立冬を過ぎ、朝晩の冷え込みがぐっと増してきました。
日曜日の夕方。明日からまた学校——。
リビングのテーブルに広げた宿題のプリントを前に、鉛筆が止まったままのお子さん。
「早くやりなさい」と声をかけても、気がつけば消しゴムで遊んでいたり、窓の外を眺めていたり。
そんな姿を見て、こんなふうに思ったことはありませんか。
・始めても5分ともたず、すぐ席を立ってしまう
・「宿題しなさい」と言うたびに、親子げんかになってしまう
・集中できないのは、やる気がないから? わがままなの?
・このままでは勉強についていけなくなるのでは、と不安になる
まずお伝えしたいのは、これは「やる気がないから」でも「親の声かけが悪いから」でもありません。
集中力は、その子の年齢やその日の体調、そして体の土台によって、自然と「続く時間」が決まってきます。
目安として、幼児期は「年齢+1分」程度、小学生は「学年×10分」程度が、集中の続く時間だと言われています。
つまり、低学年のお子さんが15分ほどで手が止まるのは、ごく自然なことなのです。
では、どうして手が止まってしまうのでしょうか。体のしくみから見てみましょう。
【1】集中の「エンジン」には、目安の時間がある
注意をコントロールする脳の働きは、まだ発達の途中。だから大人と同じように1時間も集中し続けるのは、まだ難しいのです。疲れや睡眠不足、寒さで体がこわばっている日は、さらに短くなります。
(認知・行動の領域)
【2】体の土台がぐらぐらすると、頭も落ち着かない
座る姿勢を保つには、体幹の力が必要です。姿勢が安定しないと、座っているだけで体力を使ってしまい、プリントに気が向きません。体を動かして感覚を整理すると、座る姿勢が安定し、集中しやすくなります。
(運動・感覚の領域)
【3】「何から始めるか」が分からないと、脳が動けない
宿題全体を前にすると、どこから手をつければいいか分からず、頭の中がいっぱいになってしまいます。情報を一時的に覚えて処理する力(ワーキングメモリ)があふれてしまうのです。だから「まず1問だけ」と小さく分けると、動き出せるようになります。
(認知・行動の領域)
おうちでできる3つの工夫
【1】「10分だけ」タイマーで、始めるハードルを下げる
「宿題を全部やりなさい」ではなく、「タイマーが鳴るまで10分だけ」と声をかけてみてください。タイマーが鳴ったら短い休憩を。10分集中できたら「10分がんばれたね」と、できた時間を言葉にしてあげましょう。
【2】始める前に体を動かして、机の上は「今やるものだけ」に
ジャンプ10回、バランスポーズ、肩回しなど、短い運動で体をほぐしてから座ると、姿勢が安定しやすくなります。机の上には今やるプリントと鉛筆だけ。視界に入るおもちゃやスマートフォンは、始める前に片づけておきましょう。
【3】「どれからやる?」と選ばせて、「できた」を言葉にする
漢字と算数、どちらから始めるかをお子さん自身に選ばせてみてください。自分で選んだことは、取りかかりやすくなります。終わったら「自分から始められたね」「最後までやりきったね」と、結果だけでなく過程を言葉にして伝えましょう。
宿題の時間は、親子の「がんばり比べ」ではありません。集中の長さはその子その子で違いますし、日によっても変わります。
「毎日宿題の時間に親子で疲れてしまう」「集中の短さが学校生活にも大きく影響している」と感じたら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにご相談ください。お子さんの体の土台から、一緒に「できた!」を増やしていきましょう。
療育センターエコルド はぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山隆範
日曜日の夕方。明日からまた学校——。
リビングのテーブルに広げた宿題のプリントを前に、鉛筆が止まったままのお子さん。
「早くやりなさい」と声をかけても、気がつけば消しゴムで遊んでいたり、窓の外を眺めていたり。
そんな姿を見て、こんなふうに思ったことはありませんか。
・始めても5分ともたず、すぐ席を立ってしまう
・「宿題しなさい」と言うたびに、親子げんかになってしまう
・集中できないのは、やる気がないから? わがままなの?
・このままでは勉強についていけなくなるのでは、と不安になる
まずお伝えしたいのは、これは「やる気がないから」でも「親の声かけが悪いから」でもありません。
集中力は、その子の年齢やその日の体調、そして体の土台によって、自然と「続く時間」が決まってきます。
目安として、幼児期は「年齢+1分」程度、小学生は「学年×10分」程度が、集中の続く時間だと言われています。
つまり、低学年のお子さんが15分ほどで手が止まるのは、ごく自然なことなのです。
では、どうして手が止まってしまうのでしょうか。体のしくみから見てみましょう。
【1】集中の「エンジン」には、目安の時間がある
注意をコントロールする脳の働きは、まだ発達の途中。だから大人と同じように1時間も集中し続けるのは、まだ難しいのです。疲れや睡眠不足、寒さで体がこわばっている日は、さらに短くなります。
(認知・行動の領域)
【2】体の土台がぐらぐらすると、頭も落ち着かない
座る姿勢を保つには、体幹の力が必要です。姿勢が安定しないと、座っているだけで体力を使ってしまい、プリントに気が向きません。体を動かして感覚を整理すると、座る姿勢が安定し、集中しやすくなります。
(運動・感覚の領域)
【3】「何から始めるか」が分からないと、脳が動けない
宿題全体を前にすると、どこから手をつければいいか分からず、頭の中がいっぱいになってしまいます。情報を一時的に覚えて処理する力(ワーキングメモリ)があふれてしまうのです。だから「まず1問だけ」と小さく分けると、動き出せるようになります。
(認知・行動の領域)
おうちでできる3つの工夫
【1】「10分だけ」タイマーで、始めるハードルを下げる
「宿題を全部やりなさい」ではなく、「タイマーが鳴るまで10分だけ」と声をかけてみてください。タイマーが鳴ったら短い休憩を。10分集中できたら「10分がんばれたね」と、できた時間を言葉にしてあげましょう。
【2】始める前に体を動かして、机の上は「今やるものだけ」に
ジャンプ10回、バランスポーズ、肩回しなど、短い運動で体をほぐしてから座ると、姿勢が安定しやすくなります。机の上には今やるプリントと鉛筆だけ。視界に入るおもちゃやスマートフォンは、始める前に片づけておきましょう。
【3】「どれからやる?」と選ばせて、「できた」を言葉にする
漢字と算数、どちらから始めるかをお子さん自身に選ばせてみてください。自分で選んだことは、取りかかりやすくなります。終わったら「自分から始められたね」「最後までやりきったね」と、結果だけでなく過程を言葉にして伝えましょう。
宿題の時間は、親子の「がんばり比べ」ではありません。集中の長さはその子その子で違いますし、日によっても変わります。
「毎日宿題の時間に親子で疲れてしまう」「集中の短さが学校生活にも大きく影響している」と感じたら、一人で抱え込まず、ぜひ私たちにご相談ください。お子さんの体の土台から、一緒に「できた!」を増やしていきましょう。
療育センターエコルド はぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山隆範