こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
10月も半ばを過ぎ、秋風が心地よい季節になりましたね。公園で同年代のお友達がペラペラと楽しそうにおしゃべりしている姿を見て、ふとご自身の胸がチクッと痛むことはありませんか?
「『これ食べる?』と聞いても、『コレタベル?』とそのままオウム返しされて会話にならない」
「テレビのセリフやCMの歌はスラスラ言えるのに、自分の気持ちは言葉にしてくれない」
「もう〇歳なのに言葉がなかなか増えず、指差しや、私の手を使って物を取らせようとする(クレーン現象)ばかり…」
「私の語りかけが足りなかったのかな」「テレビや動画を見せすぎたせい?」と、言葉の発達に関する本を読み漁り、焦りと不安でいっぱいになっているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、日々子どもたちの身体と脳に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまの言葉が遅かったり、オウム返し(反響言語)ばかりだったりするのは、決して「親の語りかけ不足」でも、「コミュニケーションを拒絶している」からでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「言語・コミュニケーション」の発達を支える、「運動・感覚」と「認知・行動」のメカニズムによる『脳と身体の準備期間』という、お子さま自身もどうにもできない明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、小さな身体で起きている「2つの情報処理」
私たち大人からすると「言葉を理解していない」「会話をシャットアウトしている」ように見えますが、発達の途中にあるお子さまの脳と身体の中では、私たちが想像する以上に必死の努力が行われています。
オウム返しは「あなたと繋がりたい」という必死のアピール(認知のつまずき)
実は、オウム返しは「言葉への意欲の表れ」です。相手の言葉を理解して、自分の頭の中で文章を組み立てて返す(言語表出)という作業は、脳にとって非常に高度なマルチタスクです。この処理が追いつかない時、お子さまは「とりあえず聞こえた音をそのまま返す」ことで、「あなたとコミュニケーションを取りたい!繋がっていたい!」と必死にアピールしています。テレビのセリフを言うのも、自分の中に保存された「安全なセーブデータ(決まり文句)」を使って、なんとかその場を共有しようとする不器用で健気な努力なのです。
「話す」ことは、究極の全身運動である(運動・感覚の未熟さ)
理学療法士として最も知っていただきたいのがここです。声を出して言葉を紡ぐには、肺から空気を力強く押し出す「体幹(お腹・背中)」の力と、舌や唇をミリ単位で動かす「お口周りの筋肉」の連動が不可欠です。
生まれつき姿勢が崩れやすい(低緊張の)お子さまは、土台となる体幹が弱いため、声を出すための「息のコントロール」が物理的にできません。「言葉の遅れ=口周りや全身の筋肉の未熟さ」が直結しているケースが非常に多いのです。
今日からできる!「言葉の根っこ」を身体から優しく育てる3つのヒント
「りんご、でしょ!言ってごらん!」と無理に言葉を引き出そうとすることは、強いプレッシャーとなり、発語そのものを嫌いにさせてしまう逆効果になります。今日からご家庭でも試せる、身体の根っこから「声を出したくなる土台」をサポートするアプローチをご紹介しますね。
1. オウム返しを「大正解!」と受け入れ、少しだけ広げる
「コレタベル?」と返ってきたら、「違うでしょ!」と訂正せず、「そう、これ食べるね!美味しいね!」と笑顔で受け止めてあげてください。自分の発した言葉が受け入れられる安心感が、「言葉って楽しい」というコミュニケーションの第一歩になります。
2. 「吹く遊び」でお口と体幹の筋肉を鍛える
言葉を促すには、口周りの筋肉と息のコントロール(腹筋)が必要です。「シャボン玉」や「吹き戻し(ピーヒャラ笛)」、ストローでティッシュの破片を吹き飛ばす遊びなど、「息を強く・長く吹く遊び」を毎日取り入れてみてください。お口の筋肉が育つと、自然と発音が明瞭になり、言葉が出やすくなります。
3. 言葉の前に「身体のやり取り」で繋がる
言葉のキャッチボールの前に、まずは「身体のキャッチボール」をします。お子さまを膝に乗せて「バスに乗って揺られてる〜」と激しく揺らしたり、こちょこちょ遊びで「もっとやって!」のサイン(アイコンタクトや笑顔)を引き出したりしてみてください。関節や筋肉に強い刺激(固有受容覚)が入ることで脳が覚醒し、「人とのやり取り=楽しい!」という言語の土台(共同注視)が育っていきます。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに身体の土台が安定し、脳の処理スピードが上がってくれば、少しずつオウム返しが「自分の言葉」へと変わっていくことは多いです。しかし、「名前を呼んでも全く振り返らず、親と視線が合うことがほとんどない」「以前は言えていた言葉(ママ、ワンワンなど)が急に消えてしまい、声すら出さなくなってしまった」「要求がある時、絶対に声を出さず、親の手を道具のように引っ張って解決しようとする状態が長く続いている」といった場合は、集団生活でのコミュニケーションに大きな壁ができてしまうため、どうかご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の「言語・コミュニケーション」を引き出すために、その土台である「運動・感覚」からアプローチします。トランポリンやブランコなどの粗大運動でたっぷりと脳を覚醒させ、体幹を鍛えることで、机の上のフラッシュカードでは引き出せない「自然な発語とコミュニケーションへの意欲」を根っこから育てるサポートを行っています。
「今日もまたおしゃべりできなかったな…」と、寝顔を見つめながら一人で反省会をしているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してコミュニケーションを拒絶しているわけではなく、自分の弱い筋肉や未熟な処理機能と一生懸命に戦いながら、お母さんと繋がるための準備体操をしている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員・理学療法士をしています、内山隆範です。
10月も半ばを過ぎ、秋風が心地よい季節になりましたね。公園で同年代のお友達がペラペラと楽しそうにおしゃべりしている姿を見て、ふとご自身の胸がチクッと痛むことはありませんか?
「『これ食べる?』と聞いても、『コレタベル?』とそのままオウム返しされて会話にならない」
「テレビのセリフやCMの歌はスラスラ言えるのに、自分の気持ちは言葉にしてくれない」
「もう〇歳なのに言葉がなかなか増えず、指差しや、私の手を使って物を取らせようとする(クレーン現象)ばかり…」
「私の語りかけが足りなかったのかな」「テレビや動画を見せすぎたせい?」と、言葉の発達に関する本を読み漁り、焦りと不安でいっぱいになっているお母さん。そのお気持ち、痛いほどよく分かります。
しかし、日々子どもたちの身体と脳に向き合う理学療法士として、まず一番にお伝えさせてください。
お子さまの言葉が遅かったり、オウム返し(反響言語)ばかりだったりするのは、決して「親の語りかけ不足」でも、「コミュニケーションを拒絶している」からでもありません。
ここには、国が定める療育の5領域における「言語・コミュニケーション」の発達を支える、「運動・感覚」と「認知・行動」のメカニズムによる『脳と身体の準備期間』という、お子さま自身もどうにもできない明確な理由が隠されているのです。
大人の目には見えない、小さな身体で起きている「2つの情報処理」
私たち大人からすると「言葉を理解していない」「会話をシャットアウトしている」ように見えますが、発達の途中にあるお子さまの脳と身体の中では、私たちが想像する以上に必死の努力が行われています。
オウム返しは「あなたと繋がりたい」という必死のアピール(認知のつまずき)
実は、オウム返しは「言葉への意欲の表れ」です。相手の言葉を理解して、自分の頭の中で文章を組み立てて返す(言語表出)という作業は、脳にとって非常に高度なマルチタスクです。この処理が追いつかない時、お子さまは「とりあえず聞こえた音をそのまま返す」ことで、「あなたとコミュニケーションを取りたい!繋がっていたい!」と必死にアピールしています。テレビのセリフを言うのも、自分の中に保存された「安全なセーブデータ(決まり文句)」を使って、なんとかその場を共有しようとする不器用で健気な努力なのです。
「話す」ことは、究極の全身運動である(運動・感覚の未熟さ)
理学療法士として最も知っていただきたいのがここです。声を出して言葉を紡ぐには、肺から空気を力強く押し出す「体幹(お腹・背中)」の力と、舌や唇をミリ単位で動かす「お口周りの筋肉」の連動が不可欠です。
生まれつき姿勢が崩れやすい(低緊張の)お子さまは、土台となる体幹が弱いため、声を出すための「息のコントロール」が物理的にできません。「言葉の遅れ=口周りや全身の筋肉の未熟さ」が直結しているケースが非常に多いのです。
今日からできる!「言葉の根っこ」を身体から優しく育てる3つのヒント
「りんご、でしょ!言ってごらん!」と無理に言葉を引き出そうとすることは、強いプレッシャーとなり、発語そのものを嫌いにさせてしまう逆効果になります。今日からご家庭でも試せる、身体の根っこから「声を出したくなる土台」をサポートするアプローチをご紹介しますね。
1. オウム返しを「大正解!」と受け入れ、少しだけ広げる
「コレタベル?」と返ってきたら、「違うでしょ!」と訂正せず、「そう、これ食べるね!美味しいね!」と笑顔で受け止めてあげてください。自分の発した言葉が受け入れられる安心感が、「言葉って楽しい」というコミュニケーションの第一歩になります。
2. 「吹く遊び」でお口と体幹の筋肉を鍛える
言葉を促すには、口周りの筋肉と息のコントロール(腹筋)が必要です。「シャボン玉」や「吹き戻し(ピーヒャラ笛)」、ストローでティッシュの破片を吹き飛ばす遊びなど、「息を強く・長く吹く遊び」を毎日取り入れてみてください。お口の筋肉が育つと、自然と発音が明瞭になり、言葉が出やすくなります。
3. 言葉の前に「身体のやり取り」で繋がる
言葉のキャッチボールの前に、まずは「身体のキャッチボール」をします。お子さまを膝に乗せて「バスに乗って揺られてる〜」と激しく揺らしたり、こちょこちょ遊びで「もっとやって!」のサイン(アイコンタクトや笑顔)を引き出したりしてみてください。関節や筋肉に強い刺激(固有受容覚)が入ることで脳が覚醒し、「人とのやり取り=楽しい!」という言語の土台(共同注視)が育っていきます。
ご家庭だけで抱え込まず、私たちを頼ってください
成長とともに身体の土台が安定し、脳の処理スピードが上がってくれば、少しずつオウム返しが「自分の言葉」へと変わっていくことは多いです。しかし、「名前を呼んでも全く振り返らず、親と視線が合うことがほとんどない」「以前は言えていた言葉(ママ、ワンワンなど)が急に消えてしまい、声すら出さなくなってしまった」「要求がある時、絶対に声を出さず、親の手を道具のように引っ張って解決しようとする状態が長く続いている」といった場合は、集団生活でのコミュニケーションに大きな壁ができてしまうため、どうかご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士の知見を活かし、5領域の「言語・コミュニケーション」を引き出すために、その土台である「運動・感覚」からアプローチします。トランポリンやブランコなどの粗大運動でたっぷりと脳を覚醒させ、体幹を鍛えることで、机の上のフラッシュカードでは引き出せない「自然な発語とコミュニケーションへの意欲」を根っこから育てるサポートを行っています。
「今日もまたおしゃべりできなかったな…」と、寝顔を見つめながら一人で反省会をしているお母さん、本当にお疲れ様です。お子さまは決してコミュニケーションを拒絶しているわけではなく、自分の弱い筋肉や未熟な処理機能と一生懸命に戦いながら、お母さんと繋がるための準備体操をしている真っ最中なのです。いつでも町の身近な専門家として、私たちにご相談くださいね。
【求人のお知らせ】地域の子どもたちを一緒に支える仲間を募集しています!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
エコルドでは現在、地域の子どもたち一人ひとりとより深く向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集しています。
私たちは単に子どもを「預かる」のではなく、今日お話ししたような「5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。だからこそ、様々な専門性を持つ方の力が必要です。
保育士・幼稚園教諭の方
理学療法士(PT)・作業療法士(OT)の方
公認心理師・臨床心理士の方
心理学を学ばれた方(大学・大学院)
「資格はあるけれど経験が浅くて不安…」という方もご安心ください。エコルドでは、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の支援について温かく話し合い、共に学び合う文化があります。
地域と手を取り合いながら、子どもたちの「できた!」の笑顔を増やすお手伝いがしたい。そんな想いを持ったあなたと働ける日を楽しみにしています。
学生さんのアルバイトやインターンシップからのスタート、見学だけでも大歓迎ですので、ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範