こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
10月に入り、すっかり秋めいてきましたね。公園や児童館で、お友達との関わりが活発になる楽しい季節です。しかしその反面、親御さんの心を最もえぐり、深く悩ませるのが「手を出してしまう(他害)」という問題ではないでしょうか。
「おもちゃを取られた瞬間、お友達の腕にガブッと噛みついてしまった」
「思い通りにならないと、お母さんの顔をバシバシと本気で叩いてくる」
「保育園から『今日、お友達を押して泣かせてしまって…』と報告されるたび、お迎えに行くのが怖くなる」
「ごめんなさい!」と相手の親子に何度も頭を下げ、「どうしてうちの子はこんなに乱暴なの?」「私の愛情不足?育て方が悪いのかな…」と、夜に一人で涙を流しているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と心に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまが手を出したり噛みついたりするのは、決して「親のしつけが悪い」からでも、「攻撃的で意地悪な性格」だからでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「認知・行動」の未熟さと、「運動・感覚」による脳の強烈な『自己防衛メカニズム』という、お子さま自身もどうにもできない理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、手や口から発信される「必死のSOS」
私たち大人からすると「怒りに任せて暴力を振るっている」ように見えますが、発達の途中にあるお子さまの脳と身体の中では、私たちが想像する以上に過酷なパニックが起きています。
脳の「ブレーキ」が効かず、身体が反射している(認知のつまずき)
「貸してって言おう」「叩いたらダメだ」とブレーキをかける脳の前頭前野は、幼児期はまだ未完成です。嫌なことがあった瞬間、感情の爆発に「言葉」が追いつかず、一番手っ取り早い「手を出す」「噛む」という身体の反射運動で、目の前の危機をどうにか切り抜けようとしてしまいます。
「叩く・噛む」の強い刺激で、脳を強制リセットしている(感覚の探求)
理学療法士として最も知っていただきたいのがここです。実は、手で強く何かを叩いたり、顎(あご)の力で強く噛みついたりする時、関節や筋肉には「ズシッ」と強烈な刺激(固有受容覚といいます)が入ります。
感情が許容量を超えてパニックになりそうな時、お子さまは相手を痛めつけたいのではなく、自分の手や顎に「強烈な刺激」を入れることで、ショートしそうな自分の脳を強制的に落ち着かせよう(自己調整)としているのです。他害は、感覚を使った不器用で必死な「SOSのサイン」でもあります。
今日からできる!「手が出る・噛みつく」を優しく防ぐ3つのヒント
「叩いちゃダメでしょ!痛いのが分からないの!」と大声で叱ることは、すでにパニックになっている脳をさらに興奮させ、火に油を注いでしまいます。今日からご家庭や公園で試せる、身体の根っこから「安全なクールダウン」をサポートするアプローチをご紹介しますね。
1. 言葉で叱る前に、まずは「身体のブロックとハグ」で守る
手や口が出そうになった瞬間、遠くから叫ぶのではなく、サッと間に入ってお子さまの腕や肩を「ギュ〜ッ」と少し強めにホールドしてあげてください。関節に強い圧(お母さんからの深圧覚)が入ることで、「叩く・噛む」の代わりに脳が求める刺激が満たされ、攻撃の衝動がスッと落ち着きやすくなります。
2. 「噛みたい・叩きたい」欲求の安全な逃げ道を用意する
顎に刺激を求める子には、普段から「硬めのおせんべい」や「噛むための専用シリコン(チューインググッズ)」を持たせておきます。叩きたい衝動がある子には、「怒った時はこのクッションをパンチしていいよ!」「段ボールを思い切りビリビリ破こう!」と、誰も傷つかずに感覚を満たせる代替案を日頃から用意してあげてください。
3. 落ち着いてから「身体の動き」を「言葉」に翻訳する
パニックが完全に落ち着き、呼吸が整ってから、「おもちゃ取られて悔しかったね」「嫌だったね」と、お子さまの感情を言葉にして代弁してあげてください。この繰り返しが、「手が出る(運動)」から「言葉で伝える(言語)」へと発達を促す一番の近道になります。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに言葉で伝えられるようになれば、他害は劇的に減っていきます。しかし、「相手が血を出したり、大きなアザができたりするまで本気で噛みついてしまう」「親御さんが『またお友達に怪我をさせるかも』という恐怖から外出を一切避けるようになっている」「怒っている時だけでなく、嬉しい時にも興奮して噛みついてしまう」といった場合は、集団生活で孤立してしまうため、どうかご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の「運動・感覚」の土台からアプローチします。無理に「我慢しなさい」と教え込むのではなく、トランポリンやアスレチックなどのダイナミックな全身運動を通して、脳が求める感覚をたっぷりと満たします。「自分の身体と心を上手くコントロールできた!」という自信を根っこから育てることで、少しずつお友達とも穏やかに遊べる心を育むサポートを行っています。
「また謝らなきゃ…」と、周囲の目を気にしながら気を張って子育てをしているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決して意地悪なわけではなく、自分の中に渦巻く巨大な感情と未熟な脳の狭間で、必死にもがいている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
10月に入り、すっかり秋めいてきましたね。公園や児童館で、お友達との関わりが活発になる楽しい季節です。しかしその反面、親御さんの心を最もえぐり、深く悩ませるのが「手を出してしまう(他害)」という問題ではないでしょうか。
「おもちゃを取られた瞬間、お友達の腕にガブッと噛みついてしまった」
「思い通りにならないと、お母さんの顔をバシバシと本気で叩いてくる」
「保育園から『今日、お友達を押して泣かせてしまって…』と報告されるたび、お迎えに行くのが怖くなる」
「ごめんなさい!」と相手の親子に何度も頭を下げ、「どうしてうちの子はこんなに乱暴なの?」「私の愛情不足?育て方が悪いのかな…」と、夜に一人で涙を流しているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と心に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまが手を出したり噛みついたりするのは、決して「親のしつけが悪い」からでも、「攻撃的で意地悪な性格」だからでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「認知・行動」の未熟さと、「運動・感覚」による脳の強烈な『自己防衛メカニズム』という、お子さま自身もどうにもできない理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、手や口から発信される「必死のSOS」
私たち大人からすると「怒りに任せて暴力を振るっている」ように見えますが、発達の途中にあるお子さまの脳と身体の中では、私たちが想像する以上に過酷なパニックが起きています。
脳の「ブレーキ」が効かず、身体が反射している(認知のつまずき)
「貸してって言おう」「叩いたらダメだ」とブレーキをかける脳の前頭前野は、幼児期はまだ未完成です。嫌なことがあった瞬間、感情の爆発に「言葉」が追いつかず、一番手っ取り早い「手を出す」「噛む」という身体の反射運動で、目の前の危機をどうにか切り抜けようとしてしまいます。
「叩く・噛む」の強い刺激で、脳を強制リセットしている(感覚の探求)
理学療法士として最も知っていただきたいのがここです。実は、手で強く何かを叩いたり、顎(あご)の力で強く噛みついたりする時、関節や筋肉には「ズシッ」と強烈な刺激(固有受容覚といいます)が入ります。
感情が許容量を超えてパニックになりそうな時、お子さまは相手を痛めつけたいのではなく、自分の手や顎に「強烈な刺激」を入れることで、ショートしそうな自分の脳を強制的に落ち着かせよう(自己調整)としているのです。他害は、感覚を使った不器用で必死な「SOSのサイン」でもあります。
今日からできる!「手が出る・噛みつく」を優しく防ぐ3つのヒント
「叩いちゃダメでしょ!痛いのが分からないの!」と大声で叱ることは、すでにパニックになっている脳をさらに興奮させ、火に油を注いでしまいます。今日からご家庭や公園で試せる、身体の根っこから「安全なクールダウン」をサポートするアプローチをご紹介しますね。
1. 言葉で叱る前に、まずは「身体のブロックとハグ」で守る
手や口が出そうになった瞬間、遠くから叫ぶのではなく、サッと間に入ってお子さまの腕や肩を「ギュ〜ッ」と少し強めにホールドしてあげてください。関節に強い圧(お母さんからの深圧覚)が入ることで、「叩く・噛む」の代わりに脳が求める刺激が満たされ、攻撃の衝動がスッと落ち着きやすくなります。
2. 「噛みたい・叩きたい」欲求の安全な逃げ道を用意する
顎に刺激を求める子には、普段から「硬めのおせんべい」や「噛むための専用シリコン(チューインググッズ)」を持たせておきます。叩きたい衝動がある子には、「怒った時はこのクッションをパンチしていいよ!」「段ボールを思い切りビリビリ破こう!」と、誰も傷つかずに感覚を満たせる代替案を日頃から用意してあげてください。
3. 落ち着いてから「身体の動き」を「言葉」に翻訳する
パニックが完全に落ち着き、呼吸が整ってから、「おもちゃ取られて悔しかったね」「嫌だったね」と、お子さまの感情を言葉にして代弁してあげてください。この繰り返しが、「手が出る(運動)」から「言葉で伝える(言語)」へと発達を促す一番の近道になります。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに言葉で伝えられるようになれば、他害は劇的に減っていきます。しかし、「相手が血を出したり、大きなアザができたりするまで本気で噛みついてしまう」「親御さんが『またお友達に怪我をさせるかも』という恐怖から外出を一切避けるようになっている」「怒っている時だけでなく、嬉しい時にも興奮して噛みついてしまう」といった場合は、集団生活で孤立してしまうため、どうかご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の「運動・感覚」の土台からアプローチします。無理に「我慢しなさい」と教え込むのではなく、トランポリンやアスレチックなどのダイナミックな全身運動を通して、脳が求める感覚をたっぷりと満たします。「自分の身体と心を上手くコントロールできた!」という自信を根っこから育てることで、少しずつお友達とも穏やかに遊べる心を育むサポートを行っています。
「また謝らなきゃ…」と、周囲の目を気にしながら気を張って子育てをしているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決して意地悪なわけではなく、自分の中に渦巻く巨大な感情と未熟な脳の狭間で、必死にもがいている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範