こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
6月に入り、梅雨の足音が近づいてきましたね。新年度が始まって2ヶ月が過ぎ、保育園や幼稚園の先生から「集団行動のときに、ちょっと言葉でのコミュニケーションが出にくいですね」と言われたり、周りのお友達と比べて我が子の発語の遅さに焦りを感じ始めたりする保護者様も多いのではないでしょうか。
「3歳を過ぎたのに、単語しか出てこない」
「こちらの言うことは理解しているみたいだけど、自分から話そうとしない」
「言葉の遅れのせいで、お友達の輪に入れずポツンとしている…」
ネットで「○歳 発語」「言葉の遅れ 自閉症」などと夜な夜な検索し、焦る気持ちから、家でお子さまに「これは?りんごって言ってごらん!」と無理に発音の練習をさせてしまう。そして言えない我が子を見て、さらに不安になる……。そんなお母さん、お父さんたちの苦しいお気持ち、本当によく分かります。我が子の将来を思えばこそ、焦ってしまうのは当然のことです。
ですが、理学療法士としての視点から、一つだけ大切なお話をさせてください。
言葉が出ないからといって、口元だけで「おしゃべりの練習」をさせようとするのは、実はあまり効果的ではありません。
なぜなら、言葉というものは、果物の「実」のようなものだからです。
根っこや幹、枝葉が十分に育って初めて、最後にポンと「言葉」という実が結ばれます。
言葉が遅れてしまう、本当の理由
言葉を発するためには、机の上のお勉強だけでは解決できない「身体と脳の土台」が必要です。
・口周りの筋肉や、姿勢を保つ力の未熟さ
理学療法士として真っ先に注目するのが、お子さまの「身体全体の土台」です。言葉を発する(発声・発音する)ためには、腹筋を使って息を正しく吐き出し、顎や舌、唇の筋肉をミリ単位でコントロールする必要があります。実は、体幹が弱くてぐにゃぐにゃしている子や、口周りの筋肉(口腔機能)が未発達な子は、物理的に「正しく音を作る身体の準備」ができていないケースが非常に多いのです。
・「伝えたい!」という心の器(コミュニケーションの土台)がまだ育っていない
言葉を交わす前に、まず「人と関わると楽しい」「自分の要求を相手に分かってほしい」という、言葉の前のコミュニケーション(身振りや指差し、目線の共有など)の土台が豊かになっている必要があります。この心の土台がない状態で言葉という「形」だけを教え込もうとしても、脳はおしゃべりを必要としてくれません。
・情報を整理する脳の「キャパシティ」がいっぱいになっている
発達に特性のあるお子さまは、周りの音や景色などの刺激を脳で整理する(感覚統合)のが苦手なことがあります。脳の処理能力が周りの環境の刺激を処理するだけで手一杯になってしまい、「言葉を処理する・発する」という高度な作業にまでエネルギーが回っていない状態です。
ご家庭でできる、言葉の土台を育む工夫
おしゃべりを無理強いするのではなく、言葉が溢れ出てくるための「根っこ」を育てていきましょう。
1. 言葉ではなく「身体を動かす遊び」を増やす
意外に思われるかもしれませんが、言葉の遅れには「全身運動(粗大運動)」が非常に効果的です。トランポリンで弾む、公園の遊具に登る、お馬さんごっこをするなど、全身の筋肉(体幹)をしっかり使うことで、脳が刺激され、同時に声を出すための呼吸機能や腹筋が鍛えられます。
2. 口や顔を使った「楽しい遊び」を取り入れる
食事のときに「よく噛む」ことはもちろん、シャボン玉を吹く、ストローでジュースをブクブクする、お互いに変な顔をして笑い合うなど、遊びの中で自然と口周りの筋肉(口腔機能)を動かす工夫をしてみてください。
3. お子さまの「今の気持ち」を大人が先回りして言葉にする
お子さまが指差しをして「あ!」と言ったら、「そうだね、車だね」「赤いブーブー、走っていったね」と、お子さまが今見ているもの、感じていることを短い言葉で実況中継してあげてください。「自分の気持ちが言葉になった!」という心地よい経験の積み重ねが、発語を促します。
専門家(療育)に頼ってほしいサイン
言葉の遅れは、その背景にある理由(耳の聞こえ、感覚の特性、認知の発達など)を正しく見極める必要があります。以下のような場合は、一人で抱え込まずに専門機関にご相談ください。
・こちらの言うこと(指示や簡単な質問)を理解している様子が全く見られない
・4歳を過ぎても、意味のある単語(ママ、ブーブーなど)が出ない、または言葉が一度出たのに消えてしまった
・言葉が出ないもどかしさから、激しい癇癪や、人を叩くなどの行動が日常化している
・保護者様自身が「どう関わればいいのか分からない」と、毎日の子育てに強い限界を感じている
私たちエコルドでは、言葉の訓練(発音の練習など)を単体で行うことはしません。
理学療法士の視点から体幹や口腔機能をアプローチする運動プログラムを組み、同時にICT機器を使ったゲームなどを通して「楽しくて、自分から表現したくなる」環境を徹底して作ります。遊びの中で自然と脳の感覚が整理され、身体の土台が整うことで、驚くほどスムーズに言葉が出始めるお子さまを、私たちはたくさん見てきました。
焦らないでください。根っこが育てば、実を結ぶ日は必ず来ます。
周りの子がペラペラとおしゃべりしている姿を見ると、焦って胸が苦しくなる毎日だと思います。
でも、お子さまは今、言葉を話さないのではなく、話すための「根っこ」を土の中に一生懸命伸ばしている最中なのです。
焦って実を引っ張り出そうとするのではなく、一緒にたっぷりと栄養(身体の土台と安心感)を注いであげましょう。
「うちの子の言葉の遅れ、何から始めたらいいんだろう」と迷われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお越しください。専門家として、お子さまの現在地をしっかりと見立て、ご家庭に寄り添った具体的なサポートをさせていただきます。
ご相談、ご見学は随時受け付けております。
【電話でのお問い合わせ】
【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
6月に入り、梅雨の足音が近づいてきましたね。新年度が始まって2ヶ月が過ぎ、保育園や幼稚園の先生から「集団行動のときに、ちょっと言葉でのコミュニケーションが出にくいですね」と言われたり、周りのお友達と比べて我が子の発語の遅さに焦りを感じ始めたりする保護者様も多いのではないでしょうか。
「3歳を過ぎたのに、単語しか出てこない」
「こちらの言うことは理解しているみたいだけど、自分から話そうとしない」
「言葉の遅れのせいで、お友達の輪に入れずポツンとしている…」
ネットで「○歳 発語」「言葉の遅れ 自閉症」などと夜な夜な検索し、焦る気持ちから、家でお子さまに「これは?りんごって言ってごらん!」と無理に発音の練習をさせてしまう。そして言えない我が子を見て、さらに不安になる……。そんなお母さん、お父さんたちの苦しいお気持ち、本当によく分かります。我が子の将来を思えばこそ、焦ってしまうのは当然のことです。
ですが、理学療法士としての視点から、一つだけ大切なお話をさせてください。
言葉が出ないからといって、口元だけで「おしゃべりの練習」をさせようとするのは、実はあまり効果的ではありません。
なぜなら、言葉というものは、果物の「実」のようなものだからです。
根っこや幹、枝葉が十分に育って初めて、最後にポンと「言葉」という実が結ばれます。
言葉が遅れてしまう、本当の理由
言葉を発するためには、机の上のお勉強だけでは解決できない「身体と脳の土台」が必要です。
・口周りの筋肉や、姿勢を保つ力の未熟さ
理学療法士として真っ先に注目するのが、お子さまの「身体全体の土台」です。言葉を発する(発声・発音する)ためには、腹筋を使って息を正しく吐き出し、顎や舌、唇の筋肉をミリ単位でコントロールする必要があります。実は、体幹が弱くてぐにゃぐにゃしている子や、口周りの筋肉(口腔機能)が未発達な子は、物理的に「正しく音を作る身体の準備」ができていないケースが非常に多いのです。
・「伝えたい!」という心の器(コミュニケーションの土台)がまだ育っていない
言葉を交わす前に、まず「人と関わると楽しい」「自分の要求を相手に分かってほしい」という、言葉の前のコミュニケーション(身振りや指差し、目線の共有など)の土台が豊かになっている必要があります。この心の土台がない状態で言葉という「形」だけを教え込もうとしても、脳はおしゃべりを必要としてくれません。
・情報を整理する脳の「キャパシティ」がいっぱいになっている
発達に特性のあるお子さまは、周りの音や景色などの刺激を脳で整理する(感覚統合)のが苦手なことがあります。脳の処理能力が周りの環境の刺激を処理するだけで手一杯になってしまい、「言葉を処理する・発する」という高度な作業にまでエネルギーが回っていない状態です。
ご家庭でできる、言葉の土台を育む工夫
おしゃべりを無理強いするのではなく、言葉が溢れ出てくるための「根っこ」を育てていきましょう。
1. 言葉ではなく「身体を動かす遊び」を増やす
意外に思われるかもしれませんが、言葉の遅れには「全身運動(粗大運動)」が非常に効果的です。トランポリンで弾む、公園の遊具に登る、お馬さんごっこをするなど、全身の筋肉(体幹)をしっかり使うことで、脳が刺激され、同時に声を出すための呼吸機能や腹筋が鍛えられます。
2. 口や顔を使った「楽しい遊び」を取り入れる
食事のときに「よく噛む」ことはもちろん、シャボン玉を吹く、ストローでジュースをブクブクする、お互いに変な顔をして笑い合うなど、遊びの中で自然と口周りの筋肉(口腔機能)を動かす工夫をしてみてください。
3. お子さまの「今の気持ち」を大人が先回りして言葉にする
お子さまが指差しをして「あ!」と言ったら、「そうだね、車だね」「赤いブーブー、走っていったね」と、お子さまが今見ているもの、感じていることを短い言葉で実況中継してあげてください。「自分の気持ちが言葉になった!」という心地よい経験の積み重ねが、発語を促します。
専門家(療育)に頼ってほしいサイン
言葉の遅れは、その背景にある理由(耳の聞こえ、感覚の特性、認知の発達など)を正しく見極める必要があります。以下のような場合は、一人で抱え込まずに専門機関にご相談ください。
・こちらの言うこと(指示や簡単な質問)を理解している様子が全く見られない
・4歳を過ぎても、意味のある単語(ママ、ブーブーなど)が出ない、または言葉が一度出たのに消えてしまった
・言葉が出ないもどかしさから、激しい癇癪や、人を叩くなどの行動が日常化している
・保護者様自身が「どう関わればいいのか分からない」と、毎日の子育てに強い限界を感じている
私たちエコルドでは、言葉の訓練(発音の練習など)を単体で行うことはしません。
理学療法士の視点から体幹や口腔機能をアプローチする運動プログラムを組み、同時にICT機器を使ったゲームなどを通して「楽しくて、自分から表現したくなる」環境を徹底して作ります。遊びの中で自然と脳の感覚が整理され、身体の土台が整うことで、驚くほどスムーズに言葉が出始めるお子さまを、私たちはたくさん見てきました。
焦らないでください。根っこが育てば、実を結ぶ日は必ず来ます。
周りの子がペラペラとおしゃべりしている姿を見ると、焦って胸が苦しくなる毎日だと思います。
でも、お子さまは今、言葉を話さないのではなく、話すための「根っこ」を土の中に一生懸命伸ばしている最中なのです。
焦って実を引っ張り出そうとするのではなく、一緒にたっぷりと栄養(身体の土台と安心感)を注いであげましょう。
「うちの子の言葉の遅れ、何から始めたらいいんだろう」と迷われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお越しください。専門家として、お子さまの現在地をしっかりと見立て、ご家庭に寄り添った具体的なサポートをさせていただきます。
ご相談、ご見学は随時受け付けております。
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理学療法士 内山 隆範