札幌市が発行した『発達障がい「虎の巻」シリーズ』が分かりやすくて役に立つと話題

ライター:発達ナビニュース
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札幌市の保健福祉局や教育委員会が発行した、発達障害者理解・支援のためのイラスト冊子「虎の巻」シリーズが「分かりやすい」「役に立つ」とインターネット上で話題になっています。「職場編」「暮らし編」「学校編」「続・学校編」「子育て編」が発行されており、イラストで分かりやすく紹介されています。発達ナビ編集部が、札幌市の担当者の方に制作の背景や思いをお聞きしました。

周囲の人に発達障害を理解してもらえるように…札幌市が「虎の巻」を作成

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札幌市の保健福祉局や教育委員会が発行した、発達障害者理解・支援のためのイラスト冊子「虎の巻」シリーズが「分かりやすい」「役に立つ」とインターネット上で話題になっています。

目に見えにくく、わかりづらいと言われる発達障害の特性と、家族や周りの人たちとの間で起こりがちな日常のすれ違いとその対応法について、イラストで紹介されており、「職場編」「暮らし編」「学校編」「続・学校編」「子育て編」が発行されています。
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また札幌市では、平成17年度より発達障がい者の乳児期から成人期までの一貫した支援を行うため「札幌市発達障がい者支援体制整備事業」を実施しているとのこと。

支援制度を体系的にまとめた「札幌市発達障がい者支援施策体系」や「ライフステージに応じた支援機関一覧表」などの冊子の発行も実施したり、発達障がいの早期発見・支援体制を明らかにすることによって早期支援体制を構築するための調査も行っているそうです。

このように行政として発達障害に対し積極的な取り組みをする札幌市に対し、LITALICO発達ナビ編集部は「虎の巻」シリーズ制作の背景や想いについて取材を行いました。
札幌市, 発達障がい支援情報のページ
http://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/hattatu/hattatu.html
札幌市発達障がい者支援施策体系
https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/hattatu/documents/sisakutaikei2018-3.pdf
札幌市, ライフステージに応じた支援機関一覧表(発達障がい者)
https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/hattatu/documents/sienkikanitiran2018-3.pdf

札幌市保健福祉局の担当者さんにインタビュー

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=30701000169
―どのような経緯で、「虎の巻」シリーズのようなイラスト冊子を発行することになったのでしょうか。

札幌市では平成17年度より「札幌市発達障がい者支援体制整備事業」を実施しており、教育、就労、親の会などが連携をとって活動を行っています。その部会のひとつとして地域生活就労部会があるのですが、働く能力はあるのになかなか就労が難しい、発達障害当事者の方々に対する事業者の理解と支援が必要だという議論が行われました。

そこから、今回の『職場で使える「虎の巻」発達障がいのある人たちへの八つの支援ポイント』に繋がる企画が動きだしたのが始まりです。。子供の発達障害を紹介した本は多くあるのですが、大人の発達障害に関する本が少なかったのでつくれないかという話になりました。


―「虎の巻」シリーズをマンガで制作したことにはどのような意図がありますか。

事業者への理解促進を一番の目的としていたため、文章がたくさん書かれていても見てもらえないと考えました。そのため読んで貰いやすさ重視でマンガ形式としました。

また特に考え方の違いの部分が理解されにくいと思っており、認識の違いを「ギャップ」として伝えるのには絵の方が分かりやすいと考えました。


―「虎の巻」シリーズに対し、実際どういった反応がありましたか。

当事者の方々から、「この冊子を見せることで、周りの人に自分のことを分かってもらいやすくなった」という声を頂いております。また就職活動に活用できたという声もいただいています。

―「虎の巻」シリーズをどういった人に見てほしいと考えていますか。

まず第一に雇用する事業者側の方々に見ていただき、発達障害のことを知ってもらえればと思います。特性によるむつかしいことばかりを強調すると悪印象を与えかねないため、特性を活かせば強みとなることにも焦点を当てています。


―札幌市として発達障害への対策を積極的に行っているのにはどういった背景がありますか。

札幌市では関係機関伝達会議において、課題ごと、ライフステージごとに対策を検討しています。そこで検討された施策のうち、取り組めるところから取り組んでおり、また関係機関同士でしっかり連携がとれるようにしています。こういったことの積み重ねで支援が広がっています。

―発達障害の早期発見・早期支援にはどういったメリットがあるとお考えでしょうか。

早い時期から保護者が支援機関とつながり、共に療育を行うと、子どもの成長への効果が大きいと言われています。教育委員会や保健などそれぞれの関係機関と連携をとってほしいです。


―発達障害者支援において、札幌市をどういった街にしていきたいとお考えでしょうか

札幌市だけでなく全国的に、幼児期の支援は進んできているように思います。しかし、二次障害を起こしやすい青年期や成人期においてはまだまだ体制がとれていないところが大きいのではないでしょうか。札幌市では、支援が手薄くなりがちな青年期・成人期の課題においても、関係機関との連携を含めた体制整備が必要だと考えています。

幼児期を終えて年齢が高くなっても、途切れのない支援が受けられるような体制作りをしていきたいです。

お住まいの自治体にはどんな取り組みが?一度確認をおススメします!

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272004690
今回は札幌市の事例を紹介させて頂きましたが、もしかしたらお住まいの市町村でも何かしらの取り組みを行っているかもしれません。改めて自治体のHPを確認してみてはいかがでしょうか。

※「虎の巻」シリーズの冊子は札幌市民向けに制作されたものであるため、他都市の方への配布は難しいとのことです。HP上で全ページを閲覧することが出来ます。

※「虎の巻」シリーズの冊子に掲載されている文章、イラスト等の無断転載、引用は禁止とのことです。当サイトは許可を頂いて掲載をしております。当サイト記事からも画像の無断転載はお控えください。
札幌市, 発達障がい支援情報のページ(虎の巻もこちらから閲覧可能)
http://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/hattatu/hattatu.html
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