こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
10月に入り、日暮れがすっかり早くなりましたね。「秋の夜長」といえば聞こえはいいですが、毎晩暗い寝室で、こんな「終わりの見えない睡眠バトル」に、ご自身の体力も気力も限界を迎えていませんか?
「電気を消してもベッドの上でピョンピョン跳ね回り、寝かしつけに毎日2時間以上かかる」
「日中あんなに公園で走り回ったのに、全然疲れた様子がなく目がランランとしている」
「やっと寝たと思ったら、夜中に突然この世の終わりのように泣き叫び、暴れて手がつけられない」
「早く寝てくれないと私の家事が終わらないのに!」「どうしてうちの子はこんなにショートスリーパーなの?」と、時計の針を見つめながらイライラと孤独感を抱えているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と脳に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまが夜なかなか寝ない、夜中にパニックを起こすのは、決して「お昼寝が長すぎたから」でも「親の生活リズムのせい」だからでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域のすべての土台である「健康・生活」を揺るがす、「運動・感覚」のメカニズムによる『自律神経(脳のスイッチ)のバグ』という、お子さま自身もどうにもできない明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの脳で起きている「おやすみスイッチの故障」
私たち大人からすると「ただ体力が有り余ってふざけているだけ」に見えますが、感覚の処理が苦手なお子さまの脳と身体の中では、私たちが想像する以上に過酷なエラーが起きています。
脳の「アクセル」が踏みっぱなしで壊れている(自律神経の切り替え不良)
人間は夜になると、リラックスするための「ブレーキ(副交感神経)」が働いて自然と眠りにつきます。しかし、発達に凸凹があるお子さまは、このスイッチの切り替えが非常に苦手です。日中に受けた様々な刺激(視覚や聴覚)で脳が興奮しすぎると、夜になっても「アクセル(交感神経)」が踏みっぱなしの過覚醒状態になり、物理的に「眠りたくても眠れない(脳が休まらない)」という苦しい状態に陥っています。
「感覚の栄養」が足りていないと脳が眠れない(固有受容覚の探求)
「公園でたくさん走ったのに寝ない」のは、筋肉は疲れていても『脳が求める感覚』が満たされていないからです。関節や筋肉にズシッと強い圧がかかる運動(固有受容覚といいます)が足りないと、脳は「もっと感覚をちょうだい!」と要求し続け、ベッドの上でピョンピョン跳ねるなどの行動で、無意識のうちに感覚を補おうとしてしまいます。
パジャマや布団の「肌触り」が痛い(触覚過敏と夜中のパニック)
夜中に突然泣き叫ぶ(夜驚症のような症状)原因の一つに、皮膚の「感覚過敏」が隠れていることがあります。寝返りを打った時に布団がこすれる感覚や、パジャマのタグが肌に触れる感覚が、睡眠中の無防備な脳に「チクッとした痛み・危険な敵」として伝わり、強烈なパニックとなって泣き叫んでしまうのです。
今日からできる!「脳のおやすみスイッチ」を優しく押す3つのヒント
「早く寝なさい!目を閉じて!」と叱ることは、脳のアクセルをさらに強く踏み込ませる逆効果になってしまいます。今日からご家庭でも試せる、身体の根っこから「ブレーキ」をかけてあげるアプローチをご紹介しますね。
1. 寝る前の「お布団サンドイッチ」で脳を強制シャットダウン
理学療法士として一番おすすめしたいのが「深圧覚(しんあつかく)」の活用です。ベッドの上でお子さまを掛け布団でくるくる巻き(海苔巻きのように)にしたり、クッションの間にお子さまを挟んでお母さんが上から「ギュ〜ッ」と体重をかけて圧迫したりしてあげてください。全身の関節に強い圧がかかることで、興奮していた自律神経のスイッチが「副交感神経(リラックス)」へと一気に切り替わりやすくなります。
2. 日中の「重労働」で脳をたっぷりと満足させる
ただ公園で走るだけではなく、「重いスーパーの袋を持ってお手伝いする」「お母さんと壁の押し合いっこをする」「トランポリンでジャンプする」など、関節に強い圧が入る『重労働』を日中にたっぷり取り入れてみてください。脳の感覚タンクがしっかりと満たされると、夜は不思議とスッと眠りにつきやすくなります。
3. パジャマは「裏返し」で着てOK(触覚の保護)
もしお子さまがタグや縫い目を嫌がる素振りを見せたら、パジャマを裏返しのまま着せてあげてください。「見た目」よりも「お子さまの皮膚の安心感」を最優先にしてあげることで、夜中の突然のパニック(中途覚醒)を未然に防ぐことができます。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに自律神経が整い、少しずつ睡眠リズムが安定してくることは多いです。しかし、「毎日睡眠時間が3〜4時間しかなく、日中も常に興奮状態で多動になっている」「夜中のパニックが激しく、自分の頭を壁に打ち付けるなど自傷行為があり、声をかけても全く焦点が合わない」「親御さん自身が深刻な睡眠不足に陥り、日中の家事や仕事、運転などに大きな支障が出ている」といった場合は、心身の健康に関わるため、どうかご家庭だけで抱え込まず専門家や医療機関にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の土台である「運動・感覚」からアプローチします。日中の療育でアスレチックなどを使ったダイナミックな全身運動を行い、脳の感覚タンクをしっかりと満たすことで、ご家庭での「健康・生活(質の高い睡眠)」へと繋げるサポートを行っています。
毎晩、「今日こそは早く寝てくれるかな…」と祈るような気持ちで寝室へ向かっているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してあなたを困らせたいわけではなく、うまく切り替わらない自分の中のスイッチと、暗闇の中で一生懸命に戦っている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
10月に入り、日暮れがすっかり早くなりましたね。「秋の夜長」といえば聞こえはいいですが、毎晩暗い寝室で、こんな「終わりの見えない睡眠バトル」に、ご自身の体力も気力も限界を迎えていませんか?
「電気を消してもベッドの上でピョンピョン跳ね回り、寝かしつけに毎日2時間以上かかる」
「日中あんなに公園で走り回ったのに、全然疲れた様子がなく目がランランとしている」
「やっと寝たと思ったら、夜中に突然この世の終わりのように泣き叫び、暴れて手がつけられない」
「早く寝てくれないと私の家事が終わらないのに!」「どうしてうちの子はこんなにショートスリーパーなの?」と、時計の針を見つめながらイライラと孤独感を抱えているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、日々子どもたちの身体と脳に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまが夜なかなか寝ない、夜中にパニックを起こすのは、決して「お昼寝が長すぎたから」でも「親の生活リズムのせい」だからでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域のすべての土台である「健康・生活」を揺るがす、「運動・感覚」のメカニズムによる『自律神経(脳のスイッチ)のバグ』という、お子さま自身もどうにもできない明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、お子さまの脳で起きている「おやすみスイッチの故障」
私たち大人からすると「ただ体力が有り余ってふざけているだけ」に見えますが、感覚の処理が苦手なお子さまの脳と身体の中では、私たちが想像する以上に過酷なエラーが起きています。
脳の「アクセル」が踏みっぱなしで壊れている(自律神経の切り替え不良)
人間は夜になると、リラックスするための「ブレーキ(副交感神経)」が働いて自然と眠りにつきます。しかし、発達に凸凹があるお子さまは、このスイッチの切り替えが非常に苦手です。日中に受けた様々な刺激(視覚や聴覚)で脳が興奮しすぎると、夜になっても「アクセル(交感神経)」が踏みっぱなしの過覚醒状態になり、物理的に「眠りたくても眠れない(脳が休まらない)」という苦しい状態に陥っています。
「感覚の栄養」が足りていないと脳が眠れない(固有受容覚の探求)
「公園でたくさん走ったのに寝ない」のは、筋肉は疲れていても『脳が求める感覚』が満たされていないからです。関節や筋肉にズシッと強い圧がかかる運動(固有受容覚といいます)が足りないと、脳は「もっと感覚をちょうだい!」と要求し続け、ベッドの上でピョンピョン跳ねるなどの行動で、無意識のうちに感覚を補おうとしてしまいます。
パジャマや布団の「肌触り」が痛い(触覚過敏と夜中のパニック)
夜中に突然泣き叫ぶ(夜驚症のような症状)原因の一つに、皮膚の「感覚過敏」が隠れていることがあります。寝返りを打った時に布団がこすれる感覚や、パジャマのタグが肌に触れる感覚が、睡眠中の無防備な脳に「チクッとした痛み・危険な敵」として伝わり、強烈なパニックとなって泣き叫んでしまうのです。
今日からできる!「脳のおやすみスイッチ」を優しく押す3つのヒント
「早く寝なさい!目を閉じて!」と叱ることは、脳のアクセルをさらに強く踏み込ませる逆効果になってしまいます。今日からご家庭でも試せる、身体の根っこから「ブレーキ」をかけてあげるアプローチをご紹介しますね。
1. 寝る前の「お布団サンドイッチ」で脳を強制シャットダウン
理学療法士として一番おすすめしたいのが「深圧覚(しんあつかく)」の活用です。ベッドの上でお子さまを掛け布団でくるくる巻き(海苔巻きのように)にしたり、クッションの間にお子さまを挟んでお母さんが上から「ギュ〜ッ」と体重をかけて圧迫したりしてあげてください。全身の関節に強い圧がかかることで、興奮していた自律神経のスイッチが「副交感神経(リラックス)」へと一気に切り替わりやすくなります。
2. 日中の「重労働」で脳をたっぷりと満足させる
ただ公園で走るだけではなく、「重いスーパーの袋を持ってお手伝いする」「お母さんと壁の押し合いっこをする」「トランポリンでジャンプする」など、関節に強い圧が入る『重労働』を日中にたっぷり取り入れてみてください。脳の感覚タンクがしっかりと満たされると、夜は不思議とスッと眠りにつきやすくなります。
3. パジャマは「裏返し」で着てOK(触覚の保護)
もしお子さまがタグや縫い目を嫌がる素振りを見せたら、パジャマを裏返しのまま着せてあげてください。「見た目」よりも「お子さまの皮膚の安心感」を最優先にしてあげることで、夜中の突然のパニック(中途覚醒)を未然に防ぐことができます。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに自律神経が整い、少しずつ睡眠リズムが安定してくることは多いです。しかし、「毎日睡眠時間が3〜4時間しかなく、日中も常に興奮状態で多動になっている」「夜中のパニックが激しく、自分の頭を壁に打ち付けるなど自傷行為があり、声をかけても全く焦点が合わない」「親御さん自身が深刻な睡眠不足に陥り、日中の家事や仕事、運転などに大きな支障が出ている」といった場合は、心身の健康に関わるため、どうかご家庭だけで抱え込まず専門家や医療機関にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の土台である「運動・感覚」からアプローチします。日中の療育でアスレチックなどを使ったダイナミックな全身運動を行い、脳の感覚タンクをしっかりと満たすことで、ご家庭での「健康・生活(質の高い睡眠)」へと繋げるサポートを行っています。
毎晩、「今日こそは早く寝てくれるかな…」と祈るような気持ちで寝室へ向かっているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してあなたを困らせたいわけではなく、うまく切り替わらない自分の中のスイッチと、暗闇の中で一生懸命に戦っている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範