〜対称性緊張性頸反射(STNR:Symmetrical Tonic Neck Reflex)〜
対称性緊張性頸反射は、首の動きに連動して手足が動く原始反射の一つです。
通常は生後6〜8ヶ月頃に出現し、9〜11ヶ月頃には他の動きの中に「統合」されて目立たなくなります。
この反射が統合されず、幼児期以降も残存している場合、日常生活や学習において以下のような影響が出ることがあります。
1. 姿勢の保持が難しい
STNRは「首を曲げると腕が曲がり、足が伸びる」「首をそらすと腕が伸び、足が曲がる」という反応です。そのため、首の角度が変わるたびに手足に勝手に力が入ってしまい、じっと座っているのが苦痛になります。
机に向かって下(教科書など)を見ると、反射的に肘が曲がり、足が突っ張るため、椅子からお尻が滑り落ちたり、極端な猫背になったりします。
2. 目と手の協調運動(ビジョントレーニング的視点)
STNRが残っていると、遠く(黒板)と近く(手元のノート)を交互に見る際、首の動きに伴って腕の筋緊張が変化します。
• 書字の困難:
ノートを見ようと首を下げると腕に力が入りすぎるため、筆圧が強くなりすぎたり、逆に弱くなったりして、字を書くことに人一倍のエネルギーを消耗します。
• 視線の移動:
黒板の字をノートに写す際、首の上下運動に引きずられて目の焦点が合いにくく、どこを読んでいたか分からなくなることがあります。
3. 運動面への影響
上下半身を別々に動かすことが苦手になるため、以下のような動きにぎこちなさが出ることがあります。
• 球技:
飛んでくるボールを目で追って首を動かすと、手足のバランスが崩れるため、キャッチやキックが難しく感じられます。
• 水泳:
息継ぎで首を上げると足が沈んでしまうなど、上下の連動が必要なスポーツで苦労することがあります。
4. 集中力への影響
本人は真面目に取り組もうとしていても、「首を動かすたびに体が勝手に動こうとする」のを脳が常に抑制し続けなければならないため、非常に疲れやすくなります。これが「落ち着きがない」「集中力がない」と誤解される原因になることも少なくありません。
〜統合を促す遊び・アプローチ〜
無理に姿勢を正そうとするのではなく、体幹を鍛えたり、四つ這いでの動きを取り入れたりすることが有効です。
• 雑巾がけ・トンネルくぐり: 四つ這いで首を自由に動かしながら移動する遊び。
• キャット&カウ(ヨガのポーズ): 四つ這いで背中を丸めたり反らしたりする動き。
• 手押し車:
腕で支持しながら、下半身と切り離した動きを経験させる。
体の土台となる「抗重力伸展活動」や体幹の安定性を高めていくことで、反射の影響を減らし、スムーズな動作につなげていくことができますよ。
療育センターエコルド はぐみのおうち
理学療法士 内山明奈
対称性緊張性頸反射は、首の動きに連動して手足が動く原始反射の一つです。
通常は生後6〜8ヶ月頃に出現し、9〜11ヶ月頃には他の動きの中に「統合」されて目立たなくなります。
この反射が統合されず、幼児期以降も残存している場合、日常生活や学習において以下のような影響が出ることがあります。
1. 姿勢の保持が難しい
STNRは「首を曲げると腕が曲がり、足が伸びる」「首をそらすと腕が伸び、足が曲がる」という反応です。そのため、首の角度が変わるたびに手足に勝手に力が入ってしまい、じっと座っているのが苦痛になります。
机に向かって下(教科書など)を見ると、反射的に肘が曲がり、足が突っ張るため、椅子からお尻が滑り落ちたり、極端な猫背になったりします。
2. 目と手の協調運動(ビジョントレーニング的視点)
STNRが残っていると、遠く(黒板)と近く(手元のノート)を交互に見る際、首の動きに伴って腕の筋緊張が変化します。
• 書字の困難:
ノートを見ようと首を下げると腕に力が入りすぎるため、筆圧が強くなりすぎたり、逆に弱くなったりして、字を書くことに人一倍のエネルギーを消耗します。
• 視線の移動:
黒板の字をノートに写す際、首の上下運動に引きずられて目の焦点が合いにくく、どこを読んでいたか分からなくなることがあります。
3. 運動面への影響
上下半身を別々に動かすことが苦手になるため、以下のような動きにぎこちなさが出ることがあります。
• 球技:
飛んでくるボールを目で追って首を動かすと、手足のバランスが崩れるため、キャッチやキックが難しく感じられます。
• 水泳:
息継ぎで首を上げると足が沈んでしまうなど、上下の連動が必要なスポーツで苦労することがあります。
4. 集中力への影響
本人は真面目に取り組もうとしていても、「首を動かすたびに体が勝手に動こうとする」のを脳が常に抑制し続けなければならないため、非常に疲れやすくなります。これが「落ち着きがない」「集中力がない」と誤解される原因になることも少なくありません。
〜統合を促す遊び・アプローチ〜
無理に姿勢を正そうとするのではなく、体幹を鍛えたり、四つ這いでの動きを取り入れたりすることが有効です。
• 雑巾がけ・トンネルくぐり: 四つ這いで首を自由に動かしながら移動する遊び。
• キャット&カウ(ヨガのポーズ): 四つ這いで背中を丸めたり反らしたりする動き。
• 手押し車:
腕で支持しながら、下半身と切り離した動きを経験させる。
体の土台となる「抗重力伸展活動」や体幹の安定性を高めていくことで、反射の影響を減らし、スムーズな動作につなげていくことができますよ。
療育センターエコルド はぐみのおうち
理学療法士 内山明奈