こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
6月に入り、新しいクラスや環境にも少しずつ慣れてきた反面、お友達との関わりが増えることで、新たな悩みが浮き彫りになる時期でもあります。
今日はお母さん、お父さんにとって、もしかすると一番胸が痛くなるかもしれないお悩みについてお話しさせてください。
「公園でお友達のおもちゃを取ろうとして、突き飛ばしてしまった」
「自分の思い通りにならないと、すぐに手や足が出てしまう」
「毎日保育園に迎えに行くたびに、先生や他の保護者の方に頭を下げてばかりで辛い…」
「ごめんなさい、うちの子が本当に乱暴で…」と謝り続け、家に帰ってから「どうしてあんなことするの!」
と叱り、寝顔を見ながら「私の育て方が悪いのかな」と涙をこぼす。そんなご相談を、私はこれまで何度も受けてきました。
毎日頭を下げ続けるお母さんたちの辛さは、計り知れません。
でも、どうかご自身を責めないでください。そして、お子さまを「乱暴で意地悪な子なんだ」と誤解しないでください。
お友達を叩いてしまう、押してしまう行動の裏には、発達の特性と「身体のメカニズム」による明確な理由が隠されています。
なぜ、「言葉」よりも先に「手」が出てしまうのか?
大人は「叩いちゃダメでしょ、言葉で言いなさい」と叱りますが、お子さまの身体と脳の中では、それが非常に難しい状況が起きています。
・力のコントロールがうまくできない(固有受容覚の未発達)
理学療法士として一番にお伝えしたいのがこの点です。実は、「悪気なく突き飛ばしている」ケースが非常に多いのです。
お子さま自身は「ねえねえ」と肩をトントンと叩きたかっただけなのに、自分の身体の力をどれくらい抜けば「優しいタッチ」になるのか(固有受容覚といいます)が身体で理解できていないため、結果的に「ドン!」と強く押し倒すような力になってしまうのです。
・言葉の引き出しが、まだ開けられない
「貸して」「やめて」「悔しい」といった感情が芽生えていても、それを瞬時に「言葉」に変換する脳の機能が追いついていない状態です。言葉が出ないもどかしさ、伝えられないフラストレーションが限界を超え、一番手っ取り早い「手を出して解決する」という手段を選んでしまっています。
・ブレーキをかける機能の未熟さ
「叩いたらお友達が泣いちゃう」と頭では分かっていても、感情が高ぶった瞬間に「ストップ!」と自分にブレーキをかける脳の前頭葉の働きが、まだ発達の途中なのです。
ご家庭でできる、手を出さないための工夫
「ダメ!」と怒鳴るだけでは、お子さまは「何がダメだったのか」「どうすればよかったのか」を学べません。以下のような工夫を試してみてください。
1. まずは物理的に手を止め、短い言葉で代弁する
手が出そうになったら、サッと間に入って手や身体を優しくホールドし、「叩きません」と短く伝えます。その上で、「おもちゃ、貸してほしかったね」「順番とられて、悔しかったね」と、手を出した理由(感情)を言葉にして代弁してあげてください。
2. 「優しいタッチ」を身体で覚えさせる
「優しくね」という言葉だけでは伝わりません。普段の遊びやスキンシップの中で、「これが『そーっと』だよ」「これは『つよい』だよ」と、力の強弱を身体の感覚として教え込んでいくことが大切です。
3. 成功体験を大げさに褒める
手が出そうになったけれど、グッと我慢できた時。言葉で「貸して」と言えた時。その瞬間を絶対に見逃さず、「手でお話ししなかったね!」「言葉で言えてかっこいいよ!」と、結果ではなく過程を思い切り褒めてあげてください。
専門家(療育)に頼ってほしいサイン
とはいえ、お友達に怪我をさせてしまうかもしれないという緊張感を、ご家庭だけで24時間抱え続けるのは限界があります。
・手が出る頻度が高く、集団生活(保育園や幼稚園)で孤立してしまっている
・注意されるとさらにパニックになり、自分自身の頭を叩くなどの自傷行為につながる
・保護者様がお子さまを外に連れ出すのが怖くなり、引きこもりがちになっている
このような場合は、絶対に一人で悩まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドでは、安全な環境の中でソーシャルスキルトレーニング(SST)を行い、「こういう時はどう言えばいいか」を少しずつ練習します。
また、理学療法士の視点から、重いものを押す遊びや、トランポリンなどの粗大運動をプログラムに組み込みます。実は、全身の筋肉や関節をしっかり使って「感覚の欲求」を満たしてあげることで、興奮しがちな脳がスッと落ち着き、結果として手が出にくくなる(衝動性が抑えられる)という大きな効果があるのです。
「ごめんなさい」の毎日から抜け出すために
毎日誰かに謝ってばかりの日々は、本当に心がすり減りますよね。
でも、手が出てしまうのは「成長の過渡期」であり、お子さま自身が「うまく伝えられない」と一番苦しんでいるサインでもあります。
お子さまの特性を理解し、環境を整え、身体の根っこからアプローチをしていけば、必ず「手」ではなく「言葉」でお話しできる日が増えていきます。
「うちの子、乱暴でどうしたらいいか分からない…」と行き詰まってしまった時は、いつでもエコルドはぐみのおうちにご相談ください。
お子さまの身体と心の状態を見立て、次の一歩を一緒に考えさせていただきます。
ご相談、ご見学は随時受け付けております。
お気軽にご連絡ください。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
6月に入り、新しいクラスや環境にも少しずつ慣れてきた反面、お友達との関わりが増えることで、新たな悩みが浮き彫りになる時期でもあります。
今日はお母さん、お父さんにとって、もしかすると一番胸が痛くなるかもしれないお悩みについてお話しさせてください。
「公園でお友達のおもちゃを取ろうとして、突き飛ばしてしまった」
「自分の思い通りにならないと、すぐに手や足が出てしまう」
「毎日保育園に迎えに行くたびに、先生や他の保護者の方に頭を下げてばかりで辛い…」
「ごめんなさい、うちの子が本当に乱暴で…」と謝り続け、家に帰ってから「どうしてあんなことするの!」
と叱り、寝顔を見ながら「私の育て方が悪いのかな」と涙をこぼす。そんなご相談を、私はこれまで何度も受けてきました。
毎日頭を下げ続けるお母さんたちの辛さは、計り知れません。
でも、どうかご自身を責めないでください。そして、お子さまを「乱暴で意地悪な子なんだ」と誤解しないでください。
お友達を叩いてしまう、押してしまう行動の裏には、発達の特性と「身体のメカニズム」による明確な理由が隠されています。
なぜ、「言葉」よりも先に「手」が出てしまうのか?
大人は「叩いちゃダメでしょ、言葉で言いなさい」と叱りますが、お子さまの身体と脳の中では、それが非常に難しい状況が起きています。
・力のコントロールがうまくできない(固有受容覚の未発達)
理学療法士として一番にお伝えしたいのがこの点です。実は、「悪気なく突き飛ばしている」ケースが非常に多いのです。
お子さま自身は「ねえねえ」と肩をトントンと叩きたかっただけなのに、自分の身体の力をどれくらい抜けば「優しいタッチ」になるのか(固有受容覚といいます)が身体で理解できていないため、結果的に「ドン!」と強く押し倒すような力になってしまうのです。
・言葉の引き出しが、まだ開けられない
「貸して」「やめて」「悔しい」といった感情が芽生えていても、それを瞬時に「言葉」に変換する脳の機能が追いついていない状態です。言葉が出ないもどかしさ、伝えられないフラストレーションが限界を超え、一番手っ取り早い「手を出して解決する」という手段を選んでしまっています。
・ブレーキをかける機能の未熟さ
「叩いたらお友達が泣いちゃう」と頭では分かっていても、感情が高ぶった瞬間に「ストップ!」と自分にブレーキをかける脳の前頭葉の働きが、まだ発達の途中なのです。
ご家庭でできる、手を出さないための工夫
「ダメ!」と怒鳴るだけでは、お子さまは「何がダメだったのか」「どうすればよかったのか」を学べません。以下のような工夫を試してみてください。
1. まずは物理的に手を止め、短い言葉で代弁する
手が出そうになったら、サッと間に入って手や身体を優しくホールドし、「叩きません」と短く伝えます。その上で、「おもちゃ、貸してほしかったね」「順番とられて、悔しかったね」と、手を出した理由(感情)を言葉にして代弁してあげてください。
2. 「優しいタッチ」を身体で覚えさせる
「優しくね」という言葉だけでは伝わりません。普段の遊びやスキンシップの中で、「これが『そーっと』だよ」「これは『つよい』だよ」と、力の強弱を身体の感覚として教え込んでいくことが大切です。
3. 成功体験を大げさに褒める
手が出そうになったけれど、グッと我慢できた時。言葉で「貸して」と言えた時。その瞬間を絶対に見逃さず、「手でお話ししなかったね!」「言葉で言えてかっこいいよ!」と、結果ではなく過程を思い切り褒めてあげてください。
専門家(療育)に頼ってほしいサイン
とはいえ、お友達に怪我をさせてしまうかもしれないという緊張感を、ご家庭だけで24時間抱え続けるのは限界があります。
・手が出る頻度が高く、集団生活(保育園や幼稚園)で孤立してしまっている
・注意されるとさらにパニックになり、自分自身の頭を叩くなどの自傷行為につながる
・保護者様がお子さまを外に連れ出すのが怖くなり、引きこもりがちになっている
このような場合は、絶対に一人で悩まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドでは、安全な環境の中でソーシャルスキルトレーニング(SST)を行い、「こういう時はどう言えばいいか」を少しずつ練習します。
また、理学療法士の視点から、重いものを押す遊びや、トランポリンなどの粗大運動をプログラムに組み込みます。実は、全身の筋肉や関節をしっかり使って「感覚の欲求」を満たしてあげることで、興奮しがちな脳がスッと落ち着き、結果として手が出にくくなる(衝動性が抑えられる)という大きな効果があるのです。
「ごめんなさい」の毎日から抜け出すために
毎日誰かに謝ってばかりの日々は、本当に心がすり減りますよね。
でも、手が出てしまうのは「成長の過渡期」であり、お子さま自身が「うまく伝えられない」と一番苦しんでいるサインでもあります。
お子さまの特性を理解し、環境を整え、身体の根っこからアプローチをしていけば、必ず「手」ではなく「言葉」でお話しできる日が増えていきます。
「うちの子、乱暴でどうしたらいいか分からない…」と行き詰まってしまった時は、いつでもエコルドはぐみのおうちにご相談ください。
お子さまの身体と心の状態を見立て、次の一歩を一緒に考えさせていただきます。
ご相談、ご見学は随時受け付けております。
お気軽にご連絡ください。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範