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緊張性迷路反射(TLR)(原始反射シリーズ)

〜緊張性迷路反射(TLR: Tonic Labyrinthine Reflex)〜


緊張性迷路反射は、頭の位置の変化(前傾・後傾)に伴って全身の筋肉の緊張が変化する原始反射の一つです。

通常、生後半年から3歳ごろまでには脳の成長とともに「統合」され、意識的な動作に組み込まれていきますが、この統合がスムーズに進まない場合、幼児期の運動や学習面で以下のような影響が出ることがあります。

1. 姿勢の保持が難しくなる
TLRが残っていると、頭の動きに引きずられて体全体の筋肉が勝手に力んだり緩んだりしてしまいます。

• 座り姿勢:
椅子に座って下(ノートや本)を向くと、背中が丸まりすぎてしまい、正しい姿勢を保つのが苦痛になります。

• 体幹の弱さ:
常に反射と戦いながら姿勢を維持しているため、疲れやすく、すぐに「ぐにゃっ」とした姿勢になったり、頬杖をついたりすることが増えます。


2. 運動発達・バランス感覚への影響
重力を感知する機能と深く関わっているため、全身を連動させる動きにぎこちなさが出やすくなります。 

• バランス:
平均台を渡る、片足立ちをするなどの平衡感覚が必要な動作が苦手になります。

• 高低差への恐怖:
空間内での自分の位置を把握しにくいため、高い所に登るのを極端に怖がったり、逆に危険を察知できず転びやすかったりします。

• 手足の不器用さ:
泳ぐ動作(クロールや平泳ぎ)のように、手足をバラバラに、かつリズムよく動かす運動に時間がかかることがあります。


3. 視覚機能と学習への影響
TLRは目の動きとも密接に関係しています。

• 追視(眼球運動):
頭を動かさずに目だけで物を追うことが難しくなります。これにより、読んでいる行を飛ばしてしまったり、黒板の文字をノートに書き写す作業が非常に疲れやすくなります。

• 距離感の把握:
球技などで、飛んでくるボールとの距離を正確に測るのが難しくなることがあります。 


日常生活で見られるサインの例
• つま先立ちで歩く癖がある
• 階段の上り下りで極端に手すりに頼る
• じっと座っていられず、常に体を動かしている
• 首の後ろが常に硬く緊張している


〜統合を促すためのアプローチ〜
無理に姿勢を正そうとするのではなく、遊びの中で自然に「頭の位置が変わっても姿勢を保つ経験」を積むことが有効です。 

• 四つ這い遊び:
トンネルくぐりや雑巾がけなど。

• バランスボール:
揺れる中で手遊びをするなど。

• ゆりかご遊び:
体を丸めてゴロゴロ転がる動き。

これらの遊びを通じて、反射による「勝手な動き」を脳がコントロールできるように学習していくことが大切です。


療育センターエコルド はぐみのおうち
理学療法士 内山明奈
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