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子どもに合った支援を考える:「継次処理」と「同時処理」

「何度教えても、どうも伝わらない」そんな経験はありませんか?

一生懸命に教えているのに、どうも子どもに響かない――。
その理由のひとつに、「子どもの認知処理スタイル(情報の受け取り方・整理のしかた)」とのズレがあるのかもしれません。

●継次処理と同時処理――子どもの“学び方のスタイル

心理学や教育臨床の分野では、子どもの認知スタイルの違いとして以下の2つがよく知られています:

・継次処理が得意な子ども
情報を順番に一つずつ処理して理解するスタイル
言葉の説明や手順に沿った学習で力を発揮しやすい
一方で、図解や全体像をとらえる力が弱いこともあります

・同時処理が得意な子ども
情報を全体的に直感的に把握するスタイル
絵・図・空間の理解が得意な反面、順序のある説明が苦手なこともあります
このスタイルの違いは、性格のような“個性”というより、脳の使い方の傾向と考えられます。
どちらが良い・悪いではなく、「違いがある」ということをまず受け止めることが出発点になります。

■ つまずきは「スタイルのズレ」から?

子どもと接する中で「伝わらない」と感じたとき、
それは理解力や努力の問題ではなく、「伝え方がその子のスタイルに合っていないだけ」ということもあります。
たとえば──
絵で説明してもピンとこない子には、言葉で順を追って説明してみる
長い話に集中できない子には、まず全体のイメージを見せてから話し始める
その子の「受け取りやすいチャンネル」に合わせて伝えることで、学びはずっと届きやすくなるように感じます。

■ 教科別に見えてくる「スタイルの違い」
この認知スタイルの違いは、教科や単元の中ではっきりと現れてきます。
国語
継次処理型:音読や語句の意味、段落構成など「順序」に強い
同時処理型:文章の“全体の意味”を直感的に把握するが、設問の根拠をたどるのは苦手なことも
同時処理型の子には、最初に「本文の構造」や「キーワード」を図にして見せるのも一案です。

算数
継次処理型:計算や式の手順を丁寧に進めるのが得意
同時処理型:図形や空間的な問題に強く、図を見て解くタイプ
継次処理型の子には、図形の問題も言葉でステップを整理すると力が伸びやすくなります。

理科・社会
実験や因果関係は継次処理型が整理しやすい
地図や年表、グラフのような「俯瞰」は同時処理型に強みがあります


「理解しているのに、できない」子もいる
私たちはつい、「できていない=わかっていない」と思いがちです。
でも実際には、「理解しているのに、やり方が合っていないだけ」という子どもも少なくありません。
その子の“見え方・考え方”に少し寄り添ってみるだけで、
子どもの目がふっと明るくなる瞬間がある――
そんな体験をされた方も多いのではないでしょうか。

継次処理と同時処理という見方は、子ども一人ひとりがもつ「わかりやすい順路」を見つける手がかりになります。
もちろん、これですべてが説明できるわけではありません。
でも、「この子にはこの子の理解の道があるかもしれない」と考えること。
それが、支援や指導の“チューニング”を始める第一歩になるのではないかと思います。
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