■3 友達に謝る場面、同級生からの注目で混乱してしまう

感覚が過敏な長男は、ちょっと肩がぶつかり合うだけで反射的に反応してしまい、強く払いのけてしまうことがよくあります。

お互いに「あ、ごめんね」と言えば場が収まるのですが、長男はとっさに言葉で伝えるのがとても苦手。

相手の子は、払いのけた手が当たり、痛みと驚きの表情で長男を見ています。そんなとき、周囲の子ども達は「かわいそう」「早く謝ってあげてよ」と注目するのです。

こういう「出来ないことを要求される」「大勢の人に注目される」という長男がとても苦手な場面が学校生活には沢山あるのです。これではパニックを誘発するのは時間の問題です。

思い切って間に入り、「ほら、○○ちゃん、痛かったって」と話しかけ、長男の注目を私に向けました。
それから「混み合ったところが苦手なのはわかるけど、こういう時は『ごめんね』って言えるといいね」と伝えました。

そして相手の子や周りの子ども達には「お話しするのがとても苦手で、『ごめん』って言うの、いま練習中やねん」と説明しました。

「『ごめんね』って、ホントにすごく大事な言葉だね」と子どもたちに伝えることで、場の緊張が解けるのを肌で感じました。

息子の成長、クラスの友達の見る目にも変化があった

付き添って「通訳」すると、落ち着いて取り組めることも増え、長男は成長していきました。そして先生やクラスメートの長男への見方も変わっていきました。

少しずつ学校生活に慣れ、困ることも少なくなり、2年生から特別支援級に所属したところで、「通訳」を支援級の先生にバトンタッチしていきました。

・明確、端的に伝えてもらえるとありがたい

・時間があれば、前もって1対1で少し話しておいてもらえるとよりスムーズ

と、先生へ伝へています。
先生方へ伝える事を「迷惑じゃないかな」と心配する保護者の方もいるとは思いますが、

困っている本人だけでなく、支える周囲の人も「何をすればいいのか」具体的にわかれば、サポートできる事が増えると思いますし、お互いに気持ちよく過ごすヒントにもなっていくと、私は考えています。
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