指差しを促すための工夫

ここでは、子どもの指差しを促すための工夫についてお伝えします。周囲の環境を整える方法と、お子さんへの関わり方を工夫する方法の、大きく2つがあります。

環境を整える

◇テレビや動画などの長時間視聴は避け、子どもが他人と関わる時間を増やす
テレビや動画などをつけていると子どもが集中して静かになるので、子育て中の親にとって便利な道具でもあります。しかし、長時間の視聴は、子どもの発達が妨げられるおそれもあるといわれています。

テレビからは一方的な情報が流れてくるので、子どもは受け身になってしまいます。テレビから受動的に情報を受け取っているときには、人とやりとりを行うのは難しいです。

子どもがテレビや動画を長時間視聴することは避け、他人と直接やりとりする機会を増やすことを意識しましょう。他人と一緒に楽しい時間を過ごすことで、関係が少しずつ築かれ、より相手に何かを伝えたいという気持ちを促すことができます。

ただ、テレビや動画を見ながら、歌や踊りを覚えることもあります。絶対にテレビを見せてはいけないと、かたくなになるのではなく、一緒に踊ったり、歌ったりしながら、共に楽しむコミュニケーションのツールとして活用すると良いでしょう

子どもへの関わりを工夫する

◇指差ししながら声かけする
絵本に描かれている絵を、人差し指でさしながら読んであげましょう。そのときに、りんごや車などのモノの名前や形がはっきりと描かれている絵本を選ぶことがポイントです。

はっきりと子どもの耳に届きやすい声で、スキンシップを交えながら読んであげてください。大人の動作を真似して、指差しをしやすくなるといわれています。

◇子どもの好きな遊びを一緒にやってみる
誰かに何かを伝えたいという気持ちを育てるためには、人と一緒に遊ぶ楽しさを知ることも大切です。
例えば、ミニカーを一列に並べている子どもがいるとします。まずは一緒に同じことをしてみてください。お子さんは、保護者の方が同じことをしていると気がつくかもしれません。ミニカーを「はい、どうぞ」と言いながら手渡すなど、やり取りの中で積極的に声をかけてみてもよいかもしれません。このように子どもの遊びに積極的に関わっていくと、最初は一方的だったとしても、次第にコミュニケーションが生まれていきます。

また、ほかには、子どもの様子から「あったね!」「ここにいたね」「大きいね」など思っていることを予測して声かけをするのもよいと思います。

◇どちらがいいか選ぶ機会をつくる
例えば、おもちゃと絵本を置いて、どっちで遊ぼうか? と聞いてみます。子どもが興味があるほうに手を伸ばすなど、どちらかを選ぶ様子があったら、指を差したのではなくても、「こっちがいいのね」「選べたね」とほめてあげてください。主体的に選択する機会が少しずつ指差しの行動につながることがあります。

指差しが出なくて心配なときは、専門機関に相談してみましょう

乳児期の子どもの発達には個人差があります。時間がたてば、指差しが出てくるという場合も多くあります。

しかし、心配な場合は専門機関に相談してみるとよいでしょう。子どもの発達に関するアドバイスをもらえたり、専門的な支援が必要と判断された場合には適切な専門機関を紹介してもらえることもありします。気になることがあるときには、以下のような専門機関を訪れてみるとよいでしょう。

小児科

小児科というと、子どもの風邪や病気の診断、治療をするイメージをもつかもしれませんが、子どもの発達に関する悩みごとの相談にも乗ってくれます。より子どもの発達に詳しい専門機関などの情報も持っているので、地元の専門機関を紹介してくれる場合もあります。

地域子育て支援センター

行政や自治体が実施主体となって行っている事業です。子育て中の親子が気軽に集い、交流や子育ての不安・悩みを相談できる場を提供 することを目的として各地域に設置されています。無料で相談をすることができます。

乳幼児健康診査

乳幼児健診は、各市町村の保健センターなどで行われているもので、赤ちゃんの病気の早期発見や予防と早期発見、そして順調に発達しているかどうかを確認するための検査です。保護者が普段の子育てで疑問に思っていることや、なかなか話す機会がない不安などを専門家に相談できる場でもあります。

また、乳幼児健康診査は、同じ月齢期の赤ちゃんを育てる保護者も来ており、子育てを同じくする人と情報交換できる場所でもあるので、上手に活用しましょう。

児童相談所(こども相談所)

0~17歳の児童を対象として、育児の相談、健康の相談、発達の相談など、さまざまな相談を受け付けています。必要に応じて、発達検査を行う場合もあり、無料で医師や保健師、心理士、言語聴覚士などから支援やアドバイスをもらうことができます。基本的に予約制なので、あらかじめお住まいの市町村のホームページなどを見て確認するようにしましょう。

専門機関に相談する前には、普段の生活の中でのコミュニケーションの様子や好きな遊びなど、子どもの様子をメモしておくとよいでしょう。

普段の子どもの様子を伝えることは、専門家が子どもの発達段階を把握するために役立ちます。そうすることで、生活の中で取り入れられる工夫や気をつけたほうがよいことなど教えてもらいやすくなります。

まとめ

子どもの指差しの役割や種類、また指差しが出ないときに確認したいことや、指差しを促すための工夫についてご紹介しました。

指差しは、子どもにとって大切なコミュニケーションの手段です。指差しを使って、「自分と相手ともう一つ」というように関係を広げ、自分の思いを他者に伝えていきます。

1歳半健診では指差しが出ているかを確認されますが、乳児期の子どもの発達には個人差があるため、必ずしもこの時期に指差しが出ているとは限りません。時間がたてば、指差しが出てくるという場合も多くあります。

しかし、心配な場合は専門機関に相談してみましょう。子どもの発達に関するアドバイスをもらえたり、専門的な支援が必要と判断された場合には適切な専門機関を紹介してもらえることもあります。
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