こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
6月に入り、ジメジメとした日が続きますね。雨の日でお家遊びが増えると、リビングがあっという間におもちゃで足の踏み場もない状態に……なんてことも多いのではないでしょうか。
そんな日頃の子育ての中で、多くのお母さん、お父さんを悩ませるのが「お片付け」です。
「『使ったおもちゃを片付けなさい!』と毎日何回も怒鳴っているのに、全く動かない」
「片付けるどころか、次から次へとおもちゃを出して散らかし放題」
「何度言ってもできない姿を見ると、この先が思いやられてイライラしてしまう」
何度言ってもおもちゃを片付けず、テレビを見たり別の遊びを始めたりする我が子を見ると、親としては「だらしない」「親の言うことを無視している」と感じて、ついカッとなってしまいますよね。毎日のお片付けバトルで、夜にはヘトヘトになっているお母さんたちのお気持ち、本当によく分かります。
でも、理学療法士としての視点から、少し意外な事実をお伝えさせてください。
お子さまが片付けられないのは、決して「やる気がない」のでも「だらしない」のでもありません。
実は、脳の「空間認識能力」や「情報処理能力」がまだ未熟なために、物理的に「どう片付けていいかパニックになっている」状態なのです。
なぜ、おもちゃを「片付ける」のがそんなに難しいのか?
大人にとっては何でもない「片付け」という行為は、子どもの脳にとっては非常に高度なマルチタスク(いくつもの作業を同時に行うこと)です。
・視覚情報が多すぎて、脳がフリーズしている
発達に特性のあるお子さまは、たくさんのモノがゴチャゴチャと散らばっている空間を見ると、どこから手をつけていいか分からず、脳が情報過多でフリーズ(思考停止)してしまうことがあります。大人で言うと「デスクの上に数千枚の書類が乱雑に積み重なっていて、今すぐ整理してと言われた」ような絶望感を、お子さまはあの小さなリビングで感じているのです。
・「空間認識能力」と「分類する力」の未熟さ
おもちゃを片付けるには、「このトミカは、あの四角い箱の中の、このスペースに入る」という空間の正確な把握(空間認識能力)が必要です。さらに、「車は車の箱へ」「ブロックはブロックの箱へ」という、モノの共通点を見つけてグループ分けする(カテゴリー分類)という脳の高度な働きも求められます。身体の使い方が少し不器用なお子さまは、この空間やモノの境界線を捉える脳の機能も、一緒にゆっくりペースであることが多いのです。
・「片付けなさい」という言葉が抽象すぎる
「ちゃんとしなさい」と同じように、「片付けなさい」という指示はお子さまの脳には具体的に響きません。「何を」「どこに」「どうやって」戻せばいいのか、脳内で迷子になってしまっています。
ご家庭で今すぐできる、実用的なお片付けの工夫
根性論で「片付けるまでご飯抜き!」とするのは、お片付けを嫌いなもの(嫌悪刺激)にするだけなので逆効果です。脳の特性に合わせた「仕組み」を作ってあげましょう。
1. 「写真」や「イラスト」で箱の中身を視覚化する
文字で「ブロック」と書くよりも、ブロックの写真を箱の正面にペタッと貼っておく方法(視覚的支援)が最も効果的です。「このおもちゃは、この写真と同じ場所に戻せばいいんだ」と脳が一瞬で理解できるため、迷うエネルギーを減らすことができます。
2. 「全部」ではなく「これだけ」と範囲を限定する
散らかった部屋全体を見せて「片付けなさい」ではなく、まずは「この赤いミニカー3つだけ、あの箱に入れてみようか」と、脳がフリーズしない程度にタスクを細分化(スモールステップ)してあげてください。
3. 片付けを「仕分けゲーム」にする
理学療法士としておすすめなのが、身体を動かすゲーム要素を取り入れることです。「よーいドン!で、お母さんがぬいぐるみを集めるから、○○くんはブロックを集めてね。どっちが早く箱に入れられるか勝負!」など、身体を楽しく動かしながら行うことで、脳の「やる気スイッチ(ドーパミン)」が刺激され、集中して取り組みやすくなります。
専門家(療育)に頼ってほしいサイン
お片付けに限らず、以下のような様子が日常生活全般で見られる場合は、脳の発達をサポートする専門的なアプローチが必要です。
・モノをよく失くす、落とす、あるいは自分の持ち物の管理が全くできない
・指示をされても最初の1歩がどうしても動けず、日常生活のスケジュールが大きく崩れている
・片付けを促すと、激しい癇癪を起こしたり、おもちゃを壁に投げつけたりする
・お母さん自身が、毎日のお片付けや切り替えの悪さに付き合いきれず、限界を迎えている
このような場合は、ご家庭だけで無理にトレーニングしようとせず、私たちを頼ってください。
エコルドでは、空間認知ゲームや、おもちゃの仕分けを取り入れた独自のプログラムを行っています。
また、理学療法士の視点から、ジャングルジムをくぐる、ターゲットにボールを投げるなど、「自分とモノとの距離感や位置」を身体全体で掴む運動(粗大運動)をたくさん行います。不思議に思われるかもしれませんが、全身を使って空間を捉える経験を積むと、脳の空間認識能力がぐんぐんと育ち、結果としてお部屋のお片付けや机の上の整理整頓が驚くほどスムーズにできるようになっていくのです。
「できた!」の達成感を、小さな一歩から
毎日の生活の中で、散らかった部屋を見るだけでドッと疲れが出てしまうお気持ち、本当によく分かります。
でも、お片付けができるようになることは、将来お子さまがスケジュールを管理したり、自分の頭の中を整理したりする力(実行機能)の基盤になります。
焦らず、まずは「1個片付けられたら大成功!」という優しい視点から、おうちの環境を整えてみませんか?
「うちの子に合ったお片付けの工夫を知りたい」「空間認識の力を育てたい」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちにご相談ください。専門家として、お子さまの脳と身体の特性に合わせた具体的なアプローチを一緒に考えてまいります。
ご相談、ご見学は随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。
6月に入り、ジメジメとした日が続きますね。雨の日でお家遊びが増えると、リビングがあっという間におもちゃで足の踏み場もない状態に……なんてことも多いのではないでしょうか。
そんな日頃の子育ての中で、多くのお母さん、お父さんを悩ませるのが「お片付け」です。
「『使ったおもちゃを片付けなさい!』と毎日何回も怒鳴っているのに、全く動かない」
「片付けるどころか、次から次へとおもちゃを出して散らかし放題」
「何度言ってもできない姿を見ると、この先が思いやられてイライラしてしまう」
何度言ってもおもちゃを片付けず、テレビを見たり別の遊びを始めたりする我が子を見ると、親としては「だらしない」「親の言うことを無視している」と感じて、ついカッとなってしまいますよね。毎日のお片付けバトルで、夜にはヘトヘトになっているお母さんたちのお気持ち、本当によく分かります。
でも、理学療法士としての視点から、少し意外な事実をお伝えさせてください。
お子さまが片付けられないのは、決して「やる気がない」のでも「だらしない」のでもありません。
実は、脳の「空間認識能力」や「情報処理能力」がまだ未熟なために、物理的に「どう片付けていいかパニックになっている」状態なのです。
なぜ、おもちゃを「片付ける」のがそんなに難しいのか?
大人にとっては何でもない「片付け」という行為は、子どもの脳にとっては非常に高度なマルチタスク(いくつもの作業を同時に行うこと)です。
・視覚情報が多すぎて、脳がフリーズしている
発達に特性のあるお子さまは、たくさんのモノがゴチャゴチャと散らばっている空間を見ると、どこから手をつけていいか分からず、脳が情報過多でフリーズ(思考停止)してしまうことがあります。大人で言うと「デスクの上に数千枚の書類が乱雑に積み重なっていて、今すぐ整理してと言われた」ような絶望感を、お子さまはあの小さなリビングで感じているのです。
・「空間認識能力」と「分類する力」の未熟さ
おもちゃを片付けるには、「このトミカは、あの四角い箱の中の、このスペースに入る」という空間の正確な把握(空間認識能力)が必要です。さらに、「車は車の箱へ」「ブロックはブロックの箱へ」という、モノの共通点を見つけてグループ分けする(カテゴリー分類)という脳の高度な働きも求められます。身体の使い方が少し不器用なお子さまは、この空間やモノの境界線を捉える脳の機能も、一緒にゆっくりペースであることが多いのです。
・「片付けなさい」という言葉が抽象すぎる
「ちゃんとしなさい」と同じように、「片付けなさい」という指示はお子さまの脳には具体的に響きません。「何を」「どこに」「どうやって」戻せばいいのか、脳内で迷子になってしまっています。
ご家庭で今すぐできる、実用的なお片付けの工夫
根性論で「片付けるまでご飯抜き!」とするのは、お片付けを嫌いなもの(嫌悪刺激)にするだけなので逆効果です。脳の特性に合わせた「仕組み」を作ってあげましょう。
1. 「写真」や「イラスト」で箱の中身を視覚化する
文字で「ブロック」と書くよりも、ブロックの写真を箱の正面にペタッと貼っておく方法(視覚的支援)が最も効果的です。「このおもちゃは、この写真と同じ場所に戻せばいいんだ」と脳が一瞬で理解できるため、迷うエネルギーを減らすことができます。
2. 「全部」ではなく「これだけ」と範囲を限定する
散らかった部屋全体を見せて「片付けなさい」ではなく、まずは「この赤いミニカー3つだけ、あの箱に入れてみようか」と、脳がフリーズしない程度にタスクを細分化(スモールステップ)してあげてください。
3. 片付けを「仕分けゲーム」にする
理学療法士としておすすめなのが、身体を動かすゲーム要素を取り入れることです。「よーいドン!で、お母さんがぬいぐるみを集めるから、○○くんはブロックを集めてね。どっちが早く箱に入れられるか勝負!」など、身体を楽しく動かしながら行うことで、脳の「やる気スイッチ(ドーパミン)」が刺激され、集中して取り組みやすくなります。
専門家(療育)に頼ってほしいサイン
お片付けに限らず、以下のような様子が日常生活全般で見られる場合は、脳の発達をサポートする専門的なアプローチが必要です。
・モノをよく失くす、落とす、あるいは自分の持ち物の管理が全くできない
・指示をされても最初の1歩がどうしても動けず、日常生活のスケジュールが大きく崩れている
・片付けを促すと、激しい癇癪を起こしたり、おもちゃを壁に投げつけたりする
・お母さん自身が、毎日のお片付けや切り替えの悪さに付き合いきれず、限界を迎えている
このような場合は、ご家庭だけで無理にトレーニングしようとせず、私たちを頼ってください。
エコルドでは、空間認知ゲームや、おもちゃの仕分けを取り入れた独自のプログラムを行っています。
また、理学療法士の視点から、ジャングルジムをくぐる、ターゲットにボールを投げるなど、「自分とモノとの距離感や位置」を身体全体で掴む運動(粗大運動)をたくさん行います。不思議に思われるかもしれませんが、全身を使って空間を捉える経験を積むと、脳の空間認識能力がぐんぐんと育ち、結果としてお部屋のお片付けや机の上の整理整頓が驚くほどスムーズにできるようになっていくのです。
「できた!」の達成感を、小さな一歩から
毎日の生活の中で、散らかった部屋を見るだけでドッと疲れが出てしまうお気持ち、本当によく分かります。
でも、お片付けができるようになることは、将来お子さまがスケジュールを管理したり、自分の頭の中を整理したりする力(実行機能)の基盤になります。
焦らず、まずは「1個片付けられたら大成功!」という優しい視点から、おうちの環境を整えてみませんか?
「うちの子に合ったお片付けの工夫を知りたい」「空間認識の力を育てたい」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちにご相談ください。専門家として、お子さまの脳と身体の特性に合わせた具体的なアプローチを一緒に考えてまいります。
ご相談、ご見学は随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範