発達指数(DQ)とは? 発達指数の定義、知能指数(IQ)との違い、検査結果と支援方法まとめ

発達指数(DQ)とは? 発達指数の定義、知能指数(IQ)との違い、検査結果と支援方法まとめのタイトル画像

発達指数とは、子どもの発達の規準を数値化したものです。乳幼児の時に発達の段階が数値として表れることで、お子さんの今後の成長に不安を覚えるご両親もいらっしゃるようです。しかし発達指数や発達検査に対する正しい理解によって、お子さんに合った学び方や適切な支援につなげることができます。発達指数の定義や知能指数との違い、発達検査、関連する支援などについてご紹介します。

6077ad2b372d5a152de8191d73e3e4480c620035 s
発達障害のキホン
201909 View
5a9f9be3a4c4f2b420bb57b06f1121b9c3f754e5 s
監修: 井上 雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
応用行動分析学
自閉症支援士エキスパート
LITALICO研究所 客員研究員
目次 発達指数とは 発達指数を知ることができる年齢は? 発達指数を調べる目的 発達指数と知能指数の違い 発達検査を受けることで広がるメリット 発達指数を知りたい時は? 発達指数を知ることができる発達検査の内容 発達指数の値によっては療育手帳をもらえることも まとめ

発達指数とは

発達指数とは、日常生活や対人関係などにおける子どもの発達の規準を数値として表したしたものであり、DQ(Developmental Quotient)とも言います。

子どもの成長には個人差があり、一人ひとり異なる特性を持っています。しかし個人差がある一方で、発達の道筋や順序には共通して見られる特徴があります。子どもは成長するにつれて、視野を広げ、認識力を高め、まわりの人との関わりを深めていきますが、その経験が次の成長のステップにつながります。

子どもが成長していくには、それぞれの発達段階に合った関わりや対応が大切です。そのため、発達を客観的に知るものさしの一つとして発達指数が使われています。

発達指数は発達検査と呼ばれる検査によって知ることができます。発達検査で分かる「発達年齢(発達の状態がどのくらいの年齢に相当するか)」を「生活年齢(実年齢)」で割り、100を掛けて算出します。

発達年齢と実際の年齢が同じ場合、発達指数の値は100と計算できます。そのため平均は100前後とされていますが、発達指数の値だけで子どもの発達状態を判断をすることはありません。あくまでものさしの一つであり、発達検査から分かる能力のバランスや日常生活の様子などを総合して子どもの発達状態を把握します。
発達検査とは?子どもの発達特性が分かる検査の種類や検査内容を紹介しますのタイトル画像

関連記事

発達検査とは?子どもの発達特性が分かる検査の種類や検査内容を紹介します

発達指数を知ることができる年齢は?

発達指数を計ることができる検査としては、実施式のものとして「新版K式発達検査」と「遠城寺式乳幼児発達検査」の2つが挙げられます。ほかに親や養育者が質問に答えていく記述式のものもあり、それぞれ用途や状況に応じて使い分けられます。

それぞれの検査には、検査できる年齢が定められています。

新版K式発達検査であれば生後100日後から成人まで、遠城寺式乳幼児発達検査であれば0歳0ヶ月から4歳8ヶ月まで、発達指数を計ることができます。

主に発達検査は知能検査の実施ができない乳幼児を対象とすることが多いです。また知的障害がある場合など、知能検査だけでは発達の状態や障害の度合いを把握することが難しいケースでは、児童期以上の対象でも発達検査を受けることがあります。

発達指数を調べる目的

発達指数を調べる主な目的は、
1. 子ども一人ひとりの発達状況を理解すること
2. 発達段階に合った適切な学習指導や支援を受ける際のヒントを知ること
の2つです。

発達検査によっては粗大運動やコミュニケーション、生活面など領域ごとの指数が出るものもあり、その子の得意や苦手、経験不足などが細かく把握できます。

注意点として、乳幼児においては、実施式の検査を受ける際の子どもの状態や環境に左右されるため、発達指数の値は変動しやすいといったことが挙げられます。例えば1歳6ヶ月健診などにおいて、発達指数の値が低く出てしまうこともあるかもしれません。そのため知的障害や発達障害があるかどうかの判断は、発達検査や知能検査の結果を長期的に把握しながら行う必要があります。

発達指数はあくまで発達状態を知るものさしの一つです。発達指数だけでなく、発達検査から分かる発達の特徴、検査を受けている時の様子、日常生活の様子を総合して発達状態を判断することが大切です。

発達指数の全体的な値だけにこだわるのではなく、各領域別の指数を見ることで子どもの苦手を把握したり、お子さんの発達のペースや発達の特徴に注目し、家庭でのサポートに活かするようにしましょう。

発達指数と知能指数の違い

発達指数が子どもの発達の基準を数値化したものであるのに対し、知能指数とは人の知的能力(認知機能)の基準を数値化したものです。

ここではそれぞれがどのように使われているのか、適用年齢に差はあるのか、検査内容の違いについてご紹介します。

・目的
発達指数は一人ひとりの子どもの発達状態を知る、知能指数は知的能力の発達に遅れがあるかどうかを知るために使われるものです。適切な学習指導や支援を受ける際のヒントを知るという目的はどちら検査にも共通していると言えます。

検査によっても異なりますが、発達検査には知的機能以外のものが項目に含まれているため、より広い領域について調べたいときや知的障害の場合も適応能力を調べるために発達指数が使われることがあります。

知能指数と発達指数のどちらを用いるか、またどの検査を用いるかは、年齢や障害の程度、疾患の種類などによって変わってくるため、専門家の判断によります。また知能検査と発達検査の両方を受ける場合もあります。

・適用年齢
検査によって異なりますが、発達指数は0歳から成人まで計ることができます。就学前の乳幼児が発達検査を受けることが多いですが、成人でも発達や障害の程度を知るために発達検査を受けることがあります。
一方、知能指数も検査ごとに適用年齢は決まっていますが、2歳から成人まで計ることができます。

子どもに発達障害がある場合、乳幼児期からその兆候が表出することも少なくありません。しかし発達初期の乳幼児の発達状態を、通常の知能検査のみでとらえることは困難だとされています。乳幼児は心理的、身体・運動的、社会的側面の発達が十分でないため、知能のみを検査によって測定することは難しいからです。

・検査内容
発達指数は発達検査によって知ることができ、知能指数は知能検査によって知ることができます。発達検査は玩具など乳幼児にとってなじみのある材料を用いた検査です。それに対して知能検査は種類によっても異なりますが、言葉での応答や筆記用具を用いて回答する問題が多くあります。

※具体的な検査の内容や図版・教具などは事前に知っていると正しい結果が得られないため一般的に公開することは禁じられています。

障害や疾患の診断における知能指数と発達指数

知能指数も発達指数もその数値だけで、障害や疾患の確定診断をすることはありません。発達検査や知能検査を受けるかどうか、また診断を受けるかどうかは決して強制ではなく、本人や保護者の希望・判断によります。乳幼児健診などにおいて、発達の遅れの可能性を指摘された場合も一度の検査だけでなく、定期的な発達検査の結果によって疾患や障害を見分けたり、慎重に診断していきます。

障害や疾患によっては、年齢が上がらないと見分けられない場合もあるため、長期的にお子さんの成長を把握していくことが大切です。
知能検査とは?知能検査の種類、受診方法などのタイトル画像

関連記事

知能検査とは?知能検査の種類、受診方法など

知能指数(IQ)とは?定義や知能検査の種類、知能指数の値と疾患・障害の関係は?のタイトル画像

関連記事

知能指数(IQ)とは?定義や知能検査の種類、知能指数の値と疾患・障害の関係は?

発達検査を受けることで広がるメリット

発達指数と発達検査から分かることを組み合わせてどのようなメリットがあるかご紹介します。

・相談機関などで子どもの成長に対するアドバイスをもらえる
児童相談所などの相談機関では、「検査報告書」をもとに今後のお子さんの成長に対してアドバイスをもらえます。「検査報告書」は発達検査を受けたあとにもらえるもので、検査結果や今後日常生活において注意すべきことが記載されています。発達指数の値は「数値結果」欄にあります。

発達指数によって領域別の得意・苦手がわかり、相談機関によるアドバイスによって、例えばお子さんの苦手な部分に対し、「なぜ苦手なのか」を知ることができます。また苦手なことだけでなく、お子さんの検査に取り組む姿勢やプロセスなども教えてもらえるため、「総合的にどう成長しているか」を把握することができます。
家庭での具体的な配慮がわかる!発達検査の「検査報告書」とは?のタイトル画像

関連記事

家庭での具体的な配慮がわかる!発達検査の「検査報告書」とは?

・小学校就学のヒントを得ることができる
発達検査から分かることを小学校就学の際に活かすことができます。家庭では特に気になることがない子どもでも、幼稚園などで集団生活に参加することで困りごとが現れる場合もあります。そのような場合、小学校就学を前にして不安になる保護者の方も少なくないようです。

検査の数値だけで判断するわけではありませんが、お子さんの発達に気になる点があれば発達検査を受け、早めにお子さんの得意・不得意を把握しておくことで、参考にできます。また小学校就学後にもどのような支援をしていけば良いか、検討しやすくなるでしょう。

検査や診断などを受けた場合、その結果によっては扶養手当や療育手帳、特別支援教育などの支援を受けることが可能になることもあります。

発達指数を知りたい時は?

当サイトに掲載されている情報、及びこの情報を用いて行う利用者の行動や判断につきまして、正確性、完全性、有益性、適合性、その他一切について責任を負うものではありません。また、掲載されている感想やご意見等に関しましても個々人のものとなり、全ての方にあてはまるものではありません。
放課後等デイサービス・児童発達支援の求人一覧です。待遇・給与、勤務時間、研修・教育制度、職員のインタビューからあなたにぴったりの職場を探せます。
会員登録後のエントリーで1,000円のAmazonギフトカードがもらえるキャンペーンを実施中!
あわせて読みたい関連記事

あわせて読みたい関連記事

発達障害のキホンを知る

発達障害のキホンを知る

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。