手帳だけじゃない「愛のワッペン」との出会い
自閉症や発達障害は、見た目でわかる障害ではありません。
むしろ“利発な子”の風貌をしていたりします。
電車で奇声を発し、ウロウロすると見知らぬおやじから「あんた母親だろ!もっとちゃんと躾けろよ!」と怒鳴られ、凄く自分が傷ついていました。手帳を取ることができて“障害があること”が証明されても、それだけでは不十分だったのです。
周りに理解してもらうには手帳をカバンに入れっぱなしだと誰も気が付いてはくれないのです。
ところが「愛のワッペン」を取り寄せ、それを洋服に付けて外出しはじめた途端、周りが変わりました。ワッペンを見て、「そうか、あの子は障害があるんだな」と理解してくれるようになったのです。
むしろ“利発な子”の風貌をしていたりします。
電車で奇声を発し、ウロウロすると見知らぬおやじから「あんた母親だろ!もっとちゃんと躾けろよ!」と怒鳴られ、凄く自分が傷ついていました。手帳を取ることができて“障害があること”が証明されても、それだけでは不十分だったのです。
周りに理解してもらうには手帳をカバンに入れっぱなしだと誰も気が付いてはくれないのです。
ところが「愛のワッペン」を取り寄せ、それを洋服に付けて外出しはじめた途端、周りが変わりました。ワッペンを見て、「そうか、あの子は障害があるんだな」と理解してくれるようになったのです。
例えば、スーパー。
当時は多動性がひどく買い物もまともに出来ませんでした。
入り口から脱走し道路に飛び出したり、納豆パック売り場や牛乳コーナーで少しでもずれていると不快らしくそれを整然と並べようとしていじります。(「あらあら、僕、私の仕事を少なくしてくれて助かるわ」なんて言ってくれるパートのおばさんもいました。これは救われました。)
当時は多動性がひどく買い物もまともに出来ませんでした。
入り口から脱走し道路に飛び出したり、納豆パック売り場や牛乳コーナーで少しでもずれていると不快らしくそれを整然と並べようとしていじります。(「あらあら、僕、私の仕事を少なくしてくれて助かるわ」なんて言ってくれるパートのおばさんもいました。これは救われました。)
その中で一番困ったのはカゴでした。
お客さんが使いやすいように整えてあるカゴ。息子はそれを高く積み上げなければ気が済まない様子でした。
そのこだわりは6年生まで続き、2メートル近くまで積み上げることもありました。困ったスーパーの店員の中には、息子に声を荒げる人もいました。
それも、「愛のワッペン」を付けた後は、一変。
脱走したときも店員さんが連れ戻してくれるようになりました。カゴについても、うるさく叱られません。私は神経を張り詰めて買い物する状態からは解放されました。
スーパーの朝礼で「こういう子だから、頭ごなしに叱らないように」とお達しがあったようです。
今は東京都でSOSカードというものがあり、これをぶら下げています。
お客さんが使いやすいように整えてあるカゴ。息子はそれを高く積み上げなければ気が済まない様子でした。
そのこだわりは6年生まで続き、2メートル近くまで積み上げることもありました。困ったスーパーの店員の中には、息子に声を荒げる人もいました。
それも、「愛のワッペン」を付けた後は、一変。
脱走したときも店員さんが連れ戻してくれるようになりました。カゴについても、うるさく叱られません。私は神経を張り詰めて買い物する状態からは解放されました。
スーパーの朝礼で「こういう子だから、頭ごなしに叱らないように」とお達しがあったようです。
今は東京都でSOSカードというものがあり、これをぶら下げています。
障害を隠さずに暮らすこと
タレントの菊池桃子さんが現在14歳になるお嬢様の障がいをカミングアウトしました。その言葉です。
「芸能人はイメージが大事なので、隠さなきゃ」と考えていたが、「娘が一生懸命生きている姿を見たら、隠していることが同じ人間として娘に失礼に思えて」
また、『五体不満足』の著者である乙武洋匡さんは、著書『自分を愛する力』の中でこう書いています。
"母は近所を出歩くときには義足や義手をつけることをしなかった。あえて“むき出し”の状態にしておき近所の目に触れるようにしていたのだ。
母は「やっぱり私達家族が暮らしていく上で、近所の人たちの理解や協力は欠かせないだろうなと思ったの。そのためにも、なるべく早い段階であなたを見てもらって“うちにこういう子が生まれました。どうぞよろしくお願いします”と紹介しておいた方がいいと思って」"
こうして、子どもを支えてくれる応援団を周りに作っていったお母さんでした。
"母は近所を出歩くときには義足や義手をつけることをしなかった。あえて“むき出し”の状態にしておき近所の目に触れるようにしていたのだ。
母は「やっぱり私達家族が暮らしていく上で、近所の人たちの理解や協力は欠かせないだろうなと思ったの。そのためにも、なるべく早い段階であなたを見てもらって“うちにこういう子が生まれました。どうぞよろしくお願いします”と紹介しておいた方がいいと思って」"
こうして、子どもを支えてくれる応援団を周りに作っていったお母さんでした。
最後に
普通である事を求められ、才能も強みもあるのに「みんなと同じようにできなくてはならない」とバードルを押し付けていたら、やがて子どもは潰れてしまいます。
障害特性への理解を得られてこそ、その子らしく自由に伸び伸びと暮らしていける、それがその子の可能性を伸ばしていくことに繋がるのではないかと私は思います。
「レッテルを貼られたくない」「色眼鏡で見られたくない」という不安や心配から公表しないことを選ぶ人もいます。ママ自身は手帳の取得に積極的でも、家族や親戚が「我が家の恥だから公表すべきではない」など理解を示してもらえず、苦しむ場合もあります。これはとても不幸なことだと思います。
まず“子ども本人にとってどうすれば幸せになるのか”に視点を当てて、家族で話し合えることを願います。
愛のワッペンやSOSカードをぶら下げて外出することには人目を気にして抵抗はあっても、手帳はカバンの中にあれば誰も見ないわけですし、たくさんのメリットもありますから取得しておいた方がよいと私は思います。
障害特性への理解を得られてこそ、その子らしく自由に伸び伸びと暮らしていける、それがその子の可能性を伸ばしていくことに繋がるのではないかと私は思います。
「レッテルを貼られたくない」「色眼鏡で見られたくない」という不安や心配から公表しないことを選ぶ人もいます。ママ自身は手帳の取得に積極的でも、家族や親戚が「我が家の恥だから公表すべきではない」など理解を示してもらえず、苦しむ場合もあります。これはとても不幸なことだと思います。
まず“子ども本人にとってどうすれば幸せになるのか”に視点を当てて、家族で話し合えることを願います。
愛のワッペンやSOSカードをぶら下げて外出することには人目を気にして抵抗はあっても、手帳はカバンの中にあれば誰も見ないわけですし、たくさんのメリットもありますから取得しておいた方がよいと私は思います。
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