う非常に高度な認知機能であり、幼児期のお子さまにはまだハードルが高すぎます。そのため、とりあえず目の前のおもちゃを別の場所に移動させるだけの「なんちゃって片付け」になってしまうのです。
見えなくなると「消えてしまう」不安(空間認知の壁)
お子さまにとって、おもちゃを箱にしまってフタをすることは「おもちゃがこの世から消えてしまう」のと同じような不安を感じることがあります。だからこそ、自分の安心のために全てを視界の範囲に「並べておきたい(出しておきたい)」という無意識の欲求が働いているケースも多いのです。
今日からできる!「お片付けフリーズ」を優しく解除する3つのヒント
「早く片付けなさい!全部捨てるよ!」と脅すことは、パニックになっている脳をさらに追い詰める逆効果になってしまいます。今日からご家庭でも試せる、脳の負担を減らして「できた!」をサポートするアプローチをご紹介しますね。
1. 視界の情報を物理的に減らしてあげる(視覚のサポート)
「全部片付けて」という広すぎる指示は脳がフリーズします。まずは大きめのバスタオルなどで、散らかっているおもちゃの半分をバサッと隠してしまってください。視界に入る情報が半分に減るだけで、脳の処理が劇的に追いつきやすくなります。そして「この赤い車だけ、ママにちょうだい」と、一つのことだけにフォーカスさせてあげましょう。
2. 「帰る場所」を写真で目に見えるようにする(認知のサポート)
おもちゃ箱には、「文字」ではなく「そのおもちゃの写真」や「イラスト」を貼ってあげてください。「ブロックの写真はどこかな?同じおうちに帰してあげようね」と、お片付けを『絵合わせパズル(マッチング)』という遊びに変換することで、分類のハードルがグッと下がります。
3. お片付けに「重労働」をプラスする
ただポイポイ箱に入れるのではなく、「ブルドーザー出動!」と言って、大きな段ボール箱をお子さまに両手で『ズリズリ…』と押してもらいながら、おもちゃを集めさせます。関節や筋肉に強い圧(固有受容覚への刺激)がかかることで、フワフワしていた脳がシャキッと覚醒し、嫌なお片付けが「楽しい全身運動」に早変わりします。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに脳の認知機能が育ち、少しずつ分類や片付けができるようになっていきます。しかし、「片付けを促されるとパニックになり、親や窓に向かって全力でおもちゃを投げつける」「遊ぶことよりも『おもちゃをミリ単位で一直線に並べること』に異常な執着を示し、少しでもズレると1時間以上泣き叫ぶ」「毎日の散らかりにお母さん自身が限界を迎え、おもちゃを衝動的に捨ててしまいそうになる」といった場合は、どうかご家庭だけで抱え込まずに専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の「認知・行動」を育てるために、その土台となる「運動・感覚」からアプローチします。アスレチックで身体を動かしながら「赤いボールを集める」といったミッションを行うことで、遊びながら自然と「分類する力」や「視覚の処理能力」を根っこから育てるサポートを行っています。
毎日、散らかった部屋の片隅でため息をついているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してだらしないわけではなく、情報で溢れかえった世界の中で、小さな脳を一生懸命フル回転させている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範